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佐藤みちこの一般質問
2017年12月07日

公契約条例の制定について


 この問題について、わが党議員団は一般質問等で繰返し条例の制定を求めてきました。しかし、市は一向にやる気がなく「国の法整備を最優先すべき」との答弁を繰り返してきました。公契約条例とは、改めて確認しますと、自治体が発注する請負工事や業務委託、指定管理業務に従事する労働者の賃金が低賃金しか支払われないことから、「管制ワーキングプア」の解消をめざし、自治体と契約する事業者に一定以上額の賃金の支払いを求める条例です。2009年に千葉県野田市が制定して以来、制定する自治体が増えています。兵庫県内では三木市、加西市、加東市、尼崎市が制定しています。
 西宮市は2010年から2年間かけて公契約条例制定プロジェクトチームを設置し調査研究をしましたが、「現時点においては西宮市では公契約条例の制定はしない。しかし、その理念に沿った形で何らかの対応が可能である」との結論を出し現在に至っています。
 その後の議会で、わが党の上田議員、杉山議員が、労働者の賃金や労働条件がどのように改善されたのか。また、条例制定並みの成果を上げているのか等と質問しています。
 市は、「指定管理者制度では2012年に作成したモニタリングマニュアルに基づき、事業者からの応募書類に労働条件についての記載を求めている。また、2013年から選定時の条件が履行されているかどうかチェックする仕組みを作っている。公共工事については、2015年度の工事登録申請から社会保険等の加入を要件化し、加入義務があるにもかかわらず加入していない業者は工事入札・契約には参加させないようにしている」等々と答弁しています。
 また、働いている人たちにどれくらいの賃金が支払われているのか「管制ワーキングプア」になっていないか等の問題については、市が「個々の労働契約にまでかかわることは難しい」と答弁していますが、これではとても条例制定並みの効果を上げているとは言えない状況ではないでしょうか。この条例制定については、2017年4月現在で賃金の金額を明記した、賃金条項がある公契約条例を制定している自治体が18市、賃金の金額を明記していない公契約条例の制定市が15市となり増え続けていますが、西宮市ではなぜ条例制定ができないのでしょうか。
 これまで、議員団は公契約条例の制定を実現するために、条例を制定した川崎市、多摩市、三木市を視察してきました。この11月には東京都千代田区の公契約条例について学んできたところです。千代田区では2012年の定例会で区長が、「賃金等の労働条件は、本来使用者と労働者間で関係法令に基づき決められるものであるが、長期不況の中で、公共工事あるいは業務委託、指定管理者を含めて、業者間での競争が激化しており、受注者や労働条件の低下が懸念される。公共サービスの質の確保を図る上からも、業務にあった適正な賃金の確保という点からも問題視するべきである。一つの方策として公契約条例が考えられる。検討に当たっては、外部の方の意見も聞きながら、内容を詰めていきたい」と答弁をし、その後2014年に条例が全会一致で制定されました。千代田区の担当者は、「条例にしたのはお願いごとではなく強制力をもたせることができるから」と強調されていました。
 千代田区の公契約条例は、対象となる契約は予定価格1億5千万以上の工事請負契約、予定価格3000万円以上の業務委託契約、すべての指定管理者です。賃金の下限額は工事請負契約は公共工事設計労務単価に85%を乗じた額、これについては90%をめざしたいと言われていました。業務委託契約、指定管理者は職員給与を勘案して得た額で下限額を設定し、2017年度は967円となっています。東京都の最低賃金は958円で9円上回っています。担当者の説明では「受注者は労務台帳を整備し、区が実施する立ち入り調査、報告等の調査に協力することを求めている。事業者側にとってはやや負担感があるが、今のところは何も問題がない」と言うことでした。千代田区の条例の特徴としては全ての従事者の社会保険加入を義務付けしていることです。賃金については区長の付属機関として公契約審議会を設置し1年ごとに賃金の見直しをしています。このような先進市に学んで西宮市でも早期に公契約条例を制定するよう強く求めます。

 1、条例を制定する市が増えてきている。このことに対して市の見解を聞く。また、市は頑なに条例制定に背を向け続けています。この理由は何か。
 2、条例を制定をしなくても条例制定並みの効果があるとのことだが、具体的にどのような効果があったのか聞く。

 以上で、壇上からの質問は終わります。ご答弁によりましては自席より意見、要望、再質問をさせて頂きます。ご清聴ありがとうございました。