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まつお正秀の一般質問
2019年03月01日

環境問題について


 二つ目は環境問題についてで、今回は特に海洋汚染の大きな要因であるプラスチックゴミの中でも、レジ袋の削減を中心に質問をおこないます。プラスチックゴミの中でペットボトルの削減という点では、昨年12月議会で長谷川議員が取り上げられました。その中ではウミガメの鼻からプラスチックストローが痛々しく取り出される場面の映像を見たことの紹介もありました。インターネットでも昨年4月にはスペインで、マッコウクジラの消化器官から約30キロのプラスチッククゴミが、5月にはタイでゴンドウクジラの胃袋に80枚のビニール袋など8キロのプラスチッククゴミ、11月にはインドネシアで座礁したマッコウクジラの胃袋からプラスチック類6キロ、その中にはサンダルもあったなどの情報が出てきます。また、こうしたプラスチック類の海への流入によって、2050年、約30年後にはこうしたプラスチックゴミが海に生息する魚の重量を超えるという予想もあります。先ほど紹介したクジラのように、プラスチック類を生物がそのままとり込むことも問題ですが、紫外線の影響や波の影響などによって細かく砕かれて、5ミリ以下になったものはマイクロプラスチックと呼ばれており、これらの生態系への影響はさらに深刻さを増していると考えます。その中には歯磨き剤や洗顔料に元々入っているマイクロビーズ、洗濯によって生じる化学繊維のくずも粒子状のマイクロプラスチックの部類になります。粒子状のものは排水処理施設のフィルターをすり抜け、そのまま川や海に流れ込んでいるといわれています。国内でもすでに3年前に東京湾のカタクチイワシを調査したところ8割からプラスチック片が見つかっています。人間も含めてカタクチイワシの内臓を除いて食べるケースはまずないと思われますから、食物連鎖は魚介類、鳥、動物などにとどまらず、すでに人間にも及んでいるはずです。また、フランス料理によく使われる貝のムール貝。この貝を、マイクロプラスチックを入れた海水と入れない海水それぞれに一定期間入れて実験すると、入れた貝は岩に付着する能力が半分に落ちたそうです。同じ実験で卵から孵化した魚の赤ちゃんの死亡率が大変高かったという報道もあります。さらに、マイクロプラスチックは有害化学物質を吸着しやすい性質を持っており、これが食物連鎖によって濃縮されていく可能性も指摘されています。世界の海はつながっていることから、マイクロプラスチック問題は大きな国際的課題になっていると言えますが、昨年6月にカナダで行われたG7サミットで、海のプラスチックごみを減らすための数値目標を盛り込んだ文書への署名を日本はアメリカとともに拒否し、国際的批判にさらされました。そこで日本も対策を余儀なくされ、昨年11月、環境省の中央環境審議会の小委員会は「プラスチック資源循環戦略」案を示し、意見公募もすでに終わり、この2月22日には先ほど紹介した小委員会として、ペットボトルなど使い捨てプラスチックの排出量を2030年までに25%削減する環境省の「プラスチック資源循環戦略案」を決定しました。その中には小売店へのレジ袋有料化の義務付けも盛り込まれています。しかし、比較対象とする基準年を明示しなかったことは、産業界に甘い対応だと言わざるをえません。国の取り組みの遅さや甘さに業を煮やし、昨年暮れには京都府亀岡市が新年度にレジ袋禁止条例の制定をするという報道がありました。
 今回質問で取り上げるレジ袋削減については、日本ではスーパーやコンビニなどで年間450億枚配布されているといわれています。早くから環境問題に取り組んでいるコープこうべは1995年、阪神大震災の年の6月、レジ袋一枚5円の有料化を行ない、マイバック持参運動の取り組みは今では多くの組合員に定着しています。他のスーパーなどでも不要の場合は値引きする、不要といわなければレジ袋を出す代わりに代金を上乗せするなどが浸透しつつありますが、一方でコンビニなどでは袋は不要といわない限り、ボールペン一本でもビニール袋に入れて渡すという取り組みの落差がまだあります。
 そこで質問です。

1点目、マイクロプラスチック問題について、市長の施政方針でも述べられていますがどのような事に取り組むのか、考えをお聞かせください。

2点目、マイクロプラスチックが発生する要因の一つであるレジ袋の削減の取り組みについて、本市の現状ととともに今後どのように強めていくのか伺います。

3点目、亀岡市では国の規制策に実効性があるかどうかも含めてまだ不透明な中で、新年度から条例を制定してレジ袋を禁止するという報道がありました。本市でも条例化によって規制を強めるべきと思うがどうか。