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まつお正秀の反対討論
2021年12月16日

議案第402号西宮市記号式投票に関する条例制定について


 ただいま上程中の諸議案のうち、議案第402号西宮市記号式投票に関する条例制定の件、議案第406号 西宮市個人番号を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例制定の件、議案第415号令和3年度西宮市一般会計補正予算(第10号)、議案第429号 指定管理者指定の件(西宮市立香櫨園留守家庭児童育成センター)、議案第430号 指定管理者指定の件(西宮市立上ケ原南留守家庭児童育成センター ほか1施設)、議案第431号 指定管理者指定の件(西宮市立鳴尾留守家庭児童育成センター)、議案第434号 指定管理者指定の件(西宮市立香櫨園地域子育て支援施設)についての、以上7件について日本共産党西宮市会議員団は反対します。そのうち、私からは議案第402号と議案第415号令和3年度補正予算(第10号)についての討論を行います。

 まず、議案第402号ですが、この条例案は来年3月に行われる西宮市長選挙、並びに市議補欠選挙から、現在名前を書いて投票を行う自書式から、あらかじめ投票用紙に書かれた立候補者名の上に空欄を設け、投票したい人に、〇印をつける記号式に変更するものです。市長選挙、並びに市議補欠選挙のみにおいて行う一方、市議会議員選挙では行わないません。また、国政選挙においても認められておりません。
 当局からは、手などが不自由な方が書きやすくなる、あるいは書き間違いがなくなるなどのメリットが説明されましたが、無効票は書き間違いだけでなく6割は白票であるということ。インターネット情報では記号式の投票でも記号が枠をまたがるなどの間違いも発生し、記号式よりも自書式の方が、判別がつきにくいものをより丁寧に仕分けられるという情報も出てきます。さらに、現在2割以上が期日前投票をされていますが、こちらは立候補受付の翌日から行われるため印刷が間に合わずに自書式となり、開票の時には自書式と記号式が混在することで事務作業の手間が増えます。
 現に今年10月に行われた神戸市長選挙において、北区の開票所では、市長選で当日と期日前の2種類の投票用紙を分けて作業したため、手間取って開票が遅れる要因になったという報道もありました。今後、期日前投票がさらに増えていく可能性を考えればデメリットの側面がより強まるのではないかと思います。全国的にみてもこの15年間で記号式を導入した286自治体の2割が自書式に戻しており、私はその中の広島県安芸高田市、山口県宇部市、長野県飯田市の選挙管理委員会に電話して聞きましたが、市長選だけやると有権者が混乱する、あるいは選挙事務の負担が増えるということが主な理由でした。
 委員会質疑において、これまで印刷ミスがわかった場合に刷り直しが間に合わずに選挙が無効になった例について聞きましたが、今のところ全国的にないという答弁がありました。しかし、その可能性はぬぐえず、候補者が選挙期間中に死亡するなど不測の事態も想定されます。神戸市長選挙の場合は政令市のため選挙期間は10日間ですが、本市は7日間、さらに町村ではもっと短くなります。こうした不測事態への対応や、いったん導入しながらやめている自治体が2割にも及んでいることから、メリットを感じることができません。
 以上が反対理由です。