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上田さち子の一般質問
2017年09月11日

改良住宅と普通市営住宅について


 6月議会において「西宮市営住宅条例の一部を改正する条例制定」が行われましたが、日本共産党西宮市会議員団は採決に加わらず退場しました。その理由は本会議でも述べましたが、条例改正の趣旨として、改良住宅の空き家については、来年4月より普通市営住宅に準じた入居資格と家賃で公募し、管理を行うためとし、条例改正の目的として、改良住宅地区における市営住宅の建てかえ計画を策定する際に、改良住宅と普通市営住宅に準じた入居者を明確に区別し、効率のよい建てかえ計画を策定するためとしている点です。ここには、家賃のみの是正はあるものの、共益費の徴収が盛り込まれないなど、行政当局によって、区別と言う名のもとに「差別」を未来永劫残す仕組みとなっており認めることはできません。
 改良住宅は1969年…昭和44年に国が同和対策特別措置法を制定し、これを受け、西宮市が住宅地区改良事業を同和対策の中心的事業として計画、地区の劣悪な住環境改善を図るとして、1971年より取り組まれ、当時地区内に居住されていた方々に対し、完成した改良住宅に次々と「補償入居」を進めました。2000年…平成12年からは、補償入居者の死亡や転宅による退去に伴い空き家となった住宅について、地区外からの一般募集を進めています。現在の入居者の状況は、1,784世帯のうち補償入居者は955世帯、残りの829世帯は一般公募による入居者です。今後さらに補償入居者は減少することになると思われます。
 改良住宅の家賃や共益費のあり方については、これまで議会でもたびたび議論があったところですが、歴史的経過もあり、普通市営住宅とは異なる内容、すなわち、家賃は改正があったものの普通市営住宅のほぼ半額、特に共益費については、入居者からの徴収は一切ありません。2000年からの一般公募での入居者についても、補償入居者と同様に、家賃は半額、共益費の負担はなしとなったままです。このため、共益費相当額の一般財源投入額は、年間6,200万円にも上っています。この40年間でみると24億8000万円にも上っています。
 このような状況の中で条例改正が行われましたが、改良住宅の現入居者と、今後入居する方々については共益費の徴収をしない方向が示されたことは、大変重大だと言わなければなりません。
 一方、市がまとめた西宮市営住宅整備・管理計画では、普通市営住宅入居世帯の収入状況を明らかにしています。それを見ると政令月収104000円以下の低額所得者が全体の86.2%・5108世帯にものぼっており、生活保護受給者を含め、普通市営住宅という理由で、一切共益費の免除はありません。

(質問)
(1)尼崎市では3395戸の改良住宅を建設しましたが、当初より普通市営住宅と家賃は同額、共益費も徴収しています。もちろん補償入居者の空き家についても、西宮市と同様一般公募も行っています。西宮市としても、差別をいつまでも温存させないという決意から、改良住宅における家賃や共益費のあり方を抜本的に見直すべきと考えるがどうか。

(2)西宮市は、普通市営住宅入居者であれば、生活保護世帯であっても、所得がどんなに低くても、一定額の共益費負担があります。改良住宅、普通市営住宅など住宅の種別を問わず、共益費については入居者の所得に応じた負担となるよう「減免制度」などを導入することを提案したいと思います。見解をお聞きします。