ひぐち光冬の一般質問/* --項目挿入-- */?>
2020年03月02日
学校制服の選択自由化および誰でもトイレの設置について皆さん、こんにちは。傍聴席にお越しの皆様、インターネット中継をごらんの皆様、さくらFMをお聞きの皆様、ありがとうございます。 日本共産党西宮市会議員団を代表して、私、ひぐち光冬が二つのテーマ――1点目、学校制服の選択自由化および誰でもトイレの設置について―性の多様性を尊重する観点から、2点目、地球温暖化対策について、一般質問を行います。 まず1点目、学校制服の選択自由化および誰でもトイレの設置についてです。 前回、2019年12月議会の一般質問で田中あきよ議員が中学校制服の選択自由化を求めました。苦楽園中学校に在籍しLGBTの当事者である岡笑叶(おかわかな)さんのブログを引用しながら、LGBTの当事者が男女の制服が指定されていることでどれだけ苦しい思いをしているかということを代弁し、子どもたちの自尊心を守るためにも制服選択の自由を保障すべきであると訴えました。しかしその訴えに対して教育委員会は「各学校の制服選定委員会で協議している。」とだけ答え、教育委員会として積極的に制服のあり方を考えていくという姿勢は示しませんでした。たしかに「制服のあり方は各学校で決めるべきことである」という教育委員会の考えも一定理解はできます。しかし、現に苦しんでいる当事者の子どもたちが少なからずおり、さらにその存在に気が付いておきながら、何も手を打たないというのはどうなのでしょうか?私は今回、子どもたちの自尊心や人権を大切にする教育環境を、積極的に整えていってほしいという願いを込め、田中議員に引き続き「制服の選択自由化」について取り上げたいと思います。 今年の1月末、私たち日本共産党市会議員団は「制服選択自由化」の先進事例を学ぶために東京都世田谷区に視察に行ってきました。資料1をご覧ください。資料にある通り、世田谷区では区内29校すべての中学校で、性別に関わらず、ズボン・スカート・スラックスという3種類の制服から自由に選べるようになっています。さらに世田谷区では「制服」とは言わず「標準服」と呼んでおり、この標準服の着用自体が強制されておりません。入学式や卒業式などの式典のときには標準服の着用が求められるものの、それ以外の時には自由な服装でも構わないというスタンスです。私はこれが子どもの権利を尊重する学校としての本来あるべき姿だと思います。女子だからと言って、なぜスカートを強制されなければならないのでしょうか?大人の女性はみんなスカートをはいていますか? 先般の代表質問において、制服の選択自由化などのジェンダー平等・ジェンダーフリーの取り組みが、あたかも男女を外見・内面とも「同質化」することだと捉えているような発言がありましたが、とんでもありません。「同質化」とは辞書を引くと、没個性化・均一化・画一化などと同様の意味であり、「どれも似たようなものになって多様さが失われること」とあります。これはジェンダー平等とはまったく相容れない内容です。ジェンダー平等とは、社会的につくられた男らしさ・女らしさというようなジェンダーの“かせ”から個人を開放し、多様性や個性を認めよう、尊重しようとするものです。ですからもし制服の選択自由化に疑問を感じる人たちが「そんなことをしたら男女が同質化してしまうんじゃないか」と思っているとしたら、それは大きな勘違いであると言わなければなりません。制服の選択自由化はむしろ男はこうあるべき・女はこうあるべきという同質化・没個性化から個人を解放し、ひとりひとりの力を生かしていくために必要なものなのです。 さて、本市は12月議会でのよつや議員の質問を受け、新年度施政方針で「誰もが性別にとらわれることなく、互いに尊重し合い、一人ひとりの力を生かすことができる社会の実現」を目指し、“パートナーシップの宣誓を証明する制度”の導入を検討するとし、2021年4月の導入を目指すとわが党のまつお議員の代表質問で明らかにしました。このようなことに取り組もうとしている本市の学校で制服を自由に選ぶことができないということが続けば、そこに大きな矛盾が生じます。早急に制服のあり方を見直していただき、「誰もが性別にとらわれることなく、互いに尊重し合い、一人ひとりの力を生かすことができる“学校”」を実現するために、質問したいと思います。
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