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野口あけみの一般質問
2021年12月03日

介護保険料滞納について


 ただいまより、日本共産党西宮市会議員団を代表して、私、野口あけみが一般質問を行います。
 傍聴にお越しのみなさん、ありがとうございます。

1,介護保険料滞納について
 今年3月議会、わが党の佐藤議員が一般質問で介護保険制度について取り上げました。4月から3年間の第8期介護保険事業計画についてと、制度開始から20年を経過した介護保険制度で「介護の社会化は達成できたのか」という観点での質問です。この質問で明らかになったのが、「保険あって介護なし」と指摘をされている次のような実態です。
 まず、高齢者の負担の問題。本市では第8期の第1号被保険者、65歳以上高齢者の介護保険料は据え置きとなったものの、この20年、保険料負担は増加の一途をたどっています。本市では、基準額が2934円から、5600円へ、1.9倍です。利用料についても1割負担から、所得によって2割負担3割負担が加わり、さらに利用料負担が高額となった場合に上限を超えた額が支給される高額介護サービス費の自己負担上限額の引き上げや、施設入所の際の居住費食費負担の限度額引き上げなど、利用についての負担増も相次いでいます。  
 一方、給付はどうか。要支援1、2の方のサービスは保険給付から除外され総合事業に移行しました。次は、要介護1、2も保険給付から外されることが狙われています。在宅ヘルパーの介護時間は90分、60分から、45分、20分へと短縮されサービスが圧縮されています。また、特別養護老人ホームの入所要件は要介護3以上と厳しくされながらも、制度改変の意図に反して待機者は常時1000人を超えていることに象徴されるように、高齢者の施設は不足しています。「負担は増えるが、給付は減る」これが、「保険あって介護なし」といわれるゆえんです。
 さらに、介護の問題では、現場の人材不足も大きな問題です。厳しい労働環境と低処遇が、コロナ禍でさらに深刻になっています。この度岸田政権は、月4000円〜9000円の賃上げ方針を示しましたが、現場からは「一桁足りない」との声が上がっています。
 佐藤議員の一般質問で、この20年間の介護保険について保険者としてどう評価するか、と問われ、副市長は、「介護が必要な高齢者の生活の支えとして定着・発展し、なくてはならない仕組みになっている」としつつも、「サービスの多様化によって制度が複雑化し、サービス量の増大で高齢者世代の負担も増えている」「特養整備や人材確保が課題」などと答弁されましたが、私たちの問題意識と一定一致する点もある、と感じたところです。

 さて、本日の私の質問では、65歳以上の高齢者、第1号被保険者の介護保険料、特に滞納についてとりあげます。(以下、介護保険料という際には、第1号被保険者の保険料をさします。)
 11月7日付読売新聞、および、11月9日付しんぶん赤旗に次のような記事がありました。しんぶん赤旗から抜粋して紹介します。

 「介護保険料の滞納によって預貯金などの財産を差し押さえられた65歳以上の人が、2019年度は2万1578人で過去最多を更新したことが厚生労働省の調査で分かりました。2万人を超えたのは初めてです。
 65歳以上の人が支払う介護保険料は、年金を年18万円以上受給している場合、年金から強制的に天引きされます。一方、無年金や同18万円未満という低所得層の人は自ら金融機関などで納める必要があり、滞納するケースが生じています。
 19年度に差し押さえをおこなったのは、市区町村など全国1571保険者のうち4割の661保険者。差し押さえを受けた2万1578人は18年度より2609人増でした。
 差し押さえのほか、保険給付の制限処分を受けた人は、計1万3883人でした。そのうち原則1割負担の介護サービス利用料をいったん全額自己負担にして、あとから払い戻しさせる「償還払い」となったのは2591人。払い戻しの「一時差し止め」は56人。自己負担を3割(一定所得以上は4割)に引き上げる「給付の減額等」が1万1236人となり、厳しいペナルティー(罰則)を強いられています。」

 ご承知の通り、介護保険料は介護保険給付費等にかかる費用をもとに、基準額を決め、本市では所得区分等で14段階に分かれています。(資料をご参照ください)
 納め方は、制度創設以来、原則年金からの天引きとなっています。記事にもあった通り、年に18万円以上、月では1万5千円以上の年金があるとそこから天引きされます。これを特別徴収といいます。
 年金額が年18万円未満などの高齢者は、納付書もしくは口座振替によって納付する普通徴収となります。特別徴収は収納率100%ですので、介護保険料の滞納は、普通徴収対象の方の問題です。決算資料によりますと、2020年度(令和2年度)の収納率は、全体で、99.6%。特別徴収100%、普通徴収で95.6%となっています。


質問です。
@まず、本市の特別徴収と普通徴収の人数、割合を聞かせてください。
A普通徴収は、年金18万円未満の高齢者以外にもあると聞いていますが、その内容と、そのうち、年金18万円未満の方の人数についてお聞きします。
B次に、介護保険料の滞納状況、実態と、納付相談や滞納処分(差し押さえ)など、どのように対応されているか。
C先ほどご紹介した記事にある通り、差し押さえを実施している保険者(自治体)は4割です。6割はしていません。滞納は年金天引きをしていない年額18万円未満などの高齢者であり、税や国保料など各種料金における滞納とは、明らかに違うと考えます。やめるべきではないか。見解をおききします。
D介護保険料の滞納で保険給付を制限する処分について、3段階あるようですが、その内容と本市での状況を聞かせてください。