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杉山たかのりの反対討論
2019年03月22日

第5次西宮市総合計画・基本構想及び基本計画について


 ただ今上程中の諸議案のうち、日本共産党西宮市会議員団は、590号、599号、601号、602号、608号、609号、610号、及び637号の8議案について反対します。
 わたくしからは議案第590号第5次西宮市総合計画・基本構想及び基本計画制定の件について反対の立場から意見を申し上げます。
 この議案は、2019年度を初年度とする10年間の西宮市総合計画を定めるもので、市議会の議決を必要とし、基本構想、基本計画がその対象となっています。
 西宮市総合計画とは、本市の最上位計画であり、長期的なまちづくりの基本的方向と、施策や事業を総合的、体系的に示すものです。議決対象の基本構想、基本計画に加え、実施計画の三つの計画で構成されています。
 基本構想は、将来に望むまちや人の姿を描いて広く共有するもの、で10年、基本計画は、基本構想に掲げた将来像を実現するための施策を体系的に示すもの、で10年間の前期5年としています。
 実施計画は、基本計画に基づき実施する事務・事業を具体的に示すもの、で各3年を毎年度見直しすることになっています。
 ところが、議決対象の基本計画は、項目だけとなっており、具体的な施策はアクションプランなるものを参照しなければ、その内容はわからないものとなっています。およそ、議決対象にふさわしいものとなっていません。
 その他についてです。
 総合計画の策定についての報告がこれまで、総務を中心に各常任員会でも書簡事務報告がされていますが、その中で、市民のくらしについてどうとらえているのかという質疑をしたことがあります。基本構想では、「我が国の経済状況は人々の暮らしやまちの活力に直結します」との記述があり、私もその通りだと思います。
 内閣府の平成30年9月の月例経済報告による経済状況についての説明がされておりますが、「景気は穏やかな回復基調」としていますが、そもそも実施賃金や家計消費の落ち込みは大きく、1月の景気動向指数は3カ月連続で前月比マイナス、「下方への局面変化」に下方修正され、今月20日に発表された月例経済報告では3年ぶりに下方修正されています。
 そもそも今、国の統計不正が大問題になっており、賃金上昇は偽りで実質賃金は下がっており、国の景気判断は全く信頼できません。
 景気が下方修正されるもとで、消費税が10%になれば、「増税に伴う個人消費の低迷など景気に与える影響が懸念される」という総合計画案の記述どころか、暮らしの悪化だけでなく、経済そのものが壊滅的打撃を受けることになります。市民の暮らしやまちの活力を正確に見ないで、何が総合計画かと言わなければなりません。
 まちづくりでは、施設などハード面の計画は重要ですが、市の公共施設の整備については、第2庁舎や中央体育館など過大な公共施設整備にこれまでも批判をしてきましたが、下水道施設用地が不用となり多目的グランドの整備に70億円もの過大な経費を投入する計画も含まれています。一方では、子育て支援、高齢者への生活支援などのソフト面での施策の充実が盛り込まれていないのです。
 また、名神湾岸連絡線のような環境破壊の大型公共事業計画の推進など、基本計画の具体化となっているアクションプランも問題ありと言わなければなりません。
 なお、第5次総合計画の初年度に当たる2019年度当初予算について、日本共産党西宮市会議員団は、午前中の予算特別委員会全体会において反対の意思表示を行っており、後ほど討論を行います。
 日本共産党西宮市会議員団は、総合的に判断して西宮市第5次総合計画については賛成をすることはできないとの結論となりました。
 以上、討論とします。