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佐藤みち子の代表質問
2018年06月22日

UR借り上げ市営住宅について


 阪神・淡路大震災の被災者向け借り上げ市営住宅「シティハイツ西宮北口」は、2015年9月に返還期限を迎えました。この問題で、議会が入居者と話し合いで解決するよう求めたにも係わらず、市は2016年5月に神戸地裁尼崎支部に提訴しました。2017年7月に和解協議が始まりましたが、継続入居を求める入居者と住替えを求める市では意見が合わず、11月に協議は打ち切りになっていました。
 その後、2018年5月に神戸地裁尼崎支部が、市に継続入居を前提とした和解協議の再開を打診し、市は検討する意向を示していました。5月23日には、神戸市と西宮市で、継続入居を求める行動が実施され、入居者は、「市長に直接会って、私たちの話を聞いてもらいたい」と求めました。

 市長は、6月7日に入居者4人と初めて面談をしました。新聞報道によると、市長は冒頭「震災で被災し、大変な苦労を積み上げてきたと思う。忌憚のない意見を交わし、互いが理解しあえる着地点に到達したい」と、挨拶し、その後、約45分にわたってそれぞれの暮らしぶりや思いを聞き取ったとのことです。面談後、取材に応じた市長は「和解に向けて一人一人と向きあって条件を探っていきたい」と、和解に前向きな姿勢を示したと報道されています。同席をした入居者側の弁護団は「市長は入居者の思いに真摯に耳を傾けてくれたと思う。市民に寄り添う市長でありたいといっていたので、継続入居を早く決めてほしい」と話しました。
 
 しかし、その後の市長の対応は、自らの「選挙公約」をほごにするものでした。4月市長選で、市長は、借上げ復興住宅弁護団や借り上げ住宅協議会の公開質問状に、前市長が提訴したことには、「反対の立場」、「継続入居を認めていく方向で進めるべき」、すでに退去した住民との公平性については「完全な公平性は相当に困難」と答えていました。市長は、継続入居を認めない理由として「すでに住替えした方々との公平性を保てない」と述べました。所信表明では、なかなか汲み取りにくい個人の声にも耳を澄まし、そういった方の思いに寄り添う市政運営を行ってまいりたいと思います。と述べています。

 この対応が、市長の言う、市民に寄り添うということなのでしょうか。入居者の方からみれば、市長が自分たちの声に真摯に耳を傾けてくれた、大きく方針が変わるのではないかと、期待されていたと思います。ずっと、この問題を議会で繰返し質問をしてきた日本共産党市議団は、市長と入居者が面談することで、「和解、継続入居」の方針に変更になると思いました。なんのために入居者と面談をしたのでしょうか。今、入居者の方は言葉もないほど落胆しています。

 6月20日、神戸地裁尼崎支部で、市は、裁判所から打診されていた継続入居を前提とした和解協議を拒否しました。入居者に退去を求めるものの、和解そのものには前向きな姿勢をしめした。と報道されています。

質問
  1. 市長は、選挙時には「和解」「継続入居」を訴えていたのに、市長になったとたん変更したのはなぜか。お聞きします。

  2. 公平性については、選挙時には「完全な公平性は相当に困難」と答えていたのに、「すでに住替えをした方との公平性が保てない」と述べ、継続入居を認めなかった。市長の言う公平性とは何か。

  3. 市長は、入居者の方と面談した後、近隣の住宅に転居することは可能と判断しているが何をもって可能と判断したのか。お聞きします。

  4. 高齢の入居者をいつまでも被告席に立たせるわけにはいきません。裁判所が提案しているように和解をし、そして継続入居を認めるべきではないでしょうか。