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チェンジ!いきいき西宮市民の会の学習会での
杉山たかのり市議の「小中一貫校について」の報告
2019年02月05日

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 西宮市における小中一貫校設置の始まりは、昨年4月の西宮市長選挙で石井としろう氏が初当選し、6月市議会において所信表明が行われ、その中で次のように述べています。
「西宮浜小学校、及び中学校では、こどもの育ちと学びの連続性を踏まえた、魅力ある学校づくりを進めるため、地域や保護者とともに平成32年4月の小中一貫校の開校に向けて準備を進めます。この取り組みを出発点として、将来的には、他地域においても同様の取り組みを展開することを目指したいと考えています。」
 つまり、来年4月に小中一貫校を西宮浜で開校し、将来は全市に広げていくということです。
 石井市長は選挙公約の中に 小中、中高「公立一貫校」設置の検討を上げていましたが、西宮市教育委員会に利用されたものと思われます。
 西宮浜に小中一貫校を開校する理由については、西宮浜の小学校、中学校の児童生徒数が減り、1学年1学級の単学級になり、クラス替えができない、職員の負担が重くなることを上げています。つまり、小中一貫校にすれば単学級が解消できるということです。
 なお、西宮市に小中一貫校が必要なのかについては、言及はありません。
 市教育委員会は、主として教育連携協議会の委員で構成する西宮浜小中一貫校設置準備委員会を設け、地域住民や保護者、学校とも十分に競技を重ね本格的な設置に向けた準備を進めている、とのことです。
 来年4月開校ですから、約1年2ヶ月後には、新しい学校がスタートすることになるのですが、どのような形態の小中一貫校を採用するのか、西宮浜の小中一貫校はどんな学校になるのか、スケジュールはどうなっているのか、設置するためにはどのような手続きが必要なのか、など、西宮市議会には、正式な報告は一度も行われていません。ようやく1月28日に閉会中の教育こども常任委員会が開催され、所管事務報告という形で報告される予定となっています。新しい学校を設置するためには、学校設置条例の改正、予算案の提案など市議会の承認なしにはできない仕組みになっていることから考えると、市民の代表である議会を全く軽視する強権的なやり方と言えます。
 なお、教育委員会には教育委員会会議という重要な会議がありますが、この会議に正式に一般報告がされたのは今年の1月9日に開催された第10回定例会です。
 つまり、教育委員会会議にも市議会にも報告せず、市長、教育長、教育委員会事務局が独断で進めてきたのではないかと思われます。
 それでもいくつかのことが明らかになっています。
 一つは、義務教育学校を採用するということです。1年生から9年生までをひとつの学校としで、一人の校長が学校を経営するというものです。9年間を6・3ではなく4・3・2という9年間を見通したカリキュラムが言われています。現在、西宮浜の小学校と中学校は道路を隔てた形で設置されていますが、道路をなくして一つの学校にするというよりも、現在のまま使われるようです。
 二つに、単学級の解消ということで、西宮浜校区の外から児童生徒を通学させる、つまり校区をなくして全市から児童生徒を集めるということです。通学区域特認校制というそうです。スクールバスについては検討していないと聞いています。
 これまでの西宮市にはない魅力ある特別な教育を実施する学校をつくって子どもを集めようということになるのでしょう。ただ、西宮浜がモデルになって、全市に広げることになれば、単学級の解消は実現しないことになります。
 今回の西宮浜における小中一貫校の設置というのは、これまで西宮市にはない公教育を行う新しい学校を作る、校区を外し全市の児童生徒が対象、いずれ全市に小中一貫校を展開していく、ということになれば、西宮浜だけの問題ではなく、全市の児童生徒に関わる取り組みだと言わなければならないと思います。
 教育長は、12月議会で「全市に関わる問題じゃないか」ということに対して、こんなことを言っています。
「小中一貫校であろうと、地域の学校としてどうだということなので、全国のいろんな小中一貫校を見ていても、地域でどうするかといって話し合っていますので、全市で話し合っているという話は聞いたことがない」
「現在検討中です。そごのないようにするために、最終に決めたものは今年度中に発表するということになります」
 全市の子ども達の教育にかかわる重大な問題だという認識がありません。教育委員会が全てを決定し、決まれば発表する。議会からも市民からも意見はきかないという姿勢と言えます。
 今後のスケジュールですが、2月20日からはじまる西宮市議会3月定例会に学校設置条例の改正案の提案や予算の経常がされるでしょう。学校設置条例の改正案が可決されると、小中一貫校は議会の承認を得て設置が正式に決まります。市議会はわずか3週間ほどでこれほど重要な問題の是非について判断することになることになります。
小中一貫校の設置が正式に決まれば、西宮浜小学校中学校の保護者に対する説明が行われることになります。他の校区の入学希望者に対して、学校説明会、入学について説明会、校区外からの新入生の募集なども順次行われることになります。
 いずれにしても、1月28日の教育こども常任委員会で一定の報告が行われますので、ご注目ください。
 なお、オープン西宮をかかげた石井市長の姿勢も問われることになるのではないかと思います。
 以上で私からの報告を終わります。