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まつお正秀の一般質問
2021年03月03日

地球温暖化対策について


 二つ目のテーマは地球温暖化対策についてです。
 ここ数年の台風や豪雨被害、あるいは記録的猛暑は日本だけでなく世界各地で起きています。さらに今年になってからもニューヨークでの記録的大雪、ヒマラヤで氷河の崩壊で200人以上が犠牲など、温暖化によるとされる被害の報道が相次いています。異常気象に関連する自然災害で、20年間で48万人の死者が出ているとか、さらに化石燃料由来の大気汚染で年間800万人が死亡しているという報道。またイギリスの環境慈善団体「気候連合」とイギリスのリーズ大学内にあるプリーストリー国際機構センターはこの2月5日、気候変動が、高齢者や心臓に疾患を持つ人の命を危険にさらしているとする報告書を発表し、将来イギリスだけでも1200万人の命が脅かされると警告しています。このように地球温暖化によって引き起こされる人間や自然に与える被害に関する報道は枚挙にいとまがありません。
 2020年、昨年9月24日には、国連気候変動ハイレベル会合がオンラインで開催されましたが、国連のグテーレス事務総長は演説で、気候変動対策の国際的枠組みである「パリ協定」が定める世界の平均気温上昇を産業革命前から1.5度に抑える目標達成のため、2030年までに1990年ベースで温室効果ガスを45パーセント削減、2050年までに実質ゼロにすることを提唱しました。
 その翌月の10月26日、グテーレス事務総長の発言を念頭に置いていたのかどうかはわかりませんが、第203回臨時国会の所信表明演説において、菅総理大臣は「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。このこと自身は歓迎されることではありますが、これまで放射能被害、あるいは汚染の恐れがある原発に固執し、温暖化ガスを多く排出する石炭火力発電所の建設や輸出の方向性を示してきた現政権の本気度が問われているところです。
 昨年3月議会の代表質問で、私は市長に対して温暖化問題に対する危機感はどうかと伺いましたが、石井市長は持っている危機感は漠たるものであるという答弁をされました。
 今回の施政方針では、環境学習都市宣言の精神を継承し、環境問題における2つの表明を行い、具体的行動へとつなげていくと述べられました。一つは温暖化対策における具体化であり、「西宮市地球温暖化対策実行計画」の中期目標の設定です。もう一つの表明は、温暖化対策とも重なるところはありますが、海洋汚染などの要因となっているプラスチックごみ削減運動の推進で、新年度は給水設備などの予算が盛り込まれています。今後この2つの表明の具体化がどう進められるのかを注視していきたいと思います。
 また、地球温暖化の抑止が叫ばれる中、一昨年の12月議会には「地球を守ろう神戸」という団体から、西宮市議会として気候非常事態宣言を決議してほしいという請願が出されました。否決はされましたが審議がされた民生常任委員会の多くの委員から趣旨は理解できるとの発言が多く出され、環境学習都市宣言を行っている本市としてそちらの具体化をまずやるべきだという声も多かったと私は記憶しています。この時に宣言をしている自治体は壱岐市、白馬村、長野県、議会決議として鎌倉市などが紹介されていましたが、今日時点では49の自治体と議会が宣言しています。自治体と議会と一部ダブっているところもありますがわずか1年あまりの間で4つから49にのぼっているのです。
 昨年4月に吹田市が中核市となったことから、西宮市、尼崎市、豊中市、吹田市と中核市が隣り合わせになることを記念し、その頭文字を西側から並べたNATS、ナッツという連携組織を立ち上げられました。実はその豊中市と吹田市が共同で気候非常事態宣言を出すことになり、条例上では両市で必要ないとされているパブリックコメントがすでに実施をされています。このように気候非常事態宣言の動きは急速に広がっていると思います。

そこで質問です
1点目、昨年3月の私の代表質問以降、世界の自然環境をめぐる状況あるいは報道を見る中で、市長の漠たる危機感について、その受け止め方に変化はあったのかどうか。あったとすればその変化は、施政方針で述べられた環境問題における一つ目の2050年までにCO2排出量ゼロ表明との関係と合わせてお答えください。
2点目「西宮市地球温暖化対策実行計画」の中期的な目標はどのようなものになるのか伺います。
3点目、先ほど紹介した全国に広がっている「気候非常事態宣言」について、西宮市として表明する考えはないか伺います。