HOMEへ
野口あけみの一般質問
2018年12月07日

全国知事会の要望を実現させ、高すぎる国民健康保険料の引き下げを


2、全国知事会の要望を実現させ、高すぎる国民健康保険料の引き下げを 

 「高すぎて払えない、兵庫県で一番高い西宮の国民健康保険料を引き下げよう」と、日本共産党西宮市会議員団と市民の会が署名運動や市との交渉を重ね、一般会計からの繰り入れを復活させて引き下げを実現したのは2008年度です。その後繰り入れは続いているものの国民健康保険料(以下、国保料)の引き下げまでにはなかなか至らず、年々値上がっています。
 その原因の1つは、国民健康保険(以下、国保という)加入者の変化です。以前は農業・自営業が中心でしたが、今は、8割が年金生活者を含む無職と非正規労働者など被用者で、その加入世帯の貧困化、高齢化が進んでいるのです。
 2つには、1984年以来国庫負担が引き下げられ、抑制が続いているためです。1960年代の国保制度発足時、政府は“国保は被保険者に低所得者が多く、保険料に事業主負担がないため、どうしても相当額の国庫負担が必要”と認めていました。ところが歴代政権の社会保障削減の下、国庫負担削減が繰り返されました。

 また、保険料滞納者からの保険証取り上げは、国民的な批判が高まり、本市でも減少していますが、正規の保険証が発行されない世帯は昨年度、短期証547世帯、資格証648世帯、証切れが519世帯と、あわせて1700世帯を超えています。さらに、国保料滞納者に対する差し押さえは、2005年、国が「収納対策緊急プラン」などで取り立て強化を指示して以降激増し、全国では、10年間で3倍、33万件を超え、本市では年間7〜8件から昨年度は322件と全国以上の勢いで増えています。生活が苦しくて国保料を滞納した人が、銀行に振り込まれた給与や年金を差し押さえられ、さらなる窮迫に追い込まれる事例が起こっています。失業や病気、事業の不振などで国保料が払えなくなった加入者に追い打ちをかけ、命と健康を脅かし、住民をさらなる貧困に叩き落すようなことがあってはなりません。

 日本共産党はこのたび、国保の危機を打開し、公的医療保険として立て直すため、公費負担を1兆円増やし、仕組みを見直して、国保料を協会けんぽ並みに大幅に引き下げる政策を発表しました。
 実は公費1兆円投入で協会けんぽ並みにという提案は、日本共産党が言い出したことではなく、2014年にそれまでも国庫負担の増額を求めてきた全国知事会が、政府・与党に求めたものです。
 「協会けんぽ」が収入に保険料率をかけて計算するのに対し、国保料は所得に保険料率をかける「所得割」に加え、家族の人数に応じてかかる「均等割」と世帯に定額でかかる「平等割」を合計します。国保料を重くしている要因は、この国保特有の「均等割」と「平等割」です。特に「均等割」は所得にかかわりなく人間の頭数に応じて課税する、原始的で過酷な「人頭税」のようだと、批判が上がっています。
 国民の4人に1人、西宮では5人に1人が加入し、公的医療保険として重要な役割を担う国保が、他の医療保険と比べて不公平な状態に置かれ、住民に重い負担を強いており、しかも滞納世帯が全国で15%、西宮でも12%も出ていることは、制度のあり方として大問題です。その解決を図ることは政治の責任です。高すぎる国保料を引き下げるには、公費を思い切って投入する以外にありません。
 日本共産党の政策では、「均等割」と「平等割」を廃止し、所得に応じた国保料にしようと提案しています。全国で「均等割」「平等割」で徴収されている国保料は、およそ1兆円。公費を1兆円投入すれば「均等割」と「平等割」をなくし、その結果「協会けんぽ」並みの国保料に大きく引き下げることができます。
 国保問題の解決へ、日本共産党は、自治体や医療機関をはじめ、立場や社会保障政策の違いを超えて、知恵と力を合せようと呼びかけています。

 質問です。

@全国知事会の1兆円公費投入の提案について、市当局はどうお考えでしょうか。

A6月議会でわが党佐藤議員が代表質問において、せめて均等割の一部を減らそう、ふじみ野市のように18歳未満の子どもが3人以上いる世帯の、第3子についての均等割を全額免除としようという提案をおこないました。必要な財源はおよそ2500万円ですが、局長答弁は、保険料減免は一般会計からの繰り入れで賄っており、減免制度の拡充は慎重に検討しなければならない、研究していくというものでした。
しかし、今議会提案されている国保特別会計補正予算では、前年度繰り越し金=収支黒字の2分の1以上を財政安定化基金に積み立てており、その額は6億1780万円にのぼります。あまりに余らせ過ぎではないですか。まずはただちに減免制度を拡充し、被保険者に還元すべきだと考えます。いかがでしょうか。

B滞納者に対する差し押さえなど、強権的な取り立てをやめ、滞納者の生活実態をよく聞いて親身に対応する相談・収納活動に転換すべきです。
当局においては十分ご承知のこととは思いますが、財産の差し押さえは無条件にできるわけではありません。滞納者を保護するためのルールが定められています。このルールについて簡単に説明ください。そのルールにはずれた処分がないか、お聞きします。