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2019年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書
2018年09月03日

産業文化局


  1. 地域経済の活性化と中小零細企業・業者対策について
    1. 市長は2018年6月議会での所信表明で産業施策の基本理念・基本方針を定め(仮称)産業振興条例の制定を進めていると述べている。理念条例ではなく実効性のある条例とし、特に中小零細業者に焦点をあてること。
    2. 商店・市場の振興策としての共同施設・設備などの新設・改修に対する補助を、小規模施設については1000万円に引き上げるなど、営業を継続できる支援をすること。
    3. 現在実施されている中小企業を対象にした融資制度について、無担保、無保証人融資の限度額の引き上げ、利率の思い切った引き下げ、信用保証料の市負担分について融資額300万円を500万円に引き上げるなど、借り入れ希望者が容易に借りられるよう制度の改善を図ること。

  2. 池田町の卸売市場については、民設民営の方針が示されている。すべての市場関係者の意見をよく聞き、地域経済の活性化の観点から市も財政的支援等を含め積極的に役割を果たすこと。

  3. 「住宅リフォーム助成制度」は市民や地元業者に喜ばれている。予算を大幅に増額するとともに、随時募集を検討し、さらに利用しやすくすること。さらに、一般の営業店舗や事務所にも対象を拡大すること。

  4. 武田尾温泉の西宮側については、後継者などの問題も含めて現在存亡の危機にある。JR旧福知山線ハイキング道の一般開放によって武田尾を訪れる人もが増えていることから、市として宝塚市側と連携した取り組みで両市の地域が活性化するような支援を行い、温泉の活性化につなげること。

  5. 公契約条例制定について
    市が発注する業務委託や、指定管理者による施設の維持・管理などは、直接市民生活に関わる重要な市民サービスであり、公契約である。ところが、低価格で受託する事業者が増え、そこで働く労働者が低賃金低労働条件を押し付けられ、しわ寄せを受けている。公共事業において、「安かろう、悪かろう」がまかり通り、「ワーキングプア」をつくりだすことになっている。サービスの質の向上を進めるためにも、従事労働者の適正賃金確保と、事業者の安定経営が両立する早急な改善が求められる。
    県内でも三木市、加東市、宝塚市等が公契約条例を制定している。早急に公契約条例を制定し、労働条件の改善をはかること。

  6. 勤労福祉対策について
    今国会では、「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)」を含む働き方改革一括法が、与党の賛成多数で強行可決された。この法律は、日本の労働法制を根幹から覆すものであり、長時間労働に歯止めがきかなくなる。雇用の安定化や労働者の命や生活を守るためにも、次のことを国に求めること。
    1. 働き方改革一括法の撤回を求めること。
    2. 派遣労働法の改悪によって生涯派遣ということが可能な事態にまでなっている。労働者派遣法を抜本改正し、派遣労働は一時的・臨時的なものに厳しく制限するよう、国に求めること。
    3. 最低賃金についてはただちに1000円に引き上げ、さらに1500円をめざすこと。
    4. 明確な労働基準法違反についてはきびしく是正を行わせること。

  7. 就労支援事業として、「西宮若者サポートステーション」(対象39歳以下)や「しごとサポートウェーブにしきた」(対象女性)など、国、県の事業を活用した取組や市単独で「しごと相談室」(対象40歳以上)が行われている。事業を継続し拡充をはかること。

  8. 中小企業勤労者福祉共済は、市内で事業を行っている常用従業員が300人以下の事業所を対象にパートタイマーも加入できるようになっているが、加入率は毎年低下している。共済事業の広域化などで内容を魅力あるものにするなどして加入を促進し、市内労働者の福利厚生に寄与すること。

  9. 勤労会館、青少年ホーム、サンアビリティーズの3施設は老朽化が進んでいる。市として以下のことに取り組むこと。
    1. 3施設については、勤労者施策や青少年施策などに果たす役割は大変大きく、利用率も高くなっている。市直営を堅持し思いきって勤労者施設として建替え存続すること。
    2. 勤労会館内のトイレについては洋式化(温水便座)を進めること。
    3. 机やいすの傷みが激しい。新しいものに交換すること。

  10. 市内で生産している軟弱野菜などは高い評価を受けている。地産地消をすすめ西宮の農業を守り育成すること。特に、学校給食で使用される市内農産物の提供農家に対しては、市場出荷分に見合う価格保障を行うこと。
    野菜の直売所を広げるとともに、生産者とともにアピールの方法も工夫し、農業の活性化につなげること。

  11. 市民農園利用の希望が多くなっている。耕作放棄地や遊休市有地等を活用して、市民農園を拡充すること。

  12. 有害鳥獣対策にいっそう力を入れること。特に農作物を荒らすイノシシ、アライグマ等やゴミを荒らすカラス対策は、市民の意見もよく聞いて取り組みをさらに強めること。

  13. 新手の詐欺行為が横行し、いわゆる特殊詐欺による消費者被害はあとを絶たない。消費生活センターからの情報提供をより充実させ、相談内容の複雑化や多様化に対応できる体制を確保すること。

  14. 食肉センターで解体処理された牛・豚肉はそのほとんどが市外に流通しており、毎年1億円以上の経常経費や施設の老朽化対策のための税投入は、市民の理解が得られない。今後、施設の老朽化や建替え等、多額の財源が必要となってくる。食肉センターは、検討委員会の提言通り、直ちに民営化、または閉鎖すること。

  15. 市民だれもが自由に文化を創造し享受できるよう市が主体性を発揮し、次のことに取り組むこと。
    1. 子ども時代に多様な文化芸術に触れることが大事である。しかし、文化芸術を楽しむためにはお金がかかり親の経済力によっては文化芸術にふれることができない子どももいる。子どもをはじめ気軽に文化に触れることができるよう文化予算を大幅に増やし、学校や保育所等で文化にふれる機会をつくること。
    2. 市民が気軽に利用できる小規模ホール、器楽練習場など文化施設を増やすこと。

  16. 市民のスポーツ要求に応えるため、以下のことに取り組むこと。
    1. 民間スポーツ施設が市内に増えているが、料金も高く利用できない市民も多い。サンアビリティーズのような、低料金で手軽に利用できる公的スポーツ施設を抜本的に増やすこと。
    2. 親子連れで低価で利用できるプールを浜甲子園の厚生年金プール跡地に設置すること。

  17. 市立鳴尾体育館等、市立体育館のアリーナにエアコンを設置すること。

  18. 市立中央体育館の収容人数については、5000人から3500人に減らす方針に転換したが、車の集中や騒音など周辺住民への負担が懸念される。また、今でも利用率が高いところへ西宮ストークスの試合や練習が加わると市民の利用が損なわれるという懸念もある。市民が使いやすい体育館となるよう再度検討すること。