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野口あけみの一般質問
2018年12月07日

春風など、市営住宅の建替えについて


3、春風など、市営住宅の建替えについて

 1953年度および1957年度建設、6棟144戸の旧甲子園春風住宅(以下、春風市住という)は、浴室も備えられていない市営住宅で、老朽化により現地建替えが決まり、第1期工事で2棟158戸が2016年8月に完成し、現在2期工事1棟62戸の建設が進められているところです。
 春風市住は旧春風住宅の従前居住者とともに、廃止される津門綾羽町住宅と今津水波住宅の受け入れ住宅であり、完成直後の2016年9月には、あわせて94世帯が入居されましたが、その後1年近く64戸が空きのまま推移しました。約4割が空き家状態というのは異常といわなければなりません。
 その後、現地建替えに計画変更された分銅町住宅、末広住宅、城が堀町住宅、および江上町住宅の居住者に対し春風市住への入居あっせんが行われるなどし、現在の春風市住の空き戸数は17戸となりましたが、それでも建設から2年たって1割以上が空き家という状況になっています。
 私はすぐ近くに住んでいることもあり、「いつになったら申し込めるのか。新築が中古になってしまうではないか」との問い合わせと批判を多く受けています。

 そこでまず、質問です。
 春風市住第1期、158戸中残り17戸はいつどのように募集し、活用するのか。あわせて、第2期工事62戸についての方針もお聞きします。

 次に、市営住宅整備・管理計画についてです。
 春風市住第1期工事の終了とちょうど時期を同じくする2016年8月、第2次建替え計画が発表され、さらにその翌年にその内容を含めた市営住宅整備・管理計画の中間改定がおこなわれました。この計画期間は2012年度から2021年度までです。
 大きな3問目の2点目、すでに発表から時がたっているわけですが、ここで改めて両計画の考え方、概要をお聞きします。
 公営住宅は「住宅に困窮する低額所得者」を施策対象としているため、「入居収入基準」も厳格に規定しています。
 計画では、2021年度末に最低限必要な管理戸数、ストックとして必要な量を国の算式によって推計し、約7000戸としています。長期的にはこの戸数を目安とするとしつつ、2021年度末の実際の目標管理戸数として、おおむね9000戸、その10年後の目標値を概ね8300戸としています。計画初年度の管理戸数は9609戸ですから、21年度までに約600戸を減らす計画となっています。
 しかし削減の根拠としている国の算式による推計、住宅確保要配慮世帯数なるものが妥当なのか。大いに疑問があります。実際の需要と合致していないのではないでしょうか。
 例えば、生活保護基準を下回る経済状態の世帯のうち、現実に生活保護を利用している割合を「捕捉率」と言いますが、厚生労働省の推計でも研究者の推計でも捕捉率は、資産を考慮しても2割〜3割にとどまるとされています。2017年度末の本市の生活保護利用世帯は5965世帯=約6000世帯ですから、捕捉率を2割とすると5倍の3万世帯、3割としても3・3倍の1万8000世帯の低所得世帯が存在しているのです。日本はわれわれが思う以上に貧困大国であり、格差大国です。
 2015年の市住応募をみてみると、「収入に対して家賃が高い」「部屋が狭く一人当たり4畳半にも満たない」など住宅に困って、205戸の空き家募集に対して総応募数は2239件でした。倍率10・9倍です。全国平均倍率は5〜6倍ということですから、高い水準です。県営住宅への申し込みもあるわけですから、公営住宅希望者はもっと多いことになります。

 そこで3点目、市営住宅削減計画は中止すべきだと考えますが、いかがでしょうか。お聞きします。

 4点目、削減の中止だけでなく増設を求めたいところですが、百歩譲って増設が難しいというのなら、家賃補助などの制度を創設し、高齢者や子育て世代の住宅困窮世帯に対する支援をおこなうべきではないでしょうか。お答えください。

 以上で壇上からの質問は終わり、ご答弁によりまして事績にて再質問、意見、要望をさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。