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2022年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:都市局
2021年08月31日

  1. 「開発事業等におけるまちづくりに関する条例」第21条では、事業主に対し当該事業の一定の周辺住民に、事業計画等について説明と協議を行うことを義務づけており、また、「当該計画について紛争の生じることのないよう努め」ることを求めている。しかし、住民の意見は反映されず、協議が十分尽くされないまま開発が進んでいく例が多い。住民の意見が反映される仕組み、協議の在り方について研究、検討すること。

  2. 卸売市場再整備を含むJR西宮駅南西地区市街地再開発事業は、民間35階建てマンション建設を中心とした計画の結果、公費投入が最小限に抑えられ、取り組まれる見込みとなっている。引き続き、景観、緑化等に配慮したものとなるよう、再開発組合と連携して進めること。
    また、市街地再開発で残らない、残れない権利者には、意向に沿った権利保障を行うこと。

  3. 旧耐震基準の住宅について、耐震性の簡易診断、あるいは設計や工事に対する補助制度があるが、利用者は少ない状況である。市の補助金を増額するとともに、県や国にも増額を求めること。

  4. 西宮市内は民間賃貸住宅家賃が高く、青年や高齢者などが部屋を借りにくい現状がある。また、新型コロナウイルスの影響等による収入減で家賃を払えない人に対し、住宅確保給付金制度があるが期間限定であることから、市として賃貸住宅家賃補助制度を創設すること。

  5. にしのみや住宅マスタープラン2021-2030では、空き家増加対策やマンション管理不全対策、低所得者や高齢者、障害者などの住宅確保要配慮者に対する支援強化などの重点課題を掲げ、とりくむとしている。いずれも重要な課題であり、とりくみが進むよう尽力すること。特に住宅確保要配慮者対策は、庁内関係各課や関係団体等と居住支援協議会を設置し、相談や支援を行うことを目指しており、早急な設置と有効な対策を実施すること。

  6. UR(都市再生機構)の家賃については、その公共的使命から機構法25条4項に「既定の家賃の支払いが困難なものには減免することができる」と規定されている。しかし、減免の基準が示されておらず、窓口なども不明確である。URに対し、減免の基準や、窓口の設置、減免申請書の様式など、減免についての規則等を制定するよう市としてUR等に働きかけること。

  7. 市営住宅について、次のことにとりくむこと
    (1)市は、「西宮市営住宅整備・管理計画」の中間見直しにおいて、市営住宅を2021年までに9,000戸にした上で、その後さらに第2次建替え計画完了時の2030年にはストックを全体として8,300戸にするとしている。また、その後の長期将来計画では7,000戸を目標とするという議会答弁もあった。貧困と格差が広がる中で住宅困窮者は今後さらに増えることが想定される。市営住宅削減計画は撤回し、市営住宅を増設して市民の期待にこたえること。
    (2)市営住宅の管理全般は、全市一指定管理者で行っている。市営住宅入居者は高齢単身者が多数を占め、福祉的な対応が求められるが、指定管理者では入居者の様々な要求や相談に十分な対応ができていない。市営住宅の管理は市直営に戻すこと。
    (3)市営住宅の公募に関しては倍率が非常に高い住宅があり、何回申し込んでも当選しないという声を多く聞く。多回数の落選者は住宅困窮度が高いと判断されることから、優先制度を復活させること。
    (4)市営住宅の公募は、新規申し込みは年3回、住み替えが年3回だが、県営住宅は毎月1回行っている。市でも県と同様の頻度で行うこと。
    (5)階段型市営住宅へのエレベーター設置は、住民の4分の3の合意でできるように緩和されたが、市が積極的にかかわって早急に設置すること。
    (6)家賃や共益費については、福祉的な観点からも、公平性の観点からも、改良住宅と一般市営住宅で統一するよう検討すること。また、市は入居者間で不公平感の解消を掲げているにもかかわらず、一般市営住宅と改良住宅での住宅改修の基準の違いも一部残されており、同一基準とすること。
    (7)改良住宅の空き家については一般市営住宅並み家賃で募集するようになった。しかし、共益費については徴収せず、一般市営住宅との間で、異なる取り扱いとなっている。今後の建て替えを進める中で改良住宅の在り方を抜本的に整備すること。
    (8)名義の承継について、「同居人である配偶者および高齢者、障害者等で特に居住の安定を図る必要があるものに限る」との国土交通省の通知があるが、これは運用次第で入居者の追い出しにつながり、新たな住宅困窮者を生み出すことになる。引き続き、従来の市の方針を堅持し、慎重かつ柔軟に対応すること。
    (9)市営住宅内の空き駐車場については、時間貸し駐車場としての活用が数ヶ所で行われている。地域の需要や要望等も調査し、空き駐車場の有効活用について検討すること。