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2013年度予算要望書
2012年8月30日

環境局

  1. 脱原発をめざし自然エネルギーへの転換を
    東京電力福島第1原子力発電所の事故は、1年余が立った今も原因が究明されていない。ひとたび事故がおこれば、「空間的」「時間的」「社会的」に、他のどんな災害にも見られない異質の危険性を持っていることが、この事故で国民の知るところとなった。しかし、民主党野田政権は、関西電力大飯原発3号、4号機の再稼働を強行した。この間、首相官邸前や関西電力本店、支店前で、「再稼働反対」「原発をなくせ」と多くの国民が声をあげ、国民の約7割が「原発からの撤退」を求めている。国はこの声を聞くべきである。
    また、浜岡原発だけでなく、各地の原発にも活断層が指摘され再調査を求められている。世界でも有数の地震国、津波国である日本に、もはや原発は共存できないことを認識し、脱原発の立場にたった再生可能なエネルギー政策への転換を進める決断を行うべきである。
    1. 再生可能エネルギーへの転換を促進するために、特に太陽光発電システムを市として学校施設をはじめ、公共施設への大幅な設置計画を策定し実行すること。また、民間企業にも積極的導入を働きかけること。その前提として、公共と民間をあわせた発電能力の実態と可能性を調査すること。
    2. 個人住宅用太陽光発電システム設置補助制度の利用が促進されているが、さらに設置を増やすため補助金の増額や、バリアフリー法で共有部分にも補助がでることになったマンションにも設置助成を行い、合わせて設置住宅等への固定資産税の減免をはかること。
    3. これまでの電力の使用の見直しが求められる。市としても節電対策に取り組んでいるが、さらに、民間事業者や市民にもアピールして、一層の節電取り組みを強化すること。
  2. 地球温暖化抑止の取り組みについて
    人類共通の課題として緊急に取り組むべき地球温暖化で、先進国である日本が国内外で責任を果たしていくためにはIPCC「気候変動に関する政府間パネル」の科学的な要請にこたえた中期削減目標を設定し、確実に実現する総合的な施策実施が強く求められている。いまこそ、温室効果ガスの排出量を減らしながら発展する経済社会への転換が求められており、市としてもできることは全て取り組むべきである。
    1. 日本が積極的役割を果たすよう、国に対して、温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で30%削減することを中期目標とするよう求めること。
    2. 地球温暖化抑止について本市は、「持続可能な地域づくりECOプラン−西宮市地球温暖化対策地方公共団体実行計画」や「第2次西宮市地球温暖化対策実行計画」等に基づいて取り組んでいるが、脱原発を踏まえた目標や計画に抜本的に改めること。また市内最大の事業者として市が実施状況を公表し、温暖化対策をアピールすることによって、市内の事業者にも計画の策定と実行を求めること。
    3. CO2排出量について、神戸製鋼火力発電所等の情報開示は各企業の自主性に委ねられている。情報開示の義務付けなど国・県に求めること。
    4. この間取り組まれている庁舎の屋上緑化や緑のカーテンも室温を下げるなどの一定の効果があることから、他の公共施設についても実施すること。また、施設によっては「すだれ」や「よしず」などの設置の効果がある。これらについても、まだまだ進んでいない。積極的に取り組み、民間企業にも協力を求めること。
    5. 店舗の看板や店内照明については、過剰な電光の使用を抑制するよう指導すること。市庁舎内の自動販売機を減らすこと。また、市内の自動販売機は基本的に電気照明を消すよう市独自の節電指導を行うこと。
  3. ごみ問題については、大型焼却炉による「何でも燃やす」“焼却中心主義”から脱却し、資源循環型社会へ本格的に移行していかなければならない。分別、リサイクル、ごみを出さないなど、ごみの減量化推進のために、以下のことに取り組むこと。
    1. ごみの発生を設計・生産段階から削減するためには、自治体と住民に負担を押しつける現行制度を、OECDも勧告している「拡大生産者責任」の立場で抜本的に見直すことが必要であり、ひきつづき国に求めること。
    2. 粗大ごみや家電4製品の不法投棄が多い。特に、家電4製品の不法投棄を誘発する「家電リサイクル法」についてリサイクル料金等の製品価格への内部化を義務づけるよう国に求めること。引き続き不法投棄のパトロールを強めること。
    3. 家庭用ゴミ収集について、ゴミ減量化を名目にした市民に負担を強いる有料化は絶対におこなわないこと。
    4. ゴミ収集の業者委託は、国道2号線以北の地域まで行われており、その業者選定は、指名競争入札になっている。委託を受注したい業者は、少しでも入札価格を安くするために、労働者の人件費を切り下げるダンピング合戦ともなり、結果として、ワーキングプアを生み出している。業務委託契約書で労働関係法令の順守の義務付けがあっても、労働者の労働条件切り下げがないとはいえない。賃金・労働条件を保障する「評価基準」を設けた総合評価型入札制度にすること。
    5. その他プラスチック製容器包装の分別収集については2013年2月から直営地域で実施し、2013年4月から全市で本格実施されることになった。ビン類の分別収集も早期に実施するとともに、ビンなどのリターナブル化等も促進すること。
    6. スーパーのレジ袋減量化に取り組んでいるが、引き続き、参加事業者を増やすこと。また参加事業者の中には、これまで同様にレジ袋を配布しており、効果が期待できない状況もある。市がリーダーシップを発揮し、本来の目的に沿った指導を強化すること。さらに「マイバック運動」も促進すること。
  4. 有害物質対策について
    1. アスベストについては、対策法の認定基準を緩和するなど、全ての被害者・家族により充実した補償と救済を行うよう、国に要望すること。
    2. PCB、ダイオキシンなど有害性化学物質に加え、放射能汚染による健康被害と環境汚染、植物汚染が懸念される。西宮でもマンションに使用されていたPCB廃棄物の処理事故、化学物質による土壌汚染、放射性セシウム汚染の肉牛などの問題が起きている。環境被害調査や健康調査、情報公開、被害補償など、具体的な対策をとること。また、民間マンションのPCB廃棄物については、国に処理費用助成策を求めること。それができるまでは、市として助成すること。
  5. 大阪空港は「欠陥空港」であり、安全面からも早期の撤去を国に求めること。西宮市は、「航空機騒音防止対策、環境整備の促進等をはかること」を目的としていた11市協(大阪国際空港周辺都市対策協議会)に属し環境・安全対策を求めてきたが、経営統合で11市協は利用者利便の確保や空港周辺地域の活性化等を強調し、ジェット機の増便を求めるなど活性化へと変質している。
    伊丹空港廃止を主張する大阪市は11市協から脱退した。市も11市協を脱退すること。航空の安全、騒音問題、環境整備等については、引き続き国に対策を求めること。また、現在大阪府や兵庫県が環境対策や空港の維持管理費用の一部を負担しているが、市に求められた場合は拒否すること。
  6. 国道176号線は、依然として交通量が多く、渋滞に伴う環境悪化も懸念されている。ただちに環境対策をとること。また、全市的に測定局を増やし、観測態勢も一層強化すること。
  7. 快適な市民生活を確保するために、以下のことを実施すること。
    1. 24時間営業の店舗や焼肉店など、臭気、騒音、光などの苦情に応え、指導できるように「快適な市民生活の確保に関する条例」を抜本的に改正し、環境面での市民の要望、相談にこたえられるようにすること。
    2. 花火などの騒音や生活騒音におけるトラブルが増えている。特に花火については、条例に基づき、パトロールを実施しているが、なお市民からの苦情が後を絶たない。特に香櫨園浜や甲子園浜などでの、夜間の花火禁止を条例に盛り込むこと。
  8. 依然として産業廃棄物の不法投棄があとを絶たない。引き続き監視カメラの設置や徹底した立ち入り調査が必要であり、直ちに取り組むこと。不法投棄のルートと関与者を解明し、違反者はもちろん、排出者の責任で撤去させること。
  9. 阪神間で唯一残された自然海浜である甲子園浜、香櫨園浜の浜辺は、鳥獣特別保護区もあり、野鳥や水生生物の観察、市民の貴重な憩いの場ともなっている。県と共に、干潟、自然浜、海の再生をはかること。
  10. 公園整備について
    1. この間、公園整備はほとんど進んでいない。民有地や遊休市有地等を活用して街なかに公園を新たに確保すること。また、公園を整備あるいは改修するときは、利用者の意見を取り入れること。
    2. 西宮浜北護岸と香櫨園浜を総合公園として一体整備する計画は、2015年度以降の予定である。地域住民の声も反映させ、早急にすすめること。暫定開設されたスケートボード場は本格整備し、ナイター設備も設置すること。
    3. 地域住民の要望にこたえ、早急に堀切町市営住宅跡地全体を公園整備すること。
  11. 公園の維持管理について
    1. 緑の確保、環境保全、市民の憩いの場、また緊急避難所として公園は重要な役割を果たしている。市民参加を大切にしながらも、公園の維持管理についての予算を大幅に増額し、最終的には管理者である市が責任を持って管理すること。
    2. 全市的に公園の傷みがすすんでいる。老朽化した遊具やベンチ等でのケガを防止するため、おもいきって予算を増やし、一斉改修を行うなど、公園の再整備をすすめること。特に、撤去した遊具の更新を早急に行うこと。
    3. トイレについても順次改修し、要望のあるところは設置すること。その際、身障者用のトイレも整備すること。また、清掃回数を増やすなど「きれいなトイレ」をめざすこと。
    4. 滑り台やブランコについては、雨で水溜りができないよう定期的に対応すること。また、子どもが増えていることから、安全で衛生的な砂場が確保すること。