HOMEへ
まつお正秀の一般質問
2021年06月28日

コロナ対策において


 ただいまより日本共産党西宮市会議員団を代表して、私、まつお正秀が一般質問を行います.傍聴の皆様ありがとうございます。
 今回の質問は大項目として新型コロナウイルス対策についてで、小項目の4つに分けて質問いたします。

 まず前置きになりますが、昨年来から続いている新型コロナウイルの感染は、今年に入ってからも2度の緊急事態宣言が出されるなど、その影響は1年半にもなろうとしています。昨年末にはイギリス株、次いで南アフリカ型やブラジル型、最近ではインド型の変異ウイルスが確認され、国内でもその影響が広がっています。特にインド型は通常型の2倍以上の感染力をもち、重症化もするといわれており、こうした変異ウイルスの動向などをいち早くつかんで対応することが求められています。世界ではアメリカやイスラエルなど、ワクチンの接種が進んだところでは通常の生活を取り戻しつつある国もありますが、日本においてはワクチン接種の遅れが顕著となっています。

 日本ではこの対策において、政府が科学を無視した対応を行ってきたこと、例えばPCR検査の抑制、一方で終息して行うとしていたGOTOキャンペーンの前倒しでの実施など、やるべきことをやらずにやらないでいいことをやってきたことが、現在の深刻な状況を招いています。このことは人口比におけるPCR検査数が世界140位、ワクチン接種数は世界111位という数字にも表れています。

 6月21日に3回目の緊急事態宣言は沖縄を除いて解除されましたが、解除された7都府県では引き続いて蔓延防止等重点措置を行うなど、まだまだ予断を許さない状況が続いています。

 そうした中で国民の多くが中止や延期を求めている東京オリンピック・パラリンピックをあくまで開催しようとする政府に対し、日本共産党は
一つ目に、ワクチン接種が間に合わないこと
二つ目に、国による感染状況の違いやワクチンの接種率の違いなど、まともな練習ができない、あるいは予選会が開けないなど、選手にとってフェアな大会にならないこと
三つ目に、大会選手で15000人、マスコミも含めたその関係者で78000人が来日するといわれているなかで、そこに医療従事者を現場から引き離して動員することになれば、さらなる医療ひっ迫状況を招くこと
以上の3点から中止を求めています。

 それでもオリンピックを開催するという菅政権に対して、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長が、「普通であれば開催はあり得ない」と発言しました。また、公衆衛生学の専門家として世界保健機関(WHO)事務局長上級顧問を務めた渋谷健司医師は、東京新聞の取材に対し「オリンピックはできる状況にない」という認識を示しています。政府が専門家の意見も聞かず、多くの国民の反対の声にも耳を貸そうともせずに強行しようとしていることは、言語道断だといわざるを得ません。

 コロナ対策において、根本的には国が感染抑え込みの戦略を持たず、ワクチン頼みになっているうえに、国民に犠牲を強いる形で乗り切れるという、精神論に陥っているところが最も大きな問題です。また、自粛を求めるのであれば補償と一体で行い、コロナによる廃業や倒産をさせない、そして国民の命と暮らしを守るという立場に立つことが政府には求められています。

 ただ、そうした中でも自治体として何ができるのか、以下、4つの小項目に分けて質問を行います。

まず一つ目の小項目は、西宮市での感染状況についてです。

 現在は第4波といわれていますが、昨年秋から第3波が北海道などから広がりだし、西宮市でも年末から1月にかけて感染者が急増して、クラスターも多く発生しました。1月8日から3回目となる緊急事態宣言が出され、3月21日にはすべての都道府県で解除されますが、その後また感染が再拡大していきます。それまで兵庫県は、陽性者についてはすべて入院、あるいは宿泊療養施設への入所という方針でしたが、それができずに4月10日に無症状者や軽症者については介護施設や自宅での療養へと方針を見直しました。その後1,000人を超える方々が自宅療養となり、重症病床がほぼ満床、軽症中等症病床で重症者の治療が行われ、さらには、一般診療も制限されるなど、まさに医療現場も「緊急事態」となったのです。大阪では救急車が搬送先病院を探すも見つからず、47時間救急車で待機するという報道もありましたが、兵庫県でも、そして西宮市でも同じような状態になっていたのです。

 そこで質問です

 1点目、5月29日の神戸新聞では、西宮市保健所の状況を報じています。記事には「患者が求める医療を提供できない事態は、災害と呼ぶしかない」との職員の声が載っています。大変だったというのは想像がつくわけですが、我々にはその実態というのはリアルにはわかりません。かいつまんでその概要をお聞かせください。

 2点目、5月28日に開催された西宮市第105回新型コロナウイルス感染症対策本部会議では「間違いなく第5波が来る」と断言されています。また、「これまでの苦い経験を生かして第5波に備えたい」ともあります。第5波が来る根拠とともに、これまでの教訓や課題について、現時点でお答えできる範囲でお聞かせください。


二つ目の小項目はPCR検査をはじめとしたウイルス検査の拡充についてです。

 感染の広がりを防いで抑え込むためにも、どこで、どのような感染が起きているのか、あるいはどのように広がっているのかをつかみ対策をとることが重要です。我が党はそのためにもPCR検査を幅広く行うことを昨年来一貫して求めてきており、野口議員が昨年6月議会と12月議会の一般質問で、この3月議会でも代表質問で取り上げてきました。各自治体でもその認識に立ったところでは、市や区レベルでは東京世田谷区や墨田区、函館市などが取り組み、県レベルでは広島県、特に広島市では街中で検査キットを配りました。また、鳥取県なども先進的に看護事業者などの検査を積極的に取り組んできました。最近では茨城県筑西市では全市民を対象にPCR検査を行う方向を示しており、検査の重要性はいささかも変わっておりません。
 国も昨年11月には社会的検査の必要性を認め、今年2月には高齢者施設での社会的検査を行うような通知を出しました。西宮市では高齢者施設以外に障がい者施設職員などに対するPCR検査を行い公費負担する仕組みをつくり、施設の意向を聞いたうえで検査が取り組まれています。

 そこで質問です。

 1点目、介護施設や障がい者施設などの社会的検査が事業所の希望に基づいて現在行われていますが、その検査の状況について伺います。
 2点目、特にイギリス型ウイルスによる影響と考えられる10歳以下のクラスターも最近は発生しています。保育所では職員が子どもに感染させる可能性もあることから、定期的な検査を求める声があります。学童保育や保育所職員などへの社会的検査を行うべきと考えますが見解を伺います。
 3点目、先ほど紹介したように、自治体によっては早くから市民に幅広く検査を行っている自治体があり、全市民対象に取り組もうとしている自治体もあります。本市でも幅広い検査を行うべきと思いますが考えを伺います。
 4点目、高砂市が、身近な人が感染し、濃厚接触者ではないが職場などから陰性証明を求められる場合があり、その必要性からPCR検査を行った場合に半額補助をするという報道がありました。本市でも行う考えはないか伺います。


三つ目の小項目はワクチン接種についてです。

 感染抑え込みに有効とされるワクチンが政府によって確保され、医療関係者は優先的に摂取が行われ、一般の方については4月末頃から接種や接種予約が各地で行われています。
 今回主に接種されるファイザー社のワクチンはマイナス75度での管理という事で取り扱いが大変難しいことに加え、政府から、いつ、どのくらいの量が各自治体に届くのかが国民には分かりづらく、その不安が各地で予約の混乱を招いたといっても過言ではないと思います。また、自治体がワクチンの入荷量に合わせて接種の準備を進めていた中で、菅首相が4月30日に65歳以上の7月末までの接種を打ち出したため、このことも混乱を招く大きな要因になりました。本市の5月12日からのWEBの一次予約は開始後8分で終了、市政ニュースの一覧表に書かれた医療機関に電話してもそもそもつながらない、つながってもいつになるかわからない、受診歴がないとダメ、受診歴があっても1か月以内でないとだめ、さらに電話がつながらなくて翌日に朝4時から並んで予約をとったという方もおられました。一方で予約開始日である5月12日の3日前から予約をとっていた医療機関もあり、こうしたバラバラの対応も市民に不安を与えました。この一連の混乱に対し、5月25日号の市政ニュースには石井市長の謝罪分も掲載されました。

 5月31日からの2次予約についてはより高齢順からにするなどの改善が行われましたが、それでも電話がつながらない状況はあまり変わりませんでした。 
 一般の方については各自治体の取り組みとしてはまず65歳以上、その後65歳未満について行われますが、65歳以上でも年齢を区切って順次接種を行ったところもありますが、西宮市の場合は65歳以上を一斉に行いました。本市ではほぼ65歳以上の予約のめどはつきつつあり、この間の反省を踏まえた今後の予約内容が載った6月25日号市政ニュースがすでに配布されているところです。

 そこで質問です。

 1点目、122000人といわれる65歳以上の対象者に、限られたワクチンの予約してもらうのに混乱するのは必至だったと考えますが、一斉に行った理由。また、1次から3次予約までの教訓について伺います。
 2点目、介護施設に入所されていないが、自宅で寝たきりとかで出かけられない人たちがおられると思います。こうした人たちへのワクチン接種はどうなっているのか伺います。
 3点目、視力者障がい者の方には点字での封筒は届きましたが、中身は普通の文書だったとのことでした。視力障がい者は中身の確認や予診票の記入、あるいは接種日には付き添いの確保などのフォローが必要だと思いますが、どのような体制がとられたのか伺います。
 4点目、ワクチンにおける国会の付帯決議では、あくまで接種は任意であり、強制や差別があってはいけないことが強調されています。職域での集団接種も行うことができるようになりましたが。接種の強制や摂取しない人への差別的扱いなどが懸念されます。実際に神戸市では看護師が接種を拒否したことで自己都合退職を迫られた事例があります。市政ニュースには強制でなく本人の判断であることは書いてありますが、そのことをもっと強調して徹底すべきと思いますが、見解を伺います。


四つ目の小項目は事業者と市民生活支援についてです。

 先日、内閣府が6月8日に発表した2021年1〜3月期のGDP(国内総生産)は年率換算では前年比3,9%の下落となり、下落幅は2008年度のリーマンショック時を超えて戦後最悪となりました。その大きな要因はGDPの半分以上を占める個人消費の落ち込みであり、その影響は特に飲食業や宿泊、旅行業などに集中的に表れていますが、自粛による外出減によって幅広い分野に影響が及び、同時にそれは解雇や雇止めなどで職を失う人たちが増えることにつながり、結果的に景気の悪化へと結びついています。家賃が払えずに住宅を失う恐れのある人に支給する住宅確保給付金制度は以前からありましたが、この申請がこの3月までの2020年度において、前年度比34倍という数字や、生活保護申請者数がリーマンショック後以来の増加という報道は、コロナウイルスによる現在の深刻さを表しています、国は昨年4月の緊急事態宣言の時には、国民に自粛を求めることから1人10万円の臨時定額給付金を支給しました。また、事業者に対する持続化給付金、店舗などへの家賃支援、また、雇用調整助成金、生活困窮者への対策として無利子無担保の融資、ひとり親世帯などへの支援なども行われましたが。長引くコロナの影響によって、一度きりではない支援を求める声が広がっており、この対策における国の責任はとても重いと思います。
 そうした中でも西宮市独自の事業者支援もいくつか行われました。特に昨年4月の第二次緊急経済対策として、市独自の家賃賃料支援を行われ好評でした。今年の3月議会では休業や時間短縮の飲食店とは別に、コロナの影響を受けた事業者などへの国の支援金の対象では前年比50%以上マイナスですが、それに当てはまらない事業者に基準を緩和し、対象も広げて一律10万円の支給の補正予算が組まれ現在も受け付けが行われています。この一時支援金については、今年1月に発せられた2回目の緊急事態宣言が対象です。その後3回目の緊急事態宣言が発せられ、さらにそれに対する支援も必要だという立場で、再度一次支援金を求める質問を行う予定でしたが、昨日脇田議員が同様の質問を行われましたので、この件の質問は取りやめ、後ほど意見要望を述べさせていただくことにします。

 そこでこの項目では市民の暮らし応援についてのみ質問を行います。
 コロナウイルスの影響は様々な分野に広がり、集まって食事をする子ども食堂では困窮世帯に弁当を配る、バイトがなくなり食費を減らさざるを得ない学生たちにフードバンク商品の提供、生理用品を買えない女性たちに無償配布など、ボランティアなどによる様々な支援が行われています、それを後押しする自治体も生まれています。特に女性の貧困は顕著で、自殺が増え、ステイホームによってDVの増加、またそのことも関連する場合もあると思いますが、生理用品を買えない女性の問題も取り上げられるようになっています。こうした状況を踏まえ、200を超える自治体で生理用品の無償配布が行われ、本市でも一度取り組まれました。もう一つの角度からはすべての国民を対象とした国の支援策では臨時定額給付金があると思いますが、西宮市では水道基本料金の4か月分減免を行いましたが、これも全市民対象という位置づけだったと思います。コロナウイルスによる影響の長期化の中で、今年に入ってからはそうした幅広い人を対象にした支援が行われていないと思います。

 そこで質問です。

 1点目、生理用品については多くの自治体で無償配布を行い、本市でも1度取り組まれました。明石市では定期的に配布していると聞いていますが、本市でも今後継続的に取り組む考えはないか伺います。
 2点目、すべての世帯を対象にした支援策として、昨年行った水道基本料金の減免を再度行うべきと思いますが見解を伺います。

 以上で壇上からの質問を終えまして、ご答弁によりまして、再質問を行いますとともに、意見要望などを対面質問席から述べさせていただきます。
 ありがとうございました。