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佐藤みち子の代表質問
2018年06月22日

市立中央体育館整備について


 市長は所信表明で、スポーツについて、超高齢社会となり、今後、益々高齢者が増加する中、心身ともに健康で生き生きと過ごすには、「健康寿命」の延伸が必要と考えています。健康寿命を伸ばすには様々な施策を組み合わせることになりますが、スポーツはその要素の一つです。スポーツが健康を維持し暮らしを豊かにすることは間違いありません。と述べていますが、その通りです。

 さて、2011年に国が「スポーツ基本法」を制定してから7年目を迎えています。この法律は基本理念に「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利であり」と、前文と第二条に掲げています。スポーツが権利として保障されるには、人々が日常生活のなかで気軽にスポーツのできる条件が整備されなければなりません。

 その役割を担っているのが、地方自治体のスポーツ行政です。「スポーツ基本法」は国と地方自治体の責務を規定し、第四条で「地方公共団体はスポーツ基本法の理念にのっとり、スポーツに関する施策に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、および実施する責務を有する」と明記しています。

 この責務を果たすために都道府県、市町村に対して「地方スポーツ推進計画」を定めるよう努めるものとする」と明示しました。しかし、この「地方スポーツ推進」計画を策定している市町村は、残念ながら全体の30%にとどまっています。 西宮市は、2014年度から2023年度までの10年間を計画とする「西宮市スポーツ推進計画」を2014年3月に策定しました。

 2016年、政府は、地方自治体が所有・運営する大規模集客型の公共スポーツ施設を官民連携で「稼げる施設」へと変革させる方針を提唱しました。その後、政府は、2025年までに「稼げる」視点を重視した多機能型・複合型のスタジアムやアリーナを全国に20か所整備する目標を掲げていますが、その中に西宮市新体育館も含まれています。

 市が計画している新体育館は、建築面積約8,000u、延床面積約15.000uで、バスケットボール公式3面、さらにサブアリーナにも1面、観客収容人数が約5,000人と、とても大きな体育館です。「観る」スポーツということで、プロバスケットボール、西宮ストークスの本拠地と位置づけ、年間24試合を予定しています。また、プロバスケットの試合以外にも各種のイベントを行うとのことです。これは、政府の言う「稼げる」視点を重視した、整備計画のように思えます。

 日本共産党市議団は、老朽化した体育館を建替えることに反対するものではありません。しかし、市立体育館ですから高齢者、障害のある方、子ども、すべての市民が安い料金で充分利用できること、そして、規模についても過大なものは必要ないと考えています。

 2016年11月26日〜2017年1月25日にかけて市が実施したパブリックコメントでは体育館について、「トップスポーツの施設と一般市民が利用する施設を供用しようとすることは、根本から間違っていることは明らか」「一般市民が健康増進のため日々使用する施設とトップアスリートが使用する施設は根本的に違う」「イベントや試合の日は、周辺の道路が渋滞する」等、厳しい意見が寄せられました。
 市長は、体育館と陸上競技場等の整備については、市のスポーツ環境全体を考慮した上で、様々なご意見を踏まえて進めてまいります。と所信表明で述べました。

質問 
  1. 西宮ストークスが中央体育館をホームにした経過について聞く。

  2. バスケットBリーグ1部は収容人数が5000人規模と決められている。仮に西宮ストークスのホームアリーナとなっていなければこの計画はどうなっていたのか。

  3. 市立体育館は、平日でも90%を超える使用状況である。市民優先で使用することが重要である。プロチームとの併用で市民の使用が制限されることはないのか。