西宮市長 石井 登志郎様
関西3府県は3月1日に、首都圏では3月21日に緊急事態宣言が解除されて以降、新規陽性者数は増加傾向にあり、感染力が強いとされる変異株の流行も重大な懸念となっている。感染再拡大(リバウンド)であり、第4波の到来と指摘する声もある。
そうした中で、政府の基本的対処方針にある、無症状者に焦点を当てた大規模検査を本気で実施することが、リバウンドを防ぎ、コロナを封じ込める鍵となる。本市において早急に具体化をはかり取り組むべき課題について、以下、要望する。
- 社会的検査について
本市ではこの3月より希望する介護施設、障害者施設、介護サービス事業所等の従事者約15,000人を対象に、当面、週200人のペースで抗原検査が実施されることとなったが、3月19日現在、対象1,630施設のうち51施設(3.1%)698人(4.6%)と、ごくわずかにとどまっている。
重症化リスクの高い場所への社会的検査については、政府コロナ対策本部分科会尾身会長が、「感染対策のうえで非常に意味がある」「今、高齢者施設でやっているが、福祉施設や医療機関などにも同じようにやっていけばいい」「この検査は1回だけやるのではほとんど意味がない。定期的に続けてやるのが極めて重要だ」と言明している。
➀現在本市が対象としている施設・事業所に対し、受検を強く勧奨すること。
A検査対象をこれら施設の新規入所者や、医療機関、保育所等にも拡大すること。
B頻回、定期的に実施すること。
- モニタリング調査の実施
「感染拡大の予兆」をつかみ、「感染源の早期探知」のためには、モニタリング検査を実施することが必要である。広島県では全国にさきがけ、市中に設置したPCR検査センターにて誰でも何度でも無料で検査を受けられるしくみをつくるなど、戦略的な大規模検査に取り組んでいる。
➀本市でもこうした事例を検討し、積極的な検査に取り組むこと。
A濃厚接触者の同居家族、陽性者と接触があったが濃厚接触者とは判定されなかった人など、感染に不安がある市民について検査の対象にすること。
- 変異株の監視について
衛生研究所を持つ神戸市では、国からの指示を待たず市独自に新規陽性者の7割に変異株の有無を調べるPCR検査とゲノム解析を実施しており、4割近くで変異株が検出されている。ウイルスは2週間おきに変異を起こすといわれ、今後、海外からの渡航者が増えればより強力な変異株出現のリスクが増す。
国は、これまで5〜10%にとどめていた変異株の検査率を40%に増やすとしているが、独自の変異株検査体制を持たない本市としては、県や国に強力に確実な実施を求めること。
以上