HOMEへ
まつお正秀の反対討論
2021年09月16日

西宮市個人番号を利用する事務等を定める条例の一部を改訂する条例制定の件(380号)


 続いて議案第380号ですが、こちらも先ほどの国の「デジタル社会形成整備法」の改正において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼす災害や感染症の発生した場合の支給、あるいは経済事情の急激な変動により影響を緩和するために支給される、いわゆる特定公的給付を行うために、番号法に基づく個人番号、すなわちマイナンバーを利用するという性格の議案です。今回の条例案の内容についてはマイナンバーカードとは直接関係はなく、様々な給付金などの申請や支給において、その準備をするためのものだという説明が当局からありました。特に昨年、コロナウイルス関連の様々な給付金などにおける申請でのトラブル、あるいはお金がなかなか振り込まれないなども顕在化しましたが、国はこうした手続きをスムーズに行うためだとしています。しかし、昨年の混乱は、国民が必要性をあまり感じていないがためにカード普及率二割弱という状況で、当時の安倍内閣がオンライン申請を推奨したことからマイナンバーカード発行申請が一時的に集中して多くの時間がかかったこと、また、持っている人は普段カードを使わないために暗証番号を忘れて再度入力するなどが大きな要因でした。国は今回の申請や支給の遅れやトラブルを逆手にとって、マイナンバーの利用拡大やマイナンバーカードの普及をもくろんでいるのです。
 このことは現在自民党総裁選立候補予定の高市早苗氏が昨年総務大臣の時に、「すべての国民に、行政から様々な給付を受けるために利用する一生ものの口座情報を1口座のみ、マイナンバーを付番し、できれば義務化させていただきたい」と述べていることからも明らかです。
 今回の議案は政府が躍起になって進めようとしても普及せず、情報漏えいやなりすましなどの恐れがあるマイナンバーカード普及と一体の議案であり、もともと我が党は国民総背番号制によって国民を監視しようとするマイナンバー制度に反対であることから、議案380号に反対するものです。
 以上両議案への反対討論とします。