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2013年度予算要望書
2012年8月30日

防災危機管理局

  1. 東京電力福島第一原発事故以後、特に国が関西電力大飯原発の再稼働を強行して以降、原発からの撤退を求める国民の声と運動が、日に日に広がっている。
    1. 市として政府に対し原発再稼動の中止、原発からの撤退を求めるとともに、事故があればたちまち甚大な影響が出る福井県の原発について、関西電力等にも再稼動の中止、原発撤退を求めること。
    2. 「脱原発をめざす首長会議」に加入し、運動を広げること。
  2. 東日本大震災と原発事故の教訓を踏まえた地域防災計画の見直しは、国や県の防災計画との整合が必要であり、いずれも未決定のためまだ未着手とのことである。上位計画を待つのでなく直ちに着手すること。また、見直しにあたって次の点に留意すること。
    1. 「災害の発生は抑えられないが、被害は最小限に抑える」という予防の観点に立った見直しとすること。
    2. 被災地から発信されている課題は、たとえば、災害時要支援者対策や福祉避難所の整備、避難所における更衣室や授乳室など生活目線での整備、帰宅困難者対策等々、多数存在している。これらの具体的な課題を整理し、地域防災計画の改定にいかすこと。
    3. 「甲陽園小などの避難所はたどり着くまでが困難」などの住民の意見があるが、現在の避難所の配置や箇所数が適切か検討し、増やす方向で取り組むこと。
    4. 民間マンション等の協力による津波非難ビルは現在偏在している。さらに増やし偏在の解消をめざすこと。
    5. 原発事故を想定した住民避難などの計画が必要である。防災計画に盛り込むこと。
    6. 見直しの過程から市民の参画と協働を進めてこそ、防災意識の啓もうになる。
      市民からの意見を聴取する機会を設けること。
  3. 2012年度の市総合防災訓練は、東海・東南海・南海地震による津波を想定した避難訓練がJR神戸線以南の約21万人を対象に行われる。うち一般市民を対象とした訓練は、自主防災会等によるJR神戸線以北への避難行動と、近くの避難ビル等の確認の2方法で行われ、その他防災スピーカーによる伝達や指示、防潮門扉操作訓練なども実施される予定である。
    これまでの最大規模で実施される防災訓練を、多くの市民の参加、協力のもと事故なく成功させるよう、万全を期すこと。訓練後にはその教訓をしっかりと導きだし、今後の防災対策に生かすこと。
  4. 従来の地震・津波想定(M8.4、3m高)では問題なしとされている防潮堤だが、新たな想定によれば高さも構造も根本的な見直しが必要になる。県は緊急点検を実施し、順次必要な補強工事も進めていると聞いている。当面引き続きこれらを進めるとともに、新たな想定にもとづいた場合の必要な対応も県に求めること。
  5. 津波対策では樋門管理が重要である。民間まかせにせず、県と連携し市が全ての樋門を管理すること。電源喪失や施設損傷に対する対応も十分考慮すること。
  6. 市役所本庁舎周辺に、災害時の対策本部機能と防災体験学習施設を併せ持つ総合防災センターを整備する構想があるが、経費の点でも大きな課題である。防災センター整備については必要性と緊急性について十分精査し、市民の理解を前提とすること。