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佐藤みち子の一般質問
2021年09月06日

新型コロナウイルス感染症について


 新型コロナウイルス感染症(以下コロナという)は東京五輪をきっかけに東京都を中心に全国に急拡大し、感染が爆発的に拡大しました。各地で医療がひっ迫し、医療崩壊が始まりました。このような状況は、菅政権による失政がもたらした深刻な人災であり、その責任はきわめて重いと言わざるを得ません。
 
 安倍・菅政権によるこれまでの1年半のコロナ対応には「三つの致命的欠陥」があります。第一は、科学を無視する政治姿勢です。第二は、国民に説明せず、聞く耳を持たず、もっぱら強権に頼ることです。第三は、コロナ対策にまで「自己責任」論を持ち込んだことです。これら三つの致命的欠陥の最悪のあらわれが、7月23日からの東京五輪の強行です。

 五輪期間中、新規感染者数は急激に増加し必要な患者が入院できない深刻な状況を引き起こしました。緊急事態宣言下での五輪が感染抑止に完全に逆行し、国民の命の危機を加速させたことは疑う余地がありません。緊急事態宣言下の五輪については、感染リスクを高めるとの専門家の警告や「五輪よりも命」と中止を求める世論に背を向け、開催に突き進んだ菅政権、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)などの責任は極めて重大です。
 開会日に東京都と沖縄県に出されていた緊急事態宣言は、その後も全国に拡大され、現在21都道府県に9月12日まで発出されています。
 
 政府は8月2日、急増するコロナ感染者の入院対象を重症者などに限定し、それ以外は「原則自宅療養」を基本とする方針転換を専門家の意見も聞かず、決定しました。この無責任な方針転換に、国民の怒りと批判が集中しました。慌てた厚生労働省は8月5日自治体向けに通知を出し、入院治療の対象に酸素投与が必要な患者らを加えたものの、中等症を含め入院を制限する方針を変えていません。デルタ株では無症状者や軽症者も短期間で悪化するケースもあるとされます。自覚症状が顕著に表れなくても病状が進行している場合もあります。安心して自宅療養できる仕組みを万全に整えないまま、このような方針を持ち出すのはあまりにも無責任であり、これでは国民の命と安全は守れません。
 去る、8月19日、日本共産党は、「コロナから命を守るための緊急提案」を発表しました。「原則自宅療養」の方針を公式に撤回し、@症状に応じて必要な医療をすべての患者に提供することを大原則にし、政府が責任をもって、医療機能を強化した宿泊療養施設や臨時の医療施設などを、大規模に増設・確保すること。入院病床をさらに確保すること、在宅患者への往診や訪問看護など在宅医療を支える体制を抜本的に強化すること。政府が責任をもって医師・看護師を確保することやすべての医療機関を対象に減収補填と財政支援にふみきり、安心してコロナ診療にあたれるようにすること。A感染伝播の鎖を絶つための検査を「いつでも、誰でも、何度でも」の立場で、従来の枠にとらわれず大胆かつ大規模に行う。感染拡大が顕著になっている事業所、学校、保育園、学童保育等に対する大規模検査を政府が主導して実行する。Bパラリンピックを中止し命を守る対策に力を集中する。これら3点を菅首相あてに届けました。
 ところが、9月3日、菅首相の政権投げ出しという事態になりました。コロナ対策の無為無策、法律無視の強権政治、「政治とカネ」をめぐる腐敗政治にたいし、「こんな政治はもうがまんならない」という国民の世論と運動に追い詰められた結果だと思います。

 さて、五輪期間中の本市の新たな感染者の状況を週ごとに見ると、五輪前は97人、五輪が開会した1週目は210人で前の週の2倍以上になりました。2週目は420人、3週目483人と感染拡大が続きました。特に、8月13日〜19日の週は870人で8月18日には新規感染者151人と過去最高になり同日、兵庫県でも初めて1000人を超える感染者が出ました。

 振り返ってみると、第4波までの感染者は圧倒的に高齢者でしたが現在の第5波は、50代以下の感染者が増え、10歳未満の感染者も確認されています。若い人の感染が増えていますが、この理由として、65歳以上の人は、2回のワクチン接種が進み一定の効力があるとされているからです。しかし、全国ではワクチンを2回接種したのに感染している人や再度コロナに感染する人もいて予断を許さない状況です。

 さらに、学童保育、認定こども園、保育所等で子どもの感染が確認され、子どもから家族に感染し一家中が感染することも全国で起きており、深刻な実態が報道されています。
 東京都内では感染した親子3人が自宅で療養中、40代の母親が死亡しました。また、千葉県ではコロナに感染した妊婦の入院先が見つからず自宅で出血し出産しましたが、搬送先が見つからず赤ちゃんが亡くなるなど悲惨な例が相次いでいます。このように自宅療養中の深刻な事態が、全国各地で起きています。

 他市の事例からもコロナはいつ重症化するかわからず、自宅療養は無理です。本市も他人ごとではありません。福井県では自宅療養を防ぐために、臨時の医療施設を100床設置しています。県では1237床あるコロナ対応病床を9月上旬にも、阪神・神戸間を中心に30〜40床程度新たに確保することや中等症患者が重症化するのを防ぐ宿泊療養施設を2カ所追加し14施設2000室で運用する方針を明らかにしました。安心して療養できる環境を早急に作ってほしいと思います。

 市長は8月19日市民へのメッセージで、「外出の機会を半分にする。飲食店の利用を控える。基本的な感染対策を徹底する」と述べましたが、もはや、市民へのお願いだけでは感染を止めることはできません。PCR検査の拡大等、科学に基づく対策が必要です。


質問
1、第5波は本市でも、50代以下や10歳未満の子どもにも感染が広がり、感染者が拡大しています。国は「原則自宅療養」に方針転換しました。本市でも9月5日現在、自宅療養、入院調整の人が合わせて476人もいます。重症化し、自宅で亡くなることは絶対にあってはなりません。医師の往診、訪問看護、保健所との連絡体制等、どのようになっているのか。

2、「新型コロナウイルス感染症対応検証報告」によると、第5波の備えとして過去の経験を生かし、これまで以上の感染者が発生することを想定し、業務内容の整理や患者情報を一元管理できるシステムの導入による業務の効率化、自宅療養者等への対応をより円滑に行うための体制構築など、感染拡大期の到来が予測される段階で、新型コロナ対応経験のある職員を迅速に保健所に配置する仕組みをつくると書かれています。報告書通りの仕組みができたのか。

3、認定こども園や学童保育でクラスターが発生しました。以前、保育園の保育士が感染した際に、保護者から子どもにもPCR検査を実施してほしいと言われたが、保健所では濃厚接触者しか認めず、保育園が自費で職員や子どもにPCR検査を実施したと聞いています。無症状の感染者もいるので学校や保育所等でコロナ感染者が発生すれば、濃厚接触者以外もPCR検査を実施すべきではないか。

4、デルタ株は感染力が強く日本環境感染学会、日本感染症学会は連名で、ひとりが7人〜8人にうつすと指摘しています。8月末から、子どもの感染が増えてきています。
学校、保育所、学童保育等は、子ども同士がくっつき、じゃれ合って遊び、密をさけることができません。また、2歳以下の子どもはマスクをすることが、むしろ危険とされています。子ども関連の施設で定期的にPCR検査を実施すべきではないか。

5、もはや外出の自粛だけでは感染をとめることはできません。家庭や職場でも感染が広がり、クラスターが発生しています。日本共産党市議団は、市に対して「いつでも どこでも何度でも」PCR検査を実施し、無症状者を見つけ保護、隔離し感染を押さえることが重要だと申し入れをしてきました。市の考えを聞く。