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佐藤みち子の一般質問
2020年09月03日

今後の保育所待機児童対策について


 2020年4月1日現在の本市の保育所待機児童数は、厚生労働省の定義で345人となり、さいたま市、明石市に次いで全国3位という深刻な事態となりました。また、待機児童を含む希望どおりの保育所に入所できなかった利用保留児童は、2019年より175人増加し936人で、この人数は過去最大となっています。
 
 保育所入所希望は増加の一途をたどっていますが、特に2020年度については、女性の就業率の持続的な上昇や幼児教育・保育の無償化等の要因により、2019年度より2.33ポイント上昇、過去最大の伸び幅となりました。その結果、保育所需要率は33.72%となりました。  
 しかし、他の中核市では保育所需要率が40%から高いところでは60%となっており、今後は西宮市でも新型コロナウイルスに伴う経済情勢、雇用情勢による共働き家庭の増加等により、さらに保育所入所希望が増えていくものと推測されます。そこで市は、今後も市有地や民有地を活用した認可保育所の整備をすすめていくとともに新規事業として「国家戦略特区小規模保育事業」を整備していくことを2020年8月6日の教育こども常任委員会で所管事務報告をしました。
 
 現在の小規模保育事業は原則0歳〜2歳児が対象ですが、「国家戦略特区小規模保育事業」は、保育の対象を0歳〜5歳児としています。本市では3歳児の待機児童が増えているために、1歳〜3歳児を対象とし整備するもので、卒園後は連携する公立幼稚園で受け入れます。
 計画では、待機児童が多いエリアの夙川・越木岩・高木3公立幼稚園に連携する小規模保育所を1幼稚園につき3カ所ずつ整備します。小規模保育所の定員は19人でその内わけは1、2歳児が6人、3歳児は7人です。3カ所の小規模保育所を卒園した4歳の子ども合計21人が、連携するそれぞれの公立幼稚園の4歳児クラスに「就労枠」として入園します。

 この「国家戦略特区小規模保育事業」は、3歳児を1,2歳児と同じ部屋で保育します。特に、3歳児は保育所では幼児組となり、保育士との関係だけでなくグループでの集団遊びが可能になり、他の友達ともかかわりをもち一緒に遊ぶ楽しさや仲間意識を高めて行く時期です。また、身体的にも走る、飛ぶ等、活発に動きまわるようになります。最低基準を満たしているとはいえ、狭い保育室で1歳、2歳、3歳児が生活することは危険がいっぱいで、3歳児の行動を制御しなければならない場面がたくさんあり、そのような環境では子どもにストレスが溜まるのではないかと懸念があります。

質問
  1. 定員が19人、1歳児6人、2歳児6人、3歳児7人、計19人の子どもの場合年間の公定価格はいくらになるのか。保育士の配置はどうか。保育時間が7時半〜18時半となっているが保育士は何人必要か。
  2. 1歳〜3歳児の小規模保育所では3歳児にとっては保育室の広さが十分確保できない、環境や保育の面で3歳児の発達を保障できない。子どもの側面から見ると多大な問題があるが市の認識は。
  3. 公立幼稚園での預かり保育の内容や保育体制について聞く。
  4. 夏休み等の長期休みの保育内容や保育体制について聞く。
  5. 近隣市でも待機児童対策として3歳児保育を進めている。本市でも夙川・越木岩・高木の3公立幼稚園で就労支援として3歳からの保育を実施すべきではないか。