2018年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ/* --項目挿入-- */?>
2017年08月31日
環境局
- 脱原発をめざし自然エネルギーへの転換、原発の再稼動について、市は国政において判断されるべきという態度を取っている。しかし、原発事故が起きれば放射能汚染は250キロ圏内に及ぶとされている。稼働中の高浜原発から何らかの影響がある圏内に西宮市は含まれている。また、日本列島の各原発に当てはめれば、北海道の一部と沖縄を除いて日本列島は危険区域にすっぽり収まり、原発は「立地不適」を示している。
国は、国民の「原発ゼロ」の圧倒的世論を真摯に、かつ重く受け止め、再稼働は即時断念し、原発ゼロへと進むべきある。市として次のことに取り組むこと。
- 市として原発再稼働反対の意思表示をはっきり行うこと。
- 市においても再生可能エネルギーへの転換を促進するために、「再生可能エネルギー・省エネルギー推進計画」における目標を早期に達成できるよう具体的な取り組みを強めること。
- 太陽光発電の公共施設への設置を大胆に計画し実行すること。
- 個人住宅用太陽光発電システム設置補助制度の利用が促進されているが、さらに設置を増やすため補助金の増額を進めること。また、全国的に市民共同発電なども広がっていることからその研究も行い、立ち上げの時には市としてバックアップできる準備をしておくこと。
- 国や県に太陽光パネル設置に対する補助制度を復活させるよう求めること。また、自然再生エネルギーの買い取り価格が年々引き下げられているが、2012年水準に戻すよう国が電力会社などに求めるよう、市として積極的に働きかけること。
- バリアフリー法で共有部分にも補助がでることになったマンションにも太陽光発電設置の助成を行い、あわせて設置住宅等への固定資産税の減免をはかること。
- 民間企業にも太陽光発電の積極的導入を働きかけること。
- 地球温暖化抑止の取り組みについて
2017年6月、米国のトランプ大統領は地球温暖化対策の国際条約「パリ協定」から離脱した。190以上の国・地域が参加する国際ルールよりも、自国の経済成長・雇用確保を優先させると各国首脳から「地球の未来に対する誤り」などと批判が噴出している。また、局地的豪雨など、地球温暖化の影響とみられる異常気象が世界各地でおき、日本国内でも頻発している。世界第5位の温室効果ガス排出国である日本が削減の国際的責任を果たすのは当然であり、それに見合う対策を国や県、市も果たすべきである。市として次のことに取り組むこと。
- 政府は一昨年、温室効果ガス排出量を2030年までに2013年比で26パーセント削減することを決め、国連にも通知をしている。しかし、その目標は自然再生可能エネルギーの増加だけでなく、原発の増加が前提となっている。原発で事故が起きれば命や環境に悪影響を及ぼすことは明らかである。抜本的に自然再生エネルギーを増やし目標達成に努力するよう、国に求めること。
- 地球温暖化抑止について本市は、「持続可能な地域づくりECOプラン西宮市地球温暖化対策地方公共団体実行計画」などに基づいてとりくんでいるが、脱原発を踏まえた目標や計画に抜本的に改めること。また市内最大の事業者として、市が実施状況を公表し温暖化対策をアピールすることによって、市内の事業者にも計画の策定と実行を求めること。
- この間取り組まれている庁舎の屋上緑化や緑のカーテンは室温を下げるなどの一定の効果があることから、他の公共施設についても実施すること。
- 店舗の看板や店内照明および自動販売機については、過剰な電光の使用を抑制するようひきつづき指導すること。また、市庁舎内の自動販売機を減らすこと。
- 市も節電対策に取り組んでいるがいっそうとりくみを強め、さらに、民間事業者を巻き込んだ節電コンテストなど、具体的な節電意識の向上へのとりくみを進めること。
- 神戸製鋼所が、灘区にある神戸製鉄所石炭火力発電所にあらたに2基を増設する計画をすすめている。稼働すれば温室効果ガスの大幅な排出となり、老松町はじめ西宮市全域の大気にも影響を及ぼすことが予測されるから、この計画に反対すること。
- 全国的に空き家がふえている。この背景には日本の住宅政策の貧困があると言わなければならない。国は「空き家対策特別措置法」を制定した。市も2017年3月「西宮市空家等対策計画(素案)」を策定している。
市内の状況を十分把握した上で、国の法律で対応できないケースが予想されるようであれば、条例化も検討すること。
- 西部総合処理センターの破砕選別施設及び焼却施設は、1997年に稼働してから、20年を経過する。市は、現在、代替施設の整備計画を進めている。一方、国は、施設の集約化による施設建設費、運営費等の経費削減、ごみ処理施設及び発電の効率化に伴う環境負荷の低減等、様々な効果が得られるとして、市町村に対してごみ処理の広域化を求めている。市では広域化についても検討する必要があることから、芦屋市とごみ処理の広域化の可能性について協議をするため「西宮市・芦屋市ごみ処理広域化検討会議」を設置し協議を進め、2017年11月には一定の方針をまとめるとしている。両市の市民の意見をよく聞いて拙速に結論を出さないこと。
- ごみ問題について以下のことに取り組むこと。
- ごみの発生を生産段階から削減するためには、ごみ処理を自治体と住民に負担を押しつける現行制度について、OECDが日本政府に勧告している「拡大生産者責任」の立場で抜本的に見直すことが必要であり、このことを引き続き国に求めること。
- 生ごみを減らすために有効だとして、段ボール堆肥化が取り組まれている。さらにコンポスト容器補助制度の対象であること等、出前講座等も実施し市民への周知をはかるとともに、各地の地域団体などと共に講習などを行い、普及をはかること。
- ゴミ収集の業者委託は、市内6割以上へと拡大してきた。災害時の対応や、民間への適切な指導上の必要があることからも、これ以上の民間委託は行わないこと。
- 家庭用ゴミ収集については有料化を絶対におこなわないこと。
- 粗大ごみや家電4製品等の不法投棄が多い。特に、家電4製品の不法投棄を誘発する「家電リサイクル法」について、リサイクル料金等の製品価格への内部化を義務づけるよう国に求めること。また、引き続き監視カメラの設置や不法投棄のパトロールを強めること。
- その他プラスティック製容器包装の分別収集については、当初の目標値から大幅に下回っている。まずは市民の意識向上の取り組みが必要である。そのためには、リサイクルの重要性や、何が出せて何が出せないかの周知を図り回収の増加をはかること。
- ビン類やその他紙類などの分別収集を早期に実施すること。
- 今年度から小型家電等が本格回収されることとなっている。回収量を増やすこと。
- ごみ減量・再資源化を促進するうえでカギを握るのは事業系一般廃棄物や産業廃棄物である。この分野での再資源化を強化すること。
- ゴミ(資源ごみ)持ち去り行為を禁止するため「西宮市廃棄物の処理及び清掃に関する条例」が一部改正された。古紙、アルミ缶等市の回収日に出されたものについて、持ち去り行為を行った者に対して、持ち去りを行わないように命令できるとし、罰則を定めている。業者ではなく個々人で持ち去っている場合は諸事情があると考えられることからていねいに対応すること。
- 市は、「航空機騒音防止対策、環境整備の促進等をはかること」を目的としていた大阪国際空港周辺都市対策協議会に属し、環境・安全対策を求めてきたが、同協議会はジェット機の増便を求めるなど、利用者利便の確保や空港周辺地域の活性化等を強調し、当初の目的から大きく変容しつつある。大阪空港廃止を主張する大阪市は同協議会から脱退した。市も脱退すること。
また、大阪空港は「欠陥空港」であり、安全面からも早期の撤去を国に求めること。
- ぜんそくやがんなどを引き起こすといわれている「PM2.5」(微小粒子状物質)については2009年9月に環境基準が設定された。市の測定場所は5か所になっているがさらに測定局を増やし、観測態勢をいっそう強化すること。
- 校舎や福祉施設の解体において、建物の外壁塗装にアスベストが含まれていることがこのほど判明した。今後、民間においても解体工事が急増する状況にあって、アスベスト対策の強化は待ったなしの課題となっている。アスベストは、人体に重大な健康被害を与えるものだけに、対策は万全を期さなければならない。アスベスト対策の目標は飛散ゼロとすべきであり、必要な体制を急ぎ確立すること。また、国に対して、十分な財政措置を求めること。
- 快適な市民生活を確保するために、以下のことを実施すること。
- 24時間営業の店舗や焼肉店、カラオケ店など、臭気、騒音、光などの苦情に応え指導できるように、「快適な市民生活の確保に関する条例」を実効ある内容に抜本的改正を行い、市民の要望にこたえられるようにすること。
- 同条例において市内公共の場所における歩きたばこ(自転車運転中の喫煙を含む)を規制しているが、依然として歩きたばこは多い。喫煙マナー向上に向け、さらに啓発を進めること。また、阪神西宮駅北側から市役所周辺にかけての一部のエリアを喫煙禁止区域とし、禁止区域内での違反者に対して過料の徴収をしている。しかし、禁止区域内に阪神西宮駅北側エビスタ広場などの喫煙可能場所を設けているのは、趣旨に反する。喫煙可能場所を廃止すること。
- 同条例では、空き地の良好な保全もうたわれているが、あくまでも雑草や水たまりからのボウフラ発生などの抑制のみに限定されている。浜町の空き地には、雑多な廃材等々が民家の二階ほどまで積み上げられ、隣接住宅への火災の危険性とともに、廃材等の崩れによる市民への事故が懸念される状況がある。条例を見直し、快適な市民生活を脅かす空き地の実態を是正できるようにすること。