佐藤みち子の一般質問/* --項目挿入-- */?>
2019年12月09日
避難所のあり方について2019年9月、台風15号が、千葉県を中心とした関東地方を直撃し、各地で観測史上1位の瞬間最大風速を記録、全半壊2,345棟、一部損壊約3万棟と言う被害がでました。 ついで1か月後に、大型の台風19号が静岡県・山梨県・長野県から関東、東北地方にかけて、記録的な暴風雨災害をもたらしました。この豪雨で決壊した河川数は、国土交通省の情報では、国と県管理の河川で71河川、決壊箇所は140箇所に達しています。 近年、地球温暖化の影響で毎年のように全国各地で台風や豪雨が発生し、甚大な被害が発生しています。国は、以前の災害の問題点や課題、教訓を生かすことなく、同じような災害による被害を繰り返しています。災害が起きれば調査研究して、課題や教訓を生かすことで、災害を防いだり、軽減させることは可能であると専門家が指摘しています。 今後もこのような災害が各地に起こることが予想され西宮市も他人ごとではありません。 さて、災害が起こった時、真っ先に必要となるのが避難所です。武庫川が決壊したとき、あるいは南海トラフ地震で津波が発生したときには、どこへ避難するのか市民は把握することが求められます。防災マップが各戸に配布されていますが、これを見て、分かりにくいという方もおられます。さらに、市の広報・啓発が求められます。 質問します。地震が発生した時には、140か所の避難所が一斉に開設されるが職員だけで到底すべての避難所を開設できないと想像します。夜間や土日祝に地震が発生すれば、地域の自治会等に協力をお願いするしかありません。市はこのことについてはどのように考えているのか聞く。 次に、避難所というと、まず思い浮かぶのが体育館などの床に段ボールやマットを敷いて毛布にくるまって寝ている被災者の姿です。1995年の阪神淡路大震災時も同様でした。日本で最初に雑魚寝の形式で避難所ができたのは関東大震災だと言われていますが、その後、100年以上変わっていません。しかし、体育館で雑魚寝という避難所は、先進国では実は日本だけです。欧米の避難所では必ず簡易ベッドが準備されます。 なぜ、避難所で雑魚寝をすることが悪いのか。専門家は次のように指摘しています。いくら環境を整備しても、土足禁止にしても大勢の人が行き来します。外から埃、塵も来ます。毎日、すべての場所を掃除できるわけではありません。マットや毛布などは、床からの冷気を遮断できません。さらに、真っ暗な中で雑魚寝をしていると、トイレに行くことも困難です。トイレに行くことを我慢し、水分を控えます。そうなると血液が固まってできる血栓を生じやすくなり、特に足の静脈に血栓ができやすいことから、いわゆるエコノミークラス症候群が起きることになります。心筋梗塞や脳梗塞も起きやすくなります。 実際に東日本大震災、熊本地震などでは、発災後にこれらの疾患が増加しました。 それに加えて、プライバシーが保てないなど、さまざまな弊害があります。体育館での雑魚寝や車中泊は即刻やめるべきです。 次に、食事の問題です。冷たいおにぎりやパン等の配給で、それを受け取るにも並ばなければなりません。毎日ほぼ同じ内容で、栄養の偏りも心配です。 さらに、トイレの問題も深刻です。簡易トイレは狭く、高齢者は使いづらい。そのため、極力、水分の摂取量を減らすことになり、そのことが、体調を悪くすることにつながります。 このようなことから、災害後に命がなくなる関連死や孤独死、自殺などが起こり災害後の関連死が増えることになります。この関連死を振り返ると、阪神淡路大震災時の直接死は5,505人、関連死は932人で16.9%でした。東日本大震災では直接死が18,434人、関連死が3,676人で19.9%です。特に、福島県に限れば直接死が1,810人、関連死が2,227人と1.23倍にもなっています。 復興庁によると、関連死の原因で最も多いのが「避難所等における生活の肉体疲労・精神的疲労」ついで「避難所等への移動中の肉体・精神的疲労」であり、このふたつのことが主に亡くなった死因に該当します。 しかし、政府も現在の避難所の状況を好ましいと考えているわけではなく、改善の方向を打ち出しています。東日本大震災後、災害対策基本法が改正され、「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取り組み指針(2013年8月)」が策定され、この「指針」に基づき2016年4月には「避難所運営ガイドライン」が作成されました。本市の避難所もこのガイドラインに沿って運営されることになっているのか具体的に7点質問します。 質問
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