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上田さち子の一般質問
2017年09月11日

高齢化社会における公共交通について(特に敬老パス)


 高齢化社会到来と言われてずいぶん経ちました。団塊の世代も70歳台に突入し、まさに我がことともなっています。いつまでも元気で買い物や趣味の活動、あるいはボランティア活動など、生き生きと続けられることが高齢者のみなさんの願いです。昨年と今年、私が所属する建設常任委員会では2年連続で「高齢化社会における公共交通のあり方」を施策研究テーマに選び議論を深めています。これまでマイカーで気軽に出かけていた方々も免許証を返上する方が増えてきて、いざバスに乗ろうと思ったら路線がなく行きたいところに行けない、便数が少なくて間に合わない、一回の乗車で220円の負担が重いなどなど、あらためて公共交通の充実を求める声が強くなってきているところです。昨年の建設常任委員会では、路線の新規・拡充の提案などとともに、芦屋市や尼崎市でも実施している高齢者のバス運賃半額制度・敬老パスのことも話し合いました。そして市への提言の「まとめ」として市の財政出動が不可欠としたところです。
 さて今回は、高齢者の社会参加を促進するためにも、高齢者のバス運賃が半額となる制度・敬老パスについて質問します。
 現在市では、約3億円の一般財源で「高齢者交通助成制度」として、70歳以上のすべての市民に5000円分の割引証を交付しています。これはバスや電車、タクシーも利用できる制度で多くの方から喜ばれているところです。しかしこの制度の問題点として、交付された本人が使用しているかどうかが定かでないことが指摘され続けていることも事実です。一方、芦屋市等で実施されている敬老パスは、バス乗車に限られるものの、本人確認が可能で実際の乗車に合わせた市の負担となっていることはご承知の通りです。今回は人口84万人の堺市における「おでかけ応援カード」を紹介し、質問をしたいと思います。
 堺市も西宮市と同様市交通・市バスがない自治体ですが、高齢者の外出支援とともに、公共交通の利用促進を目的に、65歳以上の市民を対象に申請時に1000円支払えば「ICカード・おでかけ応援カード」が交付され、1回につき100円でバスに乗車できる制度が平成16年度より実施されました。当初は毎月5の付く日(5日・15日・25日)に南海バスに乗車できる制度を開始。その後徐々に実施日や事業者を増やし、平成27年度からは利用日はすべての日となり、南海バスのほかに近鉄バス、阪堺電車も100円で乗車できる制度に拡充されました。平成28年度決算では、路線バスの1日当たり利用者数は14641人、阪堺電車は1190人、合計で15831人です。堺市の負担額は年間4億2656万円とのことでした。ちなみに堺市の65歳以上の方でICカード所有者は144319人で62.93%となっていて、毎日対象者の1割の方々が「おでかけ応援カード」を利用されているということになります。

(質問)
(1)昨年の建設常任委員会としての提言で、高齢化社会における公共交通の充実のためには「市の財政出動」が不可欠としたことに対し、あらためて市の見解をお聞きします。

(2)高齢者が運転免許証を返上した場合、阪神バスは運賃が半額となる制度がありますが、阪急バスはありません。早急に阪急バスでも実施してもらうべきです。いったい何が支障となっているのか、その対策はないのかお聞きします。

(3)堺市の「おでかけ応援カード」について詳しく紹介しました。運賃の本人負担額100円の残額については、公共交通の利用促進が図られるという観点から、バス事業者が2分の1負担し、残りを堺市が負担しています。西宮市としても一層高齢化が進む中、現在「高齢者交通助成制度」を実施していますが、堺市が行っている「おでかけ応援カード」のような敬老パス制度導入を、真剣に、具体的に検討すべきと思いますがどうでしょうか。