HOMEへ
佐藤みちこの反対討論
2018年10月03日

議案第10号西宮市議会議員定数条例の一部を改正する条例制定の件について


 ただいま上程中の議員提出議案第10号西宮市議会議員定数条例の一部を改正する条例制定の件につきまして日本共産党西宮市会議員団は反対します。
 以下、討論を行います。

 本議案は、現在の議員定数41人をひとり削減して40人とするものです。
 提案者は改正する理由として、2016年6月定例会以降、決算審査、予算審査も含めて1年以上の期間、40人の議員数で議会は運営されてきたが、40人であっても明確な不都合は生じていない、本市の厳しい財政状況を踏まえてみずからの身を切る姿勢を議員が率先して示すべきなどとしています。

 議員定数の問題は地方政治における民主主義の基本問題です。地方議会は、議員と首長がともに選挙で選ばれる二元代表制の形をとっています。そのもとで、住民の多様な意見を組み上げ、市政と住民をつなぐ、また、市政をチェックし、執行機関に対する批判・監視役、政策提案等の役割があります。議員を減らすことは、住民の民意が切られることであり、議員が身をきるため、あるいは議会が身をきるためと言うのはごまかしです。今の西宮市には、41人の議員が必要ですし、人口や財政規模から考えれば、それ以上の議員が必要だと考えます。

 さらに、子育て、介護、貧困など生活に困難を抱える市民が増えています。日本共産党市議団には日々生活相談が寄せられています。「子どもが保育園に入れなかった」「病気等で生活が成り立たない」「社会保険料や税の滞納で差し押さえられそうだ」等々です。多くは今の経済・社会情勢を反映しているものです。また、市民の願いがこもった請願や陳情を受け、審査することも議員の重要な仕事です。41人の議員が住民の多様な声を聞き、議会内外で懸命に活動することが求められています。住民の身近な相談相手になる議員は減らすべきではありません。

 有権者の中には「議員を減らすべき」と言う声があることは事実です。それは議員や政治に対する不信や不満の表れです。政務活動費や税金の私物化等、政治と金の問題や不適切な発言等で「議員は何をしているのか」という不信につながっています。

 こうした政治不信を払拭するためには、議会内外での活動と市民の代表としての自覚をさらに向上させること。自らの活動を市民に積極的に発信していくことです。

 定数削減しさえすればよいという議論は、議員の存在を自ら否定するものです。それでも削減すべきだと主張する議員は、率先して辞職して、自ら身を切ればよいと思います。