ただいまより、日本共産党西宮市会議員団を代表して、わたくし、杉山たかのりが一般質問をおこないます。傍聴のみなさん、ご苦労様です。
1、核兵器禁止条約の採択を受けての平和行政について
青い空、緑の大地、そしておだやかな暮らしは、わたくしたち西宮市民のみならず、平和を愛するすべての人の願いです。そんな平和への願いとはうらはらに、世界はおろかにも人類を何十回も滅ぼすほどの核兵器を蓄積しました。核戦争に未来はありません。恐ろしい核兵器はつくってはならないし、持ってもいけないし、持ち込ませてもなりません。
わたくしたちは、世界中に核兵器の廃絶を強く訴えるとともに、平和を愛する社会をはぐくみ、築くことを誓い、平和非核都市をここに宣言します。
これは1983年12月10日に宣言した西宮市の平和非核都市宣言の言葉です。
西宮市議会6月定例会開催中の7月7日、ニューヨークで行われた国連会議が、人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約を、国連加盟国の約3分の2、122カ国の賛成で採択しました。
条約採択の瞬間、議場は総立ちとなり、拍手と歓声に包まれ、政府代表も市民代表も抱き合って喜び、祝福し合ったそうです。その中で「ヒバクシャ」の果たした役割に、次々と感謝が寄せられたとのことです。広島の被爆者でカナダ在住のサーロー節子さんが「この瞬間が来るとは思ってもみませんでした。これは核兵器の終わりのはじまりです。私は世界の指導者たちに心からお願いします。この条約にサインしてください。」との発言に万来の拍手が起こりました。エレン・ホワイト議長が、発言への感謝とともに「ついに核兵器禁止条約ができました」と閉会の宣言がされると、議場はふたたび総立ちの拍手と歓声に包まれました。
まさに、世界が大きく動く歴史的瞬間であり、歴史的な壮挙だと思います。
これに対して、日本政府は3月に行われた国連会議では、会議に参加しながら、初日に高見沢将林(のぶしげ)軍縮大使が演説で不参加を表明するという唯一の被爆国としてあるまじき態度を取り、参加していた被爆者からは「自国に裏切られ、見捨てられ続けているという被爆者の思いを強くした。」と厳しく非難されたのです。そして、日本の被爆者の皆さんや日本共産党も参加した核兵器禁止条約が採択された国連会議も日本政府はボイコットしたのです。
8月6日、9日に開催された広島、長崎での平和記念式典のあいさつで、安倍首相は、核兵器禁止条約について言及せず、9日の長崎で行われた5つの被爆者団体の要望の場でも言及せず、核兵器禁止条約の採択の喜び、核兵器廃絶への願いにも背を向ける態度に、被爆者から「どこの国の総理か」と批判されました。唯一の戦争被爆国の首相としては許されない態度だといわなければなりません。
先の6月議会で我が党のまつお正秀議員が、核兵器禁止条約と平和行政について詳細に質問をさせていただきましたが、条約採択を受けて、あらためて質問したいと思います。
質問
- 国連で核兵器禁止条約が採択されたことの意義をどう捉えているのか。また、安倍首相が核兵器禁止条約の採択に言及せず背を向けた広島や長崎での態度についてのどう感じたか。
- 8月、第9回平和首長会議の総会が開かれました。これには、松永副市長が出席をされていますが、7月の国連での核兵器禁止条約の採択を受け、すべての国の政府に条約への加盟を求める「ナガサキアピール」「核兵器禁止条約の早期発行を求める特別決議」を採択しています。
平和首長会議総会で採択された「ナガサキアピール」「特別決議」の内容、また市長にかっわって出席された感想や決意をお聞きします。
- 今後、政府が条約を批准することが強く求められると思います。このことを市民にどう伝え、運動にしていくのか。西宮市として、核兵器禁止条約が国連で採択されたこと、西宮市が条約批准にむけ積極的に取り組むことなどを市民にアピールし、西宮市原水爆禁止協議会等市民と運動を広げる必要があると思いますが、今後の取組についてうかがいます。