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2018年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ
2017年08月31日

防災危機管理局


  1. 現在、危機管理センター(第2庁舎)の整備と防災情報システムの構築がすすめられている。大規模化、多発化する自然災害、特に南海トラフ地震にも備えた対策強化が目的となっている。機能の強化は必要であるが、市民から見ても過大な投資にならないよう、十分に検討すること。

  2. この間、災害対策基本法、南海トラフ地震にかかる災害に対する各種対策に関して、西宮市地域防災計画が見直され、想定地震の見直しや津波避難の考え方なども記載されている。しかし、震度7の揺れが2度も起こった2016年の熊本地震にみられるように、災害の現れ方も変化している。引き続き、最善の計画修正に努力するとともに、市民に対しても、内容を周知できるよう、手立てをとること。また、原発事故については、避難等いまだに、防災計画に加えられていない。関係機関ともよく協議し、独自にでも早期に原発事故に備えた防災計画に見直すこと。

  3. 近年の異常気象による局地的豪雨で、全国的に水害や土砂災害が相次ぐなど、想定外の事態となっている。西宮市内でも集中豪雨が多発し、危険性が高まっている。引き続き、県とも連携して危険個所を洗い出し、早急な対策を講じること。また、避難などの対応も早期に確立すること。

  4. 市民が津波からの避難方法を自ら考えるための「津波避難行動指針」が2017年度中にも策定される。この指針をもとに、団体や事業所などに最適な津波避難計画の作成が求められることとなる。市として、指針を普及するとともに、計画作成についても把握に努めること。
    また、津波避難ビルについては、2017年3月末現在、250か所404棟、収容人数276760人となっているが、地域に偏りもあり、少ない地域での対応を強化すること。また、建物へのわかりやすい表示を行うなども含めて、最新の情報で住民に周知をはかること。

  5. 指定避難所については、甲陽園地域をはじめ、勾配のきつい地域では「たどり着くまでが困難」などの意見がある。現在の避難所の配置や箇所数が適切か検討し、民間施設などの協力を求めるなど、増やす方向で取り組むこと。また、災害の種類によって不適切な避難所や避難ルートもあり、そのことも踏まえ、市民への周知を強めること。
    また、指定避難所となっている体育館など教育施設にはエアコンの整備など、避難環境の改善についても、市及び関係機関に要請すること。

  6. さくらFMが販売する「緊急告知ラジオ」の普及については、これまで市は半額補助(4000円)を行っていたが、2017年度から市が半額(4000円+消費税)で直売することとなった。販売数は2014年度960台から2016年度には355台と減少している。このラジオの効用についての広報を幅広く行い、さらに普及をはかるとともに、その他店舗での販売などについても検討すること。

  7. 東京電力福島第一原子力発電所事故から6年半が経過したが、今なお5万人以上が故郷を追われて避難生活を送り、事故原因の究明も、事故対策や除染の見通しもたっていない。このことは、原発は未完の技術であり、市民生活との両立はできないことを示している。しかし政府は、高浜、川内、伊方と次々と原子力発電所の再稼働を強行し、さらに、玄海、大飯等の再稼働を狙っている。
    全国各地で原発再稼働中止など原発に反対する市民運動が起こっており、新潟県知事選挙など、原発反対の候補に支持が集まる事態も生まれている。
    ところが、市民の安全を守るべき西宮市はいまだ原発再稼働に反対することができない。認識を改め、以下のことに取り組みこと。

    1. 政府に対し、直ちに高浜、川内、伊方原発を停止させるとともに、原発の再稼働中止、原発からの撤退を求めること。

    2. 福島第1原発の汚染水対策などにもしっかり取り組むよう求めること。

    3. 再稼働となった高浜原発が事故を起こせば西宮市にも多大な影響が出ることが明らかである。また、琵琶湖が放射能で汚染されると市民の飲み水にも大きな影響が出る。関西電力に対し、原発の再稼働をやめるように申し入れること。

    4. 「脱原発をめざす首長会議」に加入するなど、脱原発の世論を広げる役割を果たすとともに脱原発の運動の先頭に立つこと。