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まつお正秀の反対討論
2021年09月16日

西宮市個人情報保護条例の一部を改正する条例制定の件(379号)


 ただいま上程中の議案第379号西宮市個人情報保護条例の一部を改正する条例制定の件、ならびに議案第380号西宮市個人番号を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例制定の件の両議案について、日本共産党西宮市会議員団は反対いたします。以下理由を述べます。
 まず、議案第379号西宮市個人情報保護条例の一部を改正する条例制定の件ですが、当局の説明によりますと、国のデジタル庁設置法の施行によって、情報提供ネットワークシステムの設置・管理者が総務大臣から内閣総理大臣に変更されたことによる文言修正、また、番号法の改正による条ずれの解消、さらに、デジタル関連法にかかわる「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」以下デジタル社会形成整備法と呼びますが、この法施行に伴い、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律が廃止されるために文言修正を行うというものでした。
 一見、国の法改正あるいは法の廃止に伴う文言修正や条ずれの解消だから大したことはなさそうに思えますが、元々、その発端となったデジタル改革関連法、これは6つの法案から成り立っており、その中の一つが先ほど紹介した、「デジタル社会形成整備法」であり、その中に含まれる個人情報保護法の改正そのものが、国民を監視するためのマイナンバー制度と一体のものであり、国民のプライバシーなどに関しても重大な影響を与えるものであることから看過することができません。特に個人情報保護法について当局からは、今回の条例改正で個人情報保護の緩和が行われるものではないとの説明がありましたが、今後2年の間に国基準にあわせるような法改正を施行するための政令が出される予定となっています。具体例を一つ上げれば、従来から国制度にあった匿名加工情報に加え、新たに仮名加工情報(仮の名前という字を書きます)といわれる仕組みが加わり、個人情報識別の基準が緩和されることなどが改正法に盛り込まれており、2000個問題といわれるように、2000近い自治体ごとに違う個人情報保護の在り方を、規制の緩い国基準に合わせるという問題も指摘されています。また仮に匿名加工されたとしても、いくつかの情報を組み合わせることによって、プロファイリングによる個人が特定化だけでなく、個人の信用情報等がランキングされることも問題視されており、こうした問題だらけのデジタル改革関連法の具体化となることから、この条例案に反対するものです。