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杉山たかのりの賛成討論
2019年03月22日

学生の投票率向上について


 ただ今上程中の請願第21号西宮浜の義務教育学校の設置についての請願、請願第22号学生の投票率向上についての請願、二つの請願については賛成をいたします。

 請願第21号については、日程第2、議案第601号西宮市立学校条例の一部を改正する条例制定の件の反対討論の中で庄本議員が請願に対する賛意を述べたとおり、義務教育学校の設置については、拙速に決めるのではなく、広く市民の声を聞き、慎重に時間をかけて検討すること、という請願は当然のことです。賛成です。

 次に請願第22号についてです。
 この請願は、学生の投票率の向上のために、選挙について不在者投票や期日前投票など、大学生に情報提供、広報を行うこと、主権者教育を行うことを求めるものです。
 請願者は関西学院大学の学生グループで、自らの学生生活や学内でのシールアンケート、多数の学生が通り過ぎていく中で30人の方が」アンケートに協力された経験などを通じて、大学生の政治的関心が低いこと、投票に行く学生が少ないなどを実感し、西宮市選挙管理委員会への要請もし、議会への請願という行動を行ったものです。
 大学生の投票率が低いというのは一般的にも聞かれるところで、他の自治体の選挙管理員会でも、大学生の投票率向上をめざす取り組みは少なからず行われています。
 請願の審査でも、神戸市や金沢市などの取り組んでいることが紹介されています。そのような自治体に比べると、西宮市の選挙管理員会は、非常に消極的、というよりもやる気がないというふうに感じました。しかし、要請があれば出前講座はやると答弁がありました。
 これまでも、選挙そのものの低投票率が問題とされてきましたが、中でも若い世代はさらに低いことから、啓発などは必要だと思います。反対された委員からも趣旨は賛成だ、との意見もありました。
 さて、総務常任委員会での請願の審査について少し触れておきたいと思います。
 質疑では紹介議員を通じて、意見表明者への質疑が行われました。
どんな団体か、紹介議員との関係はどうか、大学生のグループではないものが意見陳述できるのか、アンケートのサンプルが少ない、準備不足、請願を出す前に努力するべきではないか、行政に頼るべきではない、主権者教育は高校生まで、などの質疑や意見がありました。
 大学1年生の意見表明者に対して、当局でも追求するかのように質疑でしたが、私は、まるでドラマで見る警察の取り調べ、あるいは思想調査のように感じました。あげくに説教をするかのように意見表明者に注文をつける始末でありました。
 私も長く議員をしてきましたが、それほど市議会議員はえらいのかと、同じ市議会議員として恥ずかしい思いをしました。
 そもそも、請願権とは、なんでしょうか。国または地方公共団体に請願できる権利。
 その職務に関する事項についての希望、苦情、要請を申し立てる権利。
 西宮市議会では「市政に関する皆さんの要望や意見を市議会に提出することができます。議員の紹介のあるものを請願、ないものを陳情として取り扱います」
とされています。
 準備不足だ、請願を出す前に努力すべき、行政に頼るな、まさに、請願権の否定と言わなければなりません。何か条件や資格も必要ありません。
 意見陳述をされた請願者は、西宮市の市議会は、このようなこともわきまえない水準の低さに、失望を禁じえなかったと思います。こういったことにこそ、選挙の低投票率を生じさせる原因の一つがあるのではないかと思います。
 大学生の投票率向上は、全国的にも多くの自治体での課題と言えるでしょう。私も、西宮市選挙管理員会には、知恵もだし、工夫もしていただき、大学生を含め若い世代の投票率向上のための取り組みをしていただきたいと思います。
 よって請願第22号については、日本共産党西宮市会議員団は賛成です。
 以上、2件の請願の賛成討論とします。