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まつお正秀の一般質問
2019年09月06日

市立中央体育館について


 二つ目のテーマは市立中央体育館についてです。
 まず、この中央体育館整備に至る経過にふれておきます。西宮市 中央運動公園内にある体育館は、1965年に供用が開始され、今年で築54年を迎える古い体育館です。築45年を超えて新たな建設を検討しようとしていた矢先の2010年に、アサヒビール西宮工場が翌年の2011年3月に撤退することを発表したため、その跡地の動向に注目が集まりました。
 この当時西宮では、中央病院と中央体育館がいずれも築40年前後という事で、その建て替えについての議論がされる中で、当時の河野市長は敷地面積約10ヘクタールのうち、4.3ヘクタールを市が購入し、建て替え予定があった西宮消防署の移転新築と防災公園の整備と併せ、中央病院と市民体育館の移転建て替えを計画します。しかし、跡地購入を無駄遣いだと購入の白紙撤回を主張した今村氏の当選によって、跡地は県との病院統合の為だけに面積を縮小しての購入となり、中央体育館は現地建て替えへと舵が切られます。
 一方ストークスは、2010年10月に「株式会社アスリートグリーン兵庫」現在は兵庫プロバスケットボールクラブに名称変更しているみたいですが、これを立ち上げ、当時のバスケットボールリーグJBL2参入を目指して活動をはじめ、その年にはJBL2に申請して準加盟を認められます。ストークスは県の鳥であるコウノトリの英訳で、兵庫県を本拠地に活動を進め、拠点となるホームアリーナ探しも始めます。そのストークスの動きとアサヒビール西宮工場の撤退とを軌を一にするように、市も体育館建て替えがあったことから市や、西宮市体育協会、西宮市商工会議所などがストークス誘致に動き、今村市長の時に名称もにしのみやストークスとして中央体育館をホームアリーナとして活動することが決まります。
 ストークスの立上げからホーム地探しに至る背景には、Bリーグを立ち上げる計画があり、新たに建設される体育館があれば、自分たちの意向をくんで新リーグの基準を満たす体育館を整備してもらえるという思惑、市としても国がスポーツ基本計画で見るスポーツを打ち出し、西宮市のスポーツ基本計画でもするスポーツ、みるスポーツ、支えるスポーツを掲げていることから、そのことも念頭に両者の合意に至ったのだと私は考えます。
 その後、2016年3月には中央運動公園全体の整備基本構想が打ち出され、体育館は5000人収容規模になります。同時にストークスは2017−2018シーズン、バスケットボールは秋から翌年春までが一シーズンですが、このシーズンでB1昇格となります。しかし、2018‐2019シーズンでB2へ降格となり、その報告が先日市長にありました。こうしたストークスとの関係の下、市民の利用とともに、ストークスの試合や練習場所の確保も体育館整備の至上命題となり、メインアリーナとサブアリーナの二つの体育館建設とともに、5000席の観客席や、多くの観客を想定したトイレ数確保など、BIリーグが求める水準での計画で動いていきます。
 しかし、この規模については市民をはじめ議会の中からも過大ではないのか、あるいはストークスの為の整備で市民利用が大幅に制限されるのではないかという声も出され、観客席は5000席から3500席へ、さらに構造も鉄筋コンクリート造りだけでなく、鉄骨を中心とした構造による提案も可能とする方向で整備費の縮小が打ち出されました。当初、体育館建設整備費は89億円でしたが、見直しの中で13億円の減額で76億円となっています。
 特に昨年は、議会質問をはじめ様々な場でこの整備について喧々諤々の議論が行われました。象徴的だったのは昨年、2018年9月議会に提案された付属機関条例改正案の審議でした。この付属機関条例は、新たな体育館を含む中央運動公園の整備や運営を、応募してきた業者の中からどこに選定するかを審議するための審議会設置の議案でしたが、それを所管する民生常任委員会では否決となったのです。そののちの本会議では可決されますが、このことは市民利用を中心とした体育館のあり方について、まだ議論の余地があったのではないかと私は考えます。そうした中で、整備や運営に参入する業者に求める要求水準書の概要が作製され、市は業者募集の為の債務負担行為の提案をこの9月議会で行なう準備を進めていました。
 そうした中でさる8月20日、西宮ストークスから、市に対して、次のような申入れが行われました。
@新中央体育館は西宮ストークスのホームアリーナにしない
A新中央体育館をサブフランチャイズとして年間数試合のゲームを開催したい。
B現在、西宮市内で実施しているスクール事業や学校訪問活動などは引き続き実施する。
C移転先が確保できるまでは引き続き現中央体育館を使用したい
以上がその内容で、その理由ならびに背景にはプロバスケットボールのBリーグが新たなB1参入基準を公表し、売上基準や観客動員数がどちらも現在の3倍以上に大幅に引き上げられたことが要因です。その引き上げの背景には、Bリーグが発足した3年前から、観客入場者とともに売り上げも順調に伸びている事、さらには八村塁選手をはじめとしたアメリカのNBAでの日本選手の活躍が大きく報じられ、さらに人気が出る競技にしたい、あるいはするんだというリーグ側の意向があると考えます。そこでストークスとしては、バスケットボールの試合だけでは売り上げの基準を満たすことが出来ない為、アリーナを使った様々なイベントを開催、あるいは誘致をしなければならず、現在市が計画している体育館は市民が使う事が中心の体育館であることから、あらたに現在計画の体育館が整備されたとしても、彼らが自由に使うことが出ず、観客動員、イベント、グッズ販売などによる売り上げを大きく増やすことはできないという判断があったのではないかと推察するものです。

 そこで質問ですが、
一点目、このプロバスケットボールチーム、当時のひょうごストークスについては、西宮市体育協会、西宮商工会議所などが誘致の要望をし、今村市長の強い意向もあって誘致したと私は考えていますが、今回の西宮ストークスのホームアリーナ移転についての受け止めをお聞かせください
二点目、今後のストークスのホームアリーナ移転の申し入れをふまえた体育館整備計画は、当然さらなる見直しを求められると思いますが、どのような見直しを考えているのか。この際、市民利用本位に抜本的に整備を見直す考えはないか。お聞かせください。
三点目ですが、この中央体育館については河野市長の時、アサヒビール跡地を購入して市民病院の建設と共に体育館も移設して新築する予定で、阪神淡路大震災には現在の体育館地下にあった温水プールがあったことから、アサヒ跡地では温水プールの建設が打ち出されていました。しかし、今村市長当選によってこの計画はなくなり、市民運動公園敷地内での建て替えに変更となりました。市としては現時点での整備の手法である方式によって、これから募集する民設民営の事業者によって提案されない限りプールの整備はないとしています。しかし、ストークスの状況を踏まえて整備計画を見直さざるを得ない状況ですから、改めてプールの整備を考えるつもりはないか伺います。

 これで壇上からの質問は終えまして、ご答弁によりまして、自席より再質問を行いつつ、意見要望などを述べさせていただきます。
ありがとうございました。