2021年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:総務局/* --項目挿入-- */?>
2020年08月31日
- 新型コロナウイルス感染症第1波の経験を経ての行政課題、教訓として「行政経営改革実行計画」に組織・人事運営や職員の働き方について触れられている。組織・人事運営では、危機事案に柔軟かつ迅速に対応できるよう、@(緊急性等を踏まえた)事務事業の優先順位付けや業務の効率化、A業務量に応じた、柔軟・的確な組織体制・人事異動の実施を挙げている。以下に留意して取り組むこと。
(1)正規職員数が圧倒的に不足しているため、過労死ラインを超える超過勤務が見られるなど困難が生じている。特に専門性を有する保健所などの部署を中心に、適正な職員定数について研究し、増員すること。
(2)在宅勤務や時差通勤、テレビ会議や会議の効率化の推進など、今後、職員の多様な働き方がすすむこととなる。職員の意見を十分聞いて進めること。
- コロナ禍での緊急雇用対策として、コロナ対策にかかる一般事務に従事する会計年度任用職員(パートタイムA)を20名程度、2020年9月以降翌3月31日まで任用することになった。再就職活動をしながらの任用とのことだが、個々の状況に応じて期限延長も検討すること。
- 職員の月超過勤務時間の上限を過労死ライン未満にただちに定めるとともに、大臣告示の月45時間、年間360時間になるよう、とりくみを強化すること。
- 女性の管理職登用率は、目標値を定めているものの一向に向上していない。女性管理職登用率を引き上げるために、働きやすい職場環境、労働条件について現場の声や専門家の意見も聞いて研究し、登用率向上の努力をいっそう強めること。
- 2020年度より会計年度任用職員制度が新設された。同一労働・同一賃金の考え方をふまえ、非常勤職員の適正な勤務条件を確保すること。また、今や正規職員の代替として重要な役割を果たしている職員も多く、雇用不安を抱かせないこと。
- 昨年度は市職員の不祥事が相次ぎ市としての取り組みも強化されたが、繰り返し、全体の奉仕者としての公務員の責務を自覚させる指導や徹底した研修が必要である。内部統制のとりくみと合わせ、強化すること。
- 毎年のように各地で未曽有の豪雨による災害が発生している。もちろん本市においてもよそ事ではない。2020年度に作成する予定だった「洪水避難行動指針(仮称)」は、県の浸水想定の見直しや、新型コロナの影響によっていまだ着手されていない。
さらに国の避難勧告等のあり方の変更もありうるとの情報もあるが、早急に作成し、市民への周知を図ること。
- 避難所の設置について
(1)災害種類ごと、避難情報の段階ごとに開設する避難所が違っているが、市民にとっては、大変わかりにくく混乱のもとである。
特に、洪水時の避難所は、南部では、発令前に10か所、避難準備時に8か所、避難勧告時5か所、避難指示時に11か所が順次、開設されるが、計34か所の避難所は同時に開設すべきである。そうしてこそ、市民が普段から自らが避難すべき場所を確認し、覚えておくことができる。早急に改善すること。
(2)鳴尾御影線以南の津波避難ビルは、洪水時の避難所としても活用することになっているが、市民には知られていない。周知徹底すること。同時に同線以北でも3階以上のビルと協定を結び、洪水の際の避難所とするよう検討すること。
(3)甲陽園地域をはじめ、現在の避難所の配置や箇所数が適切か検討し、大学や商業施設などの民間の協力も求め、増やす方向でとりくむこと。
(4)市内で40か所ある備蓄倉庫のうち、津門中央公園など浸水の恐れのある倉庫は改善すること。
- 避難所の環境改善は大きな行政課題の一つである。「人道憲章の枠組みに基づき、生命を守るための主要な分野における最低限満たされるべき基準」を「スフィア基準」といい、今後の「避難所の質の向上」を考えるときにも参考にすべき国際基準である。本市においてもこの基準や内閣府が策定した避難所運営のガイドライン等に基づいて、寒暖対策やプライバシーの確保等、さらに新型コロナ対策も含めて、抜本改善を進めること。
- 地震や津波、洪水、高潮などの自然災害に備えるため、市は「西宮市防災マップ」を2019年度にリニューアルし、原則1年に1回市民に全戸配布している。例えば、避難所は災害種類ごとに開設する箇所が違うが、地図ではそのことが分かりにくい。思い切って災害種類ごとのマップにするなど、分かりやすい内容に改善すること。
また、自らの問題としてとらえるためには地域ごとのマップも必要である。地域防災会で作成しているものとは別に、市が全市版を分割する形の地域版を作成し、全市版と交互に毎年全戸配布すること。
- 災害時の情報伝達は非常に重要である。防災スピーカーをはじめ、市ホームページやSNSなど様々な手段を駆使して市民に情報を伝えているが、以下のことを行うこと。
(1)防災スピーカーは聞き取りにくいとの声もあり、市では移設や更新の際に高性能スピーカーに取り換えるとしている。今後も改善につとめること。
(2)「緊急告知ラジオ」(さくらFM販売)は、購入補助制度の拡充や民間店舗での販売などがとりくまれている。全世帯の1割、21000台が普及目標で2020年6月末現在6007台(目標の28%)の到達となっているが、ひきつづき広報を強め、いっそうの普及をはかること。また、高齢低所得者等への無料配布を検討すること。