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まつお正秀の反対討論
2019年07月08日

西宮市一般会計補正予算(第一号)について


 ただいま上程中の議案12号、令和元年度(2019年度)西宮市一般会計補正予算(第一号)について、日本共産党西宮市会議員団は反対致します。以下理由を述べます。
 今回上程されている補正予算は総額1億1570万5000円ですが、そのうち消費税増税に伴って政府が行うプレミアム商品券発行に関連する追加分補正だけで1億641万8000円となっており、今回の補正予算のほとんどがこの事業にかかわるものです。
 このプレミアム商品券事業は10月から実施される予定の消費税増税への負担軽減策として住民税非課税の低所得者と、消費税の増税を前提として行われる幼児教育無償化に伴う施策では、0歳から2歳までは住民税非課税世帯に限定されることから、その対象外となる乳幼児を持つ世帯からの批判をかわすために、その子どもの人数分にプレミアム商品券を配布するとする政府の施策にともない、その具体化を自治体が担って行う事業です。
 具体的な予算として、前年度の3月議会ではその準備のための補正予算3300万5000円が計上されましたが、10月からの実施であることからこちらは使われずに繰り越しとなっています。そして、本格実施に向けた新年度の当初予算で5億7507万2000円が計上されましたが、その対象などを精査していく、あるいは2歳までだった対象者を3歳半まで拡大したことなどによって、経費が増額となる見込みとなったことから、その増額分として今回の補正予算が提案されているものです。
 いずれも歳入は国から入ってくるお金ですが、国民の皆さんの税金で賄われる事業である事に変わりはありません。
 今回の商品券事業の問題点を具体的に4つ指摘します。

1点目、低所得者対策といいながら、この制度は単年度、すなわち今年10月から来年3月までの半年間だけの制度でしかありませんから、翌年度以降は消費税の増税分が低所得者や子育て世代にも負担が重くのしかかってきます。
2点目、20000円で25000円の商品券を買えて、5000円お得になるわけですが、先に20000円というお金がまず必要になるという点です。低所得者が毎月の収支を考えながらやりくりをしている中で、5000円のプレミアがついたとしても、手元に商品券があることから無駄遣いをして、後でお金が無くなるという事になりかねません
3点目は、そうした批判をかわすために今回は4000円で500円券10枚の5000円商品券を一冊として5回に分けて購入できるようにしましたが、券の発行や、券を購入する時にその手数料が郵便局の場合は商品券で購入できる商品がありませんから一冊につき60円、スーパーや商店は商品券販売が店の利用につながる可能性が高いことから一冊20円が支払われ、商店の場合でも5冊で100円の手数料を市が支払うことになります。今回のように分けて購入できるようにしたことで、税金の支出が増える仕組みになっている点です。
4点目は、自治体の手間や負担が増えるという事も大きな問題です。4月からはプレミアム商品券の新たな部署もすでに設置され、対象世帯を抜き出す作業、さらには問い合わせに対応するためにコールセンターも設置されます。また、対象世帯には、引換券を申請するかどうかなどの確認をまず行ない、申請者には購入券を郵送で行うなど、合わせて3回の封書のやり取りが行われることになり、その経費もバカになりません。この事業をしなければこうした人件費や手間がもっと別の形で市民サービスに使えるという事になるのではないでしょうか。

 消費税は低所得者ほど負担が増えるといわれている中で、今回の増税がさらにそれに拍車をかけることになります。今やらなければいけないことは、消費税に頼らない税の仕組みへ切り替えることであり、日本共産党が提案しているように、大企業に中小企業並みの法人税負担をしてもらう、所得が一億円を超えたとたんに所得税が下がる仕組みで、特に外国と比べても大変低い株の売買や配当に対する税率を引き上げる等よって行うべきと考えます。今回の増税は、さらに消費不況を深刻にするとともに、店で食べれば10%持ち帰れば8%になる軽減税率も大変わかりにくく、キャッシュレス決済によるポイント還元の仕組みも複雑でカードを持っていない人は対象外という問題もあります。こうした政権に対する批判をかわす一時しのぎ、あるいは小手先の対策の一つであるプレミアム商品券にわが党は反対であることから、今回の補正予算に反対するものです。以上が反対討論です。