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2021年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:産業文化局
2020年08月31日


  1. 新型コロナウイルスによる不況対策について
    新型コロナウイルスによって、市内の飲食業や宿泊業をはじめ多くの業種で売り上げや受注減等の深刻な影響を受けている。この状況が数年続くとの報道もあり、支援が求められている。次のことに取り組むこと。
    (1)新型コロナウイルスの影響による売り上げの減少などによって廃業に追い込まれることがないよう、実態調査を行い、対策を講じること。
    (2)前年比で売り上げが20%減った事業所には家賃支援策を行ったが、1か月で は足りない。西宮商工会議所と西宮市商店市場連盟が連名で要望しているように、さらにもう1か月の支援を行うこと。
    (3)国の持続化給付金や家賃補助は、原則オンライン申請でメールアドレスが必要であることからあきらめている事業者もいる。市は支援の体制を強めるが、さらに制度の周知を行い、市が手厚く支援すること。
    (4)換気対策や消毒液・フェイスシールドなど、感染症対策費が重荷になっている場合があることから、そうした経費に対する補助制度を設けること。

  2. 雇用環境対策について
    (1)新型コロナウイルス感染症による営業自粛や売上げ減などによって、解雇や転職を迫られている人たちの相談窓口をさらに充実させること。
    (2)今年6月から職場におけるパワーハラスメント防止法が施行されている。中小事業者は2年先送りとなっているが、職場の土壌や風土を変えるには時間がかかることから、啓発を行うように各職場に働きかけること。
    (3)全国的に外国人労働者が増えている。労働条件や解雇などの相談が増えているが言葉の壁が厚いという問題もある。外国人労働者のための丁寧な相談窓口を設けること。

  3. 公契約条例制定について
    市は産業振興基本条例を制定するとともに、働きやすいまちづくりプランを作成し、その中に公契約条例の検討を盛り込んでいる。早急に条例化に向けた検討を行うこと。また、その際には賃金条項を盛り込むなど実効ある条例とすること。

  4. 先般、厚生労働省の諮問機関「中央最低賃金審議会」の小委員会が、2020年度分の最低賃金目安を示さないことを決め、全国的には事実上の据え置きとなった。兵庫県はわずか1円上がったのみであり、8時間働けば暮らしていけるレベルになっていない。ただちに1000円に引き上げることに加え、都道府県による違いをなくして全国一律とし、早急に時給1500円にするように国に求めること。

  5. 中小企業勤労者福祉共済は、市内で事業を行っている常用従業員が300人以下の事業所を対象にパートタイマーも加入できるようになっているが、加入率は毎年低下している。共済事業の広域化などで内容を魅力あるものにするなどして加入を促進し、市内労働者の福利厚生に寄与すること。特に今回のコロナウイルス感染者などに対する見舞金を加えるなども含め、制度の拡充を行うこと。

  6. 「住宅リフォーム助成制度」は市民や地元業者に喜ばれている。2020年度については新型コロナウイルス対策として300万円増額されたが、新年度はその増額分も含めて予算を大幅に増額し、随時募集を検討し利用しやすくすること。さらに、一般の営業店舗や事務所にも対象を拡大すること。

  7. 勤労会館、青少年ホーム、サンアビリティーズの3施設は老朽化が進んでいる。市として以下のことにとりくむこと。
    (1)3施設については、勤労者施策や青少年施策などに果たす役割は大変大きく、利用率も高くなっている。市直営を堅持し思いきって勤労者施設として建替えて存続すること。
    (2)勤労会館ホールは、車いすのままでも観覧できるよう中央部の観客席は可動式になっているが、そのことが利用団体などに周知されていない。利用団体などへの周知を行い実際の利用を増やすこと。
    (3)勤労会館ホールのトイレはすべて洋式化されたが、会館内の他のトイレについても洋式化(温水洗浄便座)を進めること。
    (4)全体に会議室の机やいすの傷みが激しい。新しいものに交換すること。
    (5)全体的に冷房の効きが悪い。全室点検を行ない修理などができない場合は更新すること。

  8. 武田尾温泉の西宮側については、後継者などの問題も含めて現在存亡の危機にある。JR旧福知山線ハイキング道の一般開放によって武田尾を訪れる人も増えていることから、市として宝塚市側と連携したとりくみで両市の地域が活性化するような支援を行い、温泉地の活性化につなげること。また、船坂地域の活性化として、廃線跡を活用したコンサートなども議会から提案されているが、廃線跡の活用も検討すること。

  9. 市内で生産している軟弱野菜などは高い評価を受けている。地産地消をすすめ西宮の農業を守り育成すること。特に、学校給食で使用される市内農産物の提供農家に対しては、市場出荷分に見合う価格保障を行うこと。
    また、市内の直売所の情報提供をさらに強め、市民の利用を広げること。

  10. 市民農園利用の希望が多くなっているが、実際には市民農園の区画数が減る傾向にある。耕作放棄地や遊休市有地等を活用することや、生産緑地解除申請などの土地について市が買い取るなどによって、さらに市民農園の拡充をすること。そのためにも農家の意向を綿密に調査すること。

  11. 有害鳥獣対策にいっそう力を入れること。特に農作物を荒らすイノシシ、アライグマ等対策、ゴミを荒らすカラス対策は、市民の意見もよく聞いてとりくみをさらに強めること。

  12. アポ電詐欺、最近では給付金の代行などをかたる特殊詐欺が増えていることから、次のことに取り組むこと。
    (1)特に医療費などの還付金詐欺の件数が多い特徴がある。具体的な詐欺手口を周知し、詐欺被害から市民を守ること。
    (2)高齢者への通話録音装置の貸し出しが一年限りとなっているが、利用可能期間を延長するとともに、さらに台数を確保すること。購入する場合は市が一定額の補助を検討すること。

  13. 食肉センターで解体処理された牛・豚肉はそのほとんどが市外に流通しており、毎年1億円以上の経常経費や施設の老朽化対策のための市税投入は市民の理解が得られない。2019年度の民生常任委員会での施策研究テーマとなり、多くの委員から多額の繰り入れに対する疑問が出され、今後、施設の老朽化や建替え等、多額の財源が必要となってくることにも懸念が表明されている。民営化に向けても真剣な検討を行うこと。

  14. 新型コロナウイルスの影響によって、舞台やライブなどの文化芸術が危機に陥っている。ドイツでは文化を人間にとってなくてはならないものと位置づけ、特にフリーランスのアーティストには無制限の支援を表明している。市はホールの感染症対策や施設使用料の減免とともに、イベントなどへの支援を行うことにしているが、さらなる支援が求められていることから、次のことに取り組むこと。
    (1)イベントでは人数が制限されることからイベントへの支援額を増額するとともに、期間を延長すること。また、国に対しても支援を求めること。
    (2)市内在住のアーティストなどの実態調査を行い、独自の支援策を検討すること。

  15. 市民のスポーツ要求に応えるため、以下のことにとりくむこと。
    (1)民間スポーツ施設が市内に増えているが、料金も高く利用できない市民も多い。サンアビリティーズのような、低料金で手軽に利用できる公的スポーツ施設を抜本的に増やすこと。
    (2)低価で利用できるプールを浜甲子園の厚生年金プール跡地に設置すること。

  16. 自然災害が多発している中で、避難所となる学校園の体育館にエアコンが順次整備されていくことになっている。すでにエアコンが設置された中央体育館と浜甲子園体育館以外のアリーナにも、エアコンを早急に整備すること。