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野口あけみの一般質問
2020年06月25日

市民の暮らしや営業を支援する市独自策施策について


 市民の暮らしや営業を支援する市独自策施策について質問します。
 いまだ治療法も予防法も未確立の新型コロナ対策では、三密を避けることなど、人と人との接触を極力避けることが最大の感染拡大防止策となり、3か月以上の長きにわたり、外出の自粛や休業要請、自粛要請がなされました。
 宿泊・旅行業、飲食業をはじめ様々な業種が極めて深刻な経済的打撃を受け、非正規労働者を中心とする労働者の収入減や雇用の不安定化は、さらなる消費停滞を招いています。景気悪化の規模は大恐慌以来との見方も出つつある有様です。
 全国知事会がいち早く「自粛と一体の補償を」と求めるなど、大きな国民の声が政治を動かし、当初まったく後ろ向きであった国も、一律10万円給付や、雇用調整助成金の上限額引き上げ、事業主への家賃支援、学生支援などに踏み出し、一定の前進がかちとられました。 
 しかし、最大の問題は支援が現場に届くのが決定的に遅く、失業や倒産・廃業が増え続けていることです。そうした時の政府の「新しい生活様式」の呼びかけは「新しい自粛要請」にほかなりません。これまでに大きなダメージを受けている中小企業、個人事業主、フリーランスで働く人たちに、新しい自粛要請による“経営難”が加わります。緊急事態宣言の解除や休業要請の「解除・緩和」を理由に、必要な支援を1回限りにしたり、打ち切ることは許されません。

 さて、国の支援策の遅延や不足を補完する、独自施策が各都道府県、各市町村で実施されました。本市でも、この6月補正予算第5号を含め、これまでに一般財源を原資とする独自策は、相談員の増員など小さな施策も含めて32事業、13億2700万円となっています。 
 それぞれ自治体によって特徴も違いもある独自策です。単純比較をするべきではないと思いつつも、つい隣の青い芝生を羨ましがってしまうのも人の常。なぜ他市でできて西宮ができない、との声が上がるのも仕方がありません。特に県下では明石市の独自性と先駆性が際立っています。そこで2つの点に着目して、質問をしたいと思います。

 1点目は、いくつもの選択肢がある中で、その独自策を選択し実行した動機、考え方についてです。
 明石市では、4月20日、補正予算案として、個人商店にすぐ100万円の貸付。これは20日に議決したら24日には手元に届けるスキームで実施。社会福祉協議会の緊急小口貸付を受けた方にさらに市で10万円の貸し付け。児童扶養手当に5万円の上乗せ支給などが臨時議会に提案されました。これらについて明石市長が提案に至った経過、思いを4月17日の記者会見で語っています。かいつまんで紹介します。
 「市民生活への緊急支援。ここでの最大のポイントは緊急すなわちスピード感こそが重要である。今月分の家賃も払えないという悲鳴、仕事に行くことができず日々の収入も絶たれているという声も聞こえております。」
 「まさに目の前に困っている方が数多くおられます。こう言った 本当に危機的な状況で、市民が困っている時こそ手を差し伸べるのが行政の使命であり役割であるという認識からの提案です」
「もちろん国や県の応援をいただきたいわけですが、ただ待っていられない状況であり、国や県の支援があるまでの間、持ちこたえていくという意味で、より市民に近い行政である市が、できるだけ早い形で具体的な支援をしていく必要がある」
 また、5月1日の記者会見でも同様に、追加補正予算案への思いを発言されています。
 翻って、石井市長は市独自策を提案するにあたってあまり多くを語っておられません。この機会に、様々考えられる施策の中から、実施を選択するに至った動機や考え方をお聞かせ願いたいと思います。
 これが1点目の質問です。(質問時間の制限もありますので、存分に、というわけにはまいりません。簡潔にお願いします)
 2点目は、財政についての考え方です。明石市長は記者会見で記者に、「独自策の財源は財政基金からの繰り入れか。基金の残高はどうなるか」と問われ、次のように答えています。
 「私が市長になったときには、目減りしていった基金が70億円になっていた。これ以上基金を崩さないように、少なくとも40億円の基金は維持する方針でいた。その後、やりくりなどをして115億円までいった。一定程度積み増ししてきたという認識だ。この度のコロナ対応でどこまでできるか、という点では、市長就任時の70億円というものが一つの参考になりうると考えている」
 この間に積み増した基金を、就任時のラインまでは取り崩してでも市民の支援に活用したい覚悟だ  ということだと思います。
 本市では、今後感染拡大防止策や市民・事業者への支援等で歳出が増加する一方、歳入では税収の落ち込み、国からの交付税・交付金などの財源確保が困難になるとの見通しから、今年度に予定していた未着手の投資的事業10事業について、いったん見合わせる、来年度に計画見直しの可否を判断するということを発表しました。他市ではあまり見られない、慎重な、なかなかの英断です。
 一方で、市民の暮らしや事業者への支援にどこまで踏み込むか、頑張るかについては特に言及されていません。そこで、質問です。

@市独自策は、今のところすべて財政基金の取り崩しを財源に充てていますが、地方創生臨時交付金が国の1次補正で1兆円、2次補正で2兆円が地方に配分されます。この交付金の交付額や活用の予定はどのようなものでしょうか。
A市独自策にどこまで財源を投入していくのか、その考え方を明石市長のようにわかりやすく聞かせてください。  

 この質問の最後です。今後も引き続き市民応援の独自策が必要だと考えますが、どうでしょうか。具体的には例えば先日、商工会議所と商店市場連盟の皆さんが市内中小・小規模事業者への支援に関する提言書を市長、議長に提出されました。市の独自策である、売り上げが2割以上減少した個人事業主への家賃補助上限10万円1か月の事業では、対象を全小規模事業者に拡大し、あと1か月助けてほしい等々の内容となっています。 
 ほかにも要望が届いていることでしょう。声なき声というのもあります。こうした切実な要望にどう応えるのか、お聞かせください。

 以上で壇上からの質問は終わります。ご答弁をいただいたのち、対面式質問席より再質問、意見、要望を行わせていただきます。ご清聴ありがとうございました。