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まつお正秀の一般質問
2020年09月07日

名神湾岸連絡線について


 ただいまより日本共産党西宮市会議員団を代表して、私まつお正秀が二つのテーマで一般質問を行います。傍聴にお越しの皆さん、また、さくらFMをお聞きの皆さんありがとうございます。

●一つ目のテーマは名神湾岸連絡線についてです。
 この名神湾岸連絡線は、名神高速インターチェンジから阪神高速湾岸線を南に結ぶ道路で、約3年前から工事が始まっている阪神高速湾岸線の西伸部区間、六甲アイランドから長田区までの長さ14,5キロの工事と、この名神湾岸連絡線との供用、いわゆる完成時期を合わせる予定で計画されている有料高速道路です。ルートや構造の概要もすでに示され、長さは約3キロ、片側一車線の二車線ですが、阪神高速3号線とつなぐジャンクション、西宮浜に設けられる予定の出入り口やジャンクション付近では4車線、あるいは5車線の箇所もできる予定で、名神高速からつながる部分では複雑なジャンクションなども絡んで高さは最高で28メートルにも上る予定となっています。
 昨年12月にはこの道路の都市計画案作成のための説明会や公聴会が行われ、18人の方が意見を述べられました。この記録を読ませていただきましたが、運送業の方たちから賛成の意見があったものの、西宮浜産業団地では連絡道のルートに引っかかっている事業者の方たちから移転などによる不安、そして、何よりも近隣住民の方たちからは騒音や大気汚染などによる健康被害を心配する声が多く出されていました。
 現在、この都市計画決定の手続きと並行して国による環境影響評価も行われており、国が県の条例に準じて行った調査が環境影響評価準備書として示され、西宮市や県の意見も聞いたうえで、国が環境影響評価を今後確定する予定となっています。
 先日は国が環境影響評価を確定する前段階である準備書の縦覧・説明会を、6月28日の市役所東館を皮切りに7月にかけて4会場で12回行ないました。それぞれ2時間の予定で、説明初日となった市役所東館では、説明時間が1時間30分、質疑は30分しかなく、しかも一人一問しか認められず、十分質問時間が確保されていなかったと聞きました。その後少し改善されたとはいえ、私が参加した西宮浜産業交流会館でも質問は一人一問に限定され、質疑時間が十分確保されていない印象を私も持ちました。
 同時に国は、その準備書に対する文書での意見表明を受け付けるとともに、準備書に対する公聴会を8月8日に西宮勤労会館で行い12人の方が意見を述べられました。こちらにも私は傍聴に行きましたが、多くの方がこの計画に反対の立場で意見を述べられましたし、その多くは住民の健康被害や環境悪化を懸念した意見で、地震の影響や景観についても懸念する意見が出されていました。
私なりに要約してそのいくつかを紹介します。
@環境影響評価ではその高架の中心線から両サイドにそれぞれ125メートル、合計250メートルの範囲しか行われていないという問題点の指摘。
Aそのこととも関連して、大気の流れは固定ではなく、NO2やPM2.5などの浮遊性粒子物質などによる健康被害の心配。
B低周波被害や騒音被害の懸念
C最高高さ28メートルというジャンクション・インターチェンジなどによる日照被害や立ち退きの不安。
D阪神淡路大震災では阪神高速3号線が倒壊したので、今後予想されている南海トラフ地震での倒壊や液状化の懸念、などでした。
 特に今津地域の方々は国道43号線訴訟を闘われた地域であり、この裁判では和解という形で一区切りつきましたが、今でも肺がんや喘息などの方が多いと聞いています。裁判の和解においては、浮遊性粒子物質、SPMと言われていますが、この受忍限度を超えた汚染があったこと、騒音についても受忍限度を超えていると裁判所が断じています。こういった人たちが新たな今回の連絡道の建設で、命や健康を蝕まれかねないという思いを持たれるのは当然だと思います。
 ですから、まず住民の皆さんは現在の健康がどうなのかの調査をしてほしいという願いを持っておられます。市は、住民の皆さんの不安にこたえルためにも、その前提となる健康調査や、環境の状況や影響を把握することが必要です。
 さらに今回の計画では西宮浜にも大きな影響を及ぼすことになります。先ほど紹介した計画概要に対する意見表明された事業者の方だけでなく、近くに学校や住宅地があることから、住民の方たちからも工事中だけでなく建設後も含めて交通事故の問題や大気汚染などの悪化を心配されています。

■そこで質問です
1点目、なぜ、すでに着工されている阪神高速湾岸線西伸部工事における供用と湾岸連絡線を同時に供用しなければいけないのか。また、湾岸線西伸部の工事の後で、名神湾岸連絡線の事業化を検討することは可能かどうかも併せてお答えください。
2点目、環境影響評価準備書に対する公聴会の意見についての取り扱いと、今後の手続きについて伺います。
3点目、環境影響評価準備書に対する公聴会でも出されましたが、近隣住民への健康調査を行うべきと思いますがいかがでしょうか。
4点目、西宮浜では日常的に大気汚染の調査が行われていません。この計画に危惧を持つ市民の方たちが、大気汚染調査測定局の設置を求められています。PM2.5も含めたSPM測定局を設置すべきと考えますが見解を伺います。