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野口あけみの一般質問
2020年06月25日

PCR検査体制について


 ただいまから、日本共産党西宮市会議員団を代表して、私、野口あけみが一般質問を行います。傍聴にお越しの皆様、ありがとうございます。

 緊急事態宣言が解除され、兵庫県では感染者ゼロの記録更新が先日まで続いていましたが、県では34日ぶり、本市では36日ぶりに感染者が発生。また東京や大阪では新規感染者が発生し続けており、予断は許されません。
 再び緊急事態宣言という事態を避け、必ず来るといわれている「第2波」「第3波」へのしっかりした備えをすることが、今、政治や行政に求められています。それは、感染拡大を抑止するための医療と検査の体制を抜本的に強化して、安心して経済・社会活動の再開に取り組めるようにすることと、“自粛とともに補償を”の立場で、大打撃を受けているくらしと営業を支えることを一体にすすめることです。
 日本共産党は6月4日、緊急事態宣言解除という新たな段階に際し、「感染抑止と経済・社会活動の再開を一体に進めるための提言」を発表しました。これを土台に、私からは、PCR検査体制について、医療体制について、くらしと営業を支援する市独自施策についての3点、また、ひぐち議員からは教育問題について質問します。


まず、PCR検査体制についてです。
 経済・社会活動を再開していくうえで、感染者を早期に発見し、症状に応じた医療と隔離を行う必要があります。そのためには検査のあり方を根本から見直し、大規模に行える体制を整えることが必要です。
 広島、岩手、愛知など18道県の知事が、5月11日、感染拡大を防止しながら経済・社会活動を正常化する「緊急提言」を発表しました。これまでの「強い症状があらわれた有症者に対する受動的な検査」から、まずはごく軽症も含むすべての有症者・接触者へと、適切に検査対象者を設定して速やかに検査を行うこと、また、医療従事者及び入院者、介護従事者及び介護施設利用者などに対して優先的に検査を行うことなどを求めています。そのためにPCR検査の検査能力を、現在の全国2万件から10万〜20万件に引き上げるとしています。
 この「緊急提言」は積極的で合理的な提案であり、日本共産党の提言もこの内容を取り入れています。
 
 本市で県下初の陽性患者が発生したのは3月1日でした。
 (お手元に配布している、新型コロナウイルス感染症対策室作成の、フェーズごとの対応、PCR検査数の資料もご参照ください。)
 当時は保健所を通じて2か所の帰国者・接触者外来で検体を採取し、県下4か所ある検査機関のうち、主に加古川にある県立健康科学研究所に持ち込まれ、判定されました。そのころは「症状があるのに検査を受けられない」と、多くの人が苦しみました。私の知人も3月初め、38度程度の高熱が出たり引いたりという症状が1週間程度続き、4回保健所に連絡をしても、熱が4日間続いていない、感染者との接触や渡航歴がないということで、とうとうPCR検査を受けれずじまい。幸い回復はしたものの、全国では、「手遅れ」になる事例も相次ぎました。こんなことを繰り返してはなりません。
 その後、徐々に検査体制は拡充されました。さらに5月8日、厚労省の相談・受診目安から「37.5度以上の発熱が4日以上」という項目が削除され、5月29日には、濃厚接触者について、これまで発熱や呼吸器症状がある場合や医療従事者にのみPCR検査が行われていましたが、症状の有無にかかわらず全員を検査対象にするよう、これも基準が見直されました。

 そうした中、検査対象増や第2波に備えるために、本市では医師会の協力でPCR検査センター(仮称 地域外来・検査センター)が設置されることになり、5月22日開催の臨時市議会で建屋の建設費などの補正予算が成立しました。
 6月中には、場所は非公表とされていますが、市内中心地の公共施設敷地内に仮設診療室2室と検体採取場2か所を設け、医師会の協力を得て保健所を介さず、PCR検査を実施するとしています。1時間に最大8人の検体採取が可能であるというのが、現時点で公表されている内容です。

具体的な質問
@本市におけるPCR検査体制の現状についてまずお聞きします。
A地域外来・検査センターが稼働すると、どこまで検査が増えることになるか。また、全国10万件に対応する規模へ、さらに拡充する考えはないか
B医療機関や介護・福祉施設での集団感染が各地で発生しています。市中感染の致死率(死に至る割合)は1%以下ですが、免疫力などが低下している院内や施設内での致死率は20%あると発表されています。検査体制が整えば致死率を下げられるだけでなく、医療・介護従事者の陰性証明となり、差別や偏見の解消も期待できます。
医療や介護、福祉の現場、また学校現場の安心と安全を確保するために、従事者と入院患者・入所者、教職員や児童生徒にPCR検査を積極的に実施できる体制を整える必要があると考えます。また、とりわけ、高齢者や障害者などの入所施設はハイリスクであり、帰国者・接触者外来や検査センターまで出向くことが困難でもあります。こうした施設等への、訪問による検査ができないか。