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ひぐち光冬の一般質問
2021年06月25日

学校における新型コロナウイルス感染症対策について―1日でも早く子どもたちの日常を取り戻す観点から


 それでは大きな2点目の質問に移ります。「学校における新型コロナウイルス感染症対策について―1日でも早く子どもたちの日常を取り戻す観点から」という質問です。
 今年2月。恐れていたことが起きてしまいました。大阪府高槻市の小学校でマスクをしたまま持久走をしたと思われる5年生の男子生徒が死亡しました。この事故が明らかになったのは今年の5月に入ってからですが、私はこのことを知り、本当にいたたまれない気持ちになりました。なぜなら未成年のコロナ死亡者は未だに1人もいないにも関わらず、その対策によって死亡者を出してしまったからです。こんな本末転倒なことがあるでしょうか?
 この事故を受けて、文科省の萩生田大臣は改めて「体育の授業中にマスクの着用は必要ない」と呼びかけました。当然文科省の通知にはそのことが明記されていますし、厚労省が出している『新しい生活様式における熱中症予防行動のポイント』の中にも、マスクのリスクを指摘した上で「距離が取れる場合はマスクを外しましょう」とはっきりと記されています。しかしです。市内の保護者の方々から聞くところによると、「うちの学校ではマスクをしたまま体育をしてるよ」とか「部活中もマスクをしたままやってるよ」という声が未だにあります。ここでまず1点お聞きします。

  1. 体育や部活中、また登下校中のマスクが不要であるということは当然各学校に周知されていると思いますが、各学校に徹底されていない現状があります。教育委員会は各学校にどのように周知したのでしょうか?そして今後どうすれば徹底できると考えるか、教育委員会の見解をお聞かせください。


 さて、1年以上もコロナ禍での生活が続き、子どもたちが多大なストレスを感じていることは想像に難くありません。例えば、2021年5月25日に発表された国立成育医療研究センターがやっているコロナこどもアンケートの第5回調査報告書には、子どもたちの悲痛な声が寄せられています。(中2女児)「町内の人がマスクしてない事を学校に言いつけてくるから、町内の人が怖い。どこにいるかわからないから、どこにも行きたくない」、 (小5女児)「頑張ってるけどマスクが苦しい。なるべく取りたい。でも先生が怒る。友達も怒る。怖い人が増えた」、 (小2女児)「いやな1年でしかなかった」、 (中1男児)「もう死にたい。心の限界が近づいている」、 (小2男児)「コロナだからやらなきゃいけないこと、やっちゃいけないこと、頭でわかってても、つらい。かなしくて、いらいらした」、 (小6女児)「なんでもコロナばっかりで自分の行動や気持ちを制限されている気がした。せっかくの小学校生活最後の年なのに、なんだか悲しかった。大人は大人でいろいろ大変なのかなと思って、相談しづらくなってしまった。みんな常に笑っているときも心の中でイライラしている気がした。コロナが大人になってもあったら、人生が変わっちゃうかもしれないと思った」−このような声を受け、コロナこどもアンケート本部は「こどもにおいては、感染症自体の医学的問題よりも、心理社会的問題の方がずっと大きそうだということも分かってきました」と報告しています。実際に2020年は子どもの自殺が前年から140人も増えて、過去最多の479人にもなってしまいました。コロナ感染による子どもたちの死亡者は1人もいないにも関わらずです。
 しかし、だからと言って、感染症対策をすべてやめてしまっていいのかというと、現時点ではそういうわけにはいかないかもしれません。では、やむなく感染症対策を行う場合に、どういった点に気を付けるべきか。この点に関して、2021年2月9日、日本学術会議幹部会が次のような声明を出しています。「感染症対策のために一時的に人権や自由などの価値の尊重に制限を加えざるを得ない場合には、その対策がもたらす医学的効果、対策の必要性や衡平性(こうへいせい)を“慎重に”考慮し、その制限を可能な限り“抑制的”なものにとどめ、これらの大事な価値の尊重という原則が毀損されないような手立てを講じることが求められると考えます」と。子どもの1日1日は、大人の1日1日とは重みが違い、より大切にされるべきだと私は思いますから、感染症対策の内容については日本学術会議幹部会が言うように、ただ単純に国のマニュアルに従うというだけではなく、本当に慎重に慎重に検討しなければならないと考えています。そして、子どもたちの自由と権利をむやみに奪ってしまうことだけは絶対に避けなければならないと思います。
 このような観点から、積極的に感染症対策の“抑制”に取り組んでいる自治体があります。富山市です。富山市の取り組みは、実は昨年の6月議会でも取り上げたのですが、改めてここで簡単に紹介します。
 富山市では、教育委員会と保健所、そして小児科医3名が連携して「富山市立学校 新型コロナウイルス感染症対策検討会議」というものを2020年の5月に立ち上げています。そして、「いかにして1日でも早く子どもたちの日常を取り戻すか?」という観点で定期的に会議を行い、その会議で共有されたことを手紙にまとめ、すべての市立小中学校の家庭に配布するということを行っています。資料2にその手紙を載せていますのでご参照ください。資料2に載せたのは現時点での最新号で、2021年5月10日発行の vol.10です。手紙を見ていただければわかりますが、保護者や子どもたちの、疑問や不安に答えるQ&Aの形で構成されています。具体的には「変異株の感染が増えてきてるらしいけど、ほんとに大丈夫?」とか「プールを実施するらしいけど、ほんとに大丈夫?」という質問に答えています。小児科医による科学的知見に基づいた回答がなされているので、これを読んだ子どもや保護者、また先生もとても安心すると思います。また、このような“1日でも早く子どもたちの日常を取り戻すための姿勢”が見えることによって、市民は希望を見出すことができると思います。これを西宮でもやりませんか?ここで伺います。
  
  1. 子どもたちや保護者をより安心させ、1日でも早く子どもたちの日常を取り戻していくためにも、そして、その姿勢を示すためにも、富山市で取り組まれているような学校における「新型コロナウイルス感染症対策検討会議」を本市においても立ち上げるべきだと考えますがいかがでしょうか?