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佐藤みち子の一般質問
2020年03月09日

名神湾岸連絡線について


 昨年の12月22日、名神湾岸連絡線についての兵庫県主催の公聴会が東館大ホールで開催されました。当日は傍聴者が64人、私も傍聴に行きました。公述人は18人で、反対の意見を述べた人が11人、企業としては進めることに賛成だが、移転先が見つかるのか、また、雇用が守れるのか等の複雑な意見もありました。その中で、明確に賛成を表明したのがバス協会とトラック協会、そして、一人の市民のみでした。
 
 名神湾岸線が通る阪神久寿川駅南の地域は、かつて阪神高速3号線と国道43号線の車による排気ガスや振動等で、多大な健康被害を被った地域です。そういったことから、「なんでまた、今津に道路を作るのか」との思いが住民のみなさんにあります。
 
 公聴会でも健康不安を口にする人が数人おられました。私が一番心に響いた公述は、妹さんが幼い頃に、排気ガスが原因で酷い小児喘息になり、幾度も呼吸困難になりとても可哀想だったと涙ながらに訴えられたことです。その妹さんは、県立西宮高校に通学するようになり、空気のよい所で過ごす時間が長くなったことで健康を取り戻されたとのことでした。人間が生きていくことに如何に空気が大事かと言うことを改めて思いました。
 健康不安や環境と同時に、景観についての意見もたくさん述べられました。自分の家の前にビルの9階建てにも匹敵するような道路ができる。これを歓迎する人がいるのでしょうか。
 
 2月19日には「名神湾岸連絡線を考える懇談会」のみなさんと、市長との懇談会がありました。21人の方が、それぞれ訴えをされました。健康不安や住まいの退去を余儀なくされる不安、環境への不安が語られました。住民から「市長の家の前に道路ができたらどう思うか」と聞かれ、市長は「歓迎はしないが仕方がない」と答えました。「市長は住民の不安に寄り添うより道路を優先する発言をし、市長にはがっかりした」と参加した人たちが語っていました。私もそう思いました。
 
 西宮市は、「文教住宅都市宣言」や「環境学習都市宣言」をしています。名神湾岸連絡線は、たくさんの人が居住している市街地に建設されますが、地域住民に犠牲を強いてまで建設する必要があるのでしょうか。
 昨年の12月議会でこの問題について、住民の健康について調査を願う声が多数あることを質問しましたが、都市局長は「健康状態の調査については、環境要素と健康の因果関係も複雑であるため、名神湾岸連絡線の事業に関して、周辺住民の健康状態を調査する考えはない」との冷たい答弁でした。その後、公聴会や市長との懇談会での発言で住民の意見を聞くにつけ、ますます、名神湾岸連絡線の事業は、周辺住民に犠牲を強いるものだと思いました。

質問
  1. 今津地域住民から「健康アンケート調査」を実施してほしいという声がだされている。市として実施すべきではないか。

  2. 地域住民の多くはこの計画には納得していない。住民の合意が得られなければ、名神湾岸線の事業についてはきっぱりと中止することと思うが市の考えを聞く。