佐藤みち子の反対討論

　この条例案は、他の医療機関から紹介状なしで中央病院を初めて受診、または再診した際に徴収する料金を改定、値上げするものです。当局の説明によりますと、その際に一定の点数を保険給付範囲から控除することになっており、患者負担の増加は緩和されるとのことでしたが、いずれにしても、紹介状なしで中央病院を受診する場合の患者負担は増えることになります。

　この制度は、2008年度に「初期の治療は地域のかかりつけ医で、高度・専門医療は病院で行う」という、医療機関の機能分担の推進を目的として導入されました。中央病院では、2002年7月に初診時選定療養費1050円を患者負担としました。その後、2017年7月に近隣病院の状況を見て2600円に上げました。
　さらに、2020年度の診療報酬改定において、一般病床が200床以上の地域医療支援病院は、定められた金額以上の初診時及び再診時の選定療養費を徴収することが義務付けられ、中央病院は、これに該当することから、現在、医科は初診時5000円、再診時は2500円、歯科の場合は、初診時3000円、再診時は1500円の選定療養費となっています。
　今回の条例改正は、2022年度診療報酬改定により、初診、再診の選定療養費の見直しが行われたことによるものです。それにより、中央病院では医科は初診時7000円、再診時は3000円、歯科が初診時は5000円、再診時は1900円の負担増になります。今後も診療報酬改定と同時に、選定療養費の見直しが行われた場合は条例改正するとのことです。

　初期の治療は地域のかかりつけ医で、高度・専門医療は病院で行う病院の機能分担をすすめるという考えについては、判断がつきかねます。ただ、それをすすめるために料金を徴収するやり方は、あたかもペナルティや罰金を科すという発想であり認めることはできません。日本共産党市議団は、必要な医療はすべて保険で給付されるべきと考え、経済的な理由で必要な医療から遠ざけられ、差別医療につながる選定療養費に反対です。

　以上、討論とします。