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佐藤みち子の一般質問
2021年03月03日

コロナ禍における女性の問題について


 東京五輪・パラリンピック組織委員会の前会長森喜朗氏の女性蔑視発言は、ジェンダー平等推進の流れから、日本の遅れている実態が世界中に浮き彫りになり、日本社会の女性差別の構造的なゆがみをあぶりだしました。発言はさまざまな意思決定の場で、女性が積極的に発言することを拒否するもので、人種・性別・性的指向などの差別を禁じた五輪憲章とも相いれないものです。最終的に森氏は辞任に至りました。このことは、社会のなかで女性差別は許されないという当然の規範が明確になり、そのことが、多くの人に共有されることになった結果です。

 日本社会は、男女の収入格差、家事育児分担の男女差、国会でも地方でも女性議員の少なさ、公務でも民間でも女性管理職の少なさ等、この問題を契機にして、これら日本社会の各所に残る構造的なゆがみをただす取り組みを進めていかなくてはなりません。
 コロナ禍のなかで社会の構造的なゆがみが女性を窮地に追い込んでいます。内閣府男女共同参画局の資料では、2020年4月の就業者数は、男性は37万人減少していますが、女性は70万人も減少しています。働く女性の7割は低賃金・不安定な非正規労働者で、コロナ禍による経済危機のもとで、真っ先に切り捨ての対象となりました。

 コロナ禍の中、さまざまな女性団体等が、支援活動を実施しています。虐待や性暴力にあった10代の女性を支援する活動をしている一般社団法人(コラボ)の代表仁藤夢乃さんは、コロナ禍で苦しい状況にあってもSOSを出すことがこれまで以上にできていないとのことで、仁藤さんたちが力を入れている活動が、支援を必要とする人を待っているのではなく、自ら出向いていく活動です。渋谷や新宿の広場に月3回程度、10代の女性に無料で食事や生活用品を提供する「バスカフェ」を開いています。
 「家にいられない」「外でも過ごせない」そんな女性を狙う男性もいて、SNSで助けてくれる人を探した女性が性被害にあうケースが増えていると言われています。しかし、このような共助では限界があり公的な支援を拡充していく必要があると述べています。

 また、貧困問題に取り組む作家の雨宮処凛さんは、2008年のリーマン・ショック時との違いは、女性が困窮しホームレス化していること、12年前に派遣切りされた多くは製造業の男性でした。コロナ前より続く長引く経済不況で、親も困窮したりすでに退職したりして実家を頼れない人が増えており、コロナ禍で真っ先に解雇された非正規女性の中から、失業即ホームレスという事態が起きていると指摘しています。コロナ禍の中、女性の働き方は非正規雇用でいいのかが、国や自治体にも問われているのではないでしょうか。

質問します。
1、西宮市ではメディアの報道にあるようにDVや虐待相談等が、数字上は大幅に増えているとはいえない状況だが、水面下では困っている女性が多数いると思われる。コロナ禍のもとで、とりわけシングルマザーも含めて女性に矛盾と困難が集中していることは、日本におけるジェンダー平等が遅れていることを浮き彫りにしていると思うが市はどう考えるか。また、このことを正すための市の対策はあるか。
お聞きします。