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2019年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書
2018年09月03日

防災危機管理局


  1. この間、災害対策基本法や、南海トラフ地震にかかる災害に対する各種対策に関連して西宮市地域防災計画が見直され、想定地震の見直しや津波避難の考え方なども記載されている。しかし、震度7の揺れが2度も起こった2016年の熊本地震にみられるように、災害の現れ方も変化している。以下のことを行うこと。
    1. 引き続き、最善の計画に修正するよう努めるとともに、市民に対しても、内容を周知できるよう、手立てをとること。
    2. 危険性が高いにもかかわらず最も取り組みが遅れている原発事故対策については、関係機関にも働きかけ、独自にでも早期に原発事故に備えた防災計画に見直すこと。

  2. 近年の異常気象による局地的豪雨で、全国的に想定外の水害や土砂災害が相次いでいる。西宮市内でも集中豪雨が多発し、危険性が高まっている。引き続き、県とも連携して危険個所を洗い出し、早急な対策を講じること。
    また、避難などについても最新の知見をもとに適切な対応をとること。

  3. 近年、地震による津波や豪雨による洪水が非常に心配される。そのため、避難場所の確保が重要である。以下のことを行うこと。
    1. 市民が津波からの避難方法を自ら考えるための「津波避難行動指針」が策定され、団体や事業所などに最適な津波避難計画の作成が求められる。市として、指針を普及するとともに、計画作成についても把握に努めること。
    2. 津波避難ビルについては、2018年5月末現在、250施設406棟となっており、量的には確保できているものの、不足する地域での対応を強化すること。また、建物へのわかりやすい表示を行うなども含めて、最新の情報で住民に周知をはかること。
    3. 鳴尾御影線以北地域における、洪水に対する一時的な避難場所についても研究、検討すること。

  4. 指定避難所については、甲陽園地域をはじめ、勾配のきつい地域では「たどり着くまでが困難」などの意見がある。現在の避難所の配置や箇所数が適切か検討し、民間施設などの協力を求めるなど、増やす方向で取り組むこと。また、災害の種類によって不適切な避難所や避難ルートもあり、そのことも踏まえ、市民への周知を強めること。

  5. 指定避難所となっている学校体育館など教育施設には、2018年西日本豪雨の経験から、エアコンや冷風機の整備など、猛暑への対応が必要である。その他、避難環境の改善について、市関係機関に要請すること。

  6. 災害時の情報伝達は非常に重要になってきた。防災スピーカーをはじめ、市ホームページやSNSなど様々な手段を駆使して市民に情報を伝えているが、以下のことを行うこと。
    1. 防災スピーカーや広報車は聞き取りにくいとの声もあり、今後も改善につとめること。
    2. 市が助成している「緊急告知ラジオ」(さくらFM販売)は、情報伝達手段として非常に効果的である。広報を幅広く行い、市役所・支所だけでなく、民間店舗での販売などについても改めて検討するなど、いっそうの普及をはかること。

  7. 東京電力福島第一原子力発電所事故から7年が経過したが、今なお5万人以上が故郷を追われて避難生活を送り、いまだに事故原因の究明も、事故対策や除染の見通しもたっていない。このことは、原発は未完の技術であり、市民生活との両立はできないことを示している。しかし政府は、次々と原子力発電所の再稼働を強行してきた。
    全国的に比較的大規模な地震が頻発しているにもかかわらず、市民の安全を守るべき西宮市はいまだ原発再稼働に反対することができない。認識を改め、以下のことに取り組むこと。
    1. 政府に対し、直ちに再稼働中の原発を停止させるとともに、廃炉に向けた研究をすすめ、原発からの撤退を求めること。
    2. 福島第1原発の汚染水対策などにもしっかり取り組むよう求めること。
    3. 福井県内で再稼働となった原発が事故を起こせば、西宮市にも多大な影響が出ることは明らかである。また、琵琶湖が放射能で汚染されると市民の飲み水にも大きな影響が出る。関西電力、日本原子力発電に対し、原発の再稼働をやめるように申し入れること。
    4. 「脱原発をめざす首長会議」に加入するなど、脱原発の世論を広げる役割を果たすとともに脱原発の運動の先頭に立つこと。

  8. 今夏の酷暑については、気象庁が「災害」との認識を示すとおり、市民の命と生活を脅かすものとなった。災害と位置付けられる異常気象による猛暑と熱中症についても新たに対策を検討すること。