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まつお正秀の反対討論
2017年12月19日

議案第383号、議案第386号、議案第387号について


 ただ今上程中の諸議案のうち私の方からは、議案383号指定管理者指定の件(青木町住宅ほか77施設)について、議案第386号、工事請負契約締結の件(市民課天井耐震化工事)、議案第387号、工事請負契約締結の件(ホール天井耐震化工事)、以上3議案については、日本共産党西宮市会議員団としての反対討論を行います
 以下、3議案についての反対理由を述べます。

 議案383号は、これまで市内の市営住宅の指定管理において、北部、中部、南部と3つの地域に分け、北部と南部は公募においてそれぞれ近鉄住宅管理株式会社と日本管財株式会社に、中部は非公募で西宮市都市整備公社に市営住宅の管理運営を行わせ、北部を担当する業者には日常の管理運営業務と合わせて市内全域の市営住宅入居募集業務も行わせてきたものを、来年3月末で5年間の指定管理期間が終了することから、新たに東急コミュニティ株式会社、(以下東急コミュニティと呼びます)に市内すべての市営住宅管理運営と入居募集業務に加え、これまで指定管理者には行わせていなかった家賃などの収納等に係る業務も行わせるとして提案されているものです。
 今回指定管理者として提案されている東急コミュニティは、5年前の指定管理者選定の時には北部地域の指定管理者として提案されましたが、この会社に雇用された従業員が管理するマンションにおいて、管理組合費の使い込み事案が過去二回あったことなどが発覚したことから、当時、宝塚市では同様の議案が否決され、芦屋市や西宮市でも同じ案件でこの業者を指定管理者とすることが提案されましたが、両市においては業者側の辞退という形ではありましたが、東急コミュニティを指定管理者とする提案が撤回された経緯があります。
 今議会でこの議案の審査が行われた12月14日の建設常任委員会では、当局から東急コミュニティの過去の事件は欠格事項ではなく、この間、マンションだけでなく公営住宅の管理運営を幅広く行っていること、指定候補者選定委員会の審査でも総合評価において、応募した3社の中で最も評価点が高かったことなどを選定理由としたことが説明されました。しかし、5年前の提案時には中部地区のみを市が関与する都市整備公社を非公募として提案する理由として、南部や北部と比べて住民対応事案、いわゆる苦情などが大変多いこと、さらに災害時などの対応に市の関与が必要であるとして提案されていたことからして、すべての管理業務などを民間にゆだねていいのかという疑念が残ります。また、今回の提案は市内すべての市営住宅を東急コミュニティ一が募集業務とともに管理運営を行うだけでなく、新たに家賃収納業務なども行わせることについて、この業者に問題が出てきたときの対応にも不安が生じます。西宮市にとっては未知の業者に全地域の管理運営だけでなく新たな業務も行わせることは時期尚早であると考えるものです。

 次に、議案第386号、議案387号の2件ついては、施設の天井工事における契約ですが、契約の相手方が大林・羽衣 特定建設工事共同体となっています。
 ご承知のように、大林組は現在、JR東海が発注したリニア中央新幹線関連工事の入札で不正があった疑いで東京地検特捜部が現在調査中であり、偽計業務妨害容疑で家宅捜索も行われています。その後、JR東海社員が入札情報を大林組に漏えいさせたことを認めているとも報じられています。さらに、大手ゼネコン4社がリニア新幹線工事の受注調整をした可能性があるとして、昨日、東京地検特捜部と公正取引委員会は独占禁止法違反の疑い4社のうち鹿島と清水建設を家宅捜索し、残る大林組と大成建設についても近く捜索を行うとの報道もなされています。このような状況の中で本契約を結ぶことは認められず、捜査状況を見極めたうえで改めて入札をすべきと考えます。

 以上で、3議案についての反対討論を終わります。