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安倍元首相の国葬実施に際し、弔意強制を行わないよう求める申し入れ
2022年09月09日

西宮市教育長 重松 司郎 様

 7月22日の閣議で政府は、故安倍晋三氏の「国葬」を9月27日に行うことを決定したが、これには、国民から反対や疑問の声が上がっている。

 国葬を実施する理由について岸田首相は会見で、安倍元首相の在任が最長の8年8カ月にわたったことや、東日本大震災からの復興、戦略的外交の主導などの「さまざまな分野で歴史に残る業績を残した」ことを挙げているが、国民の中でも、安倍元首相の政治的立場や政治姿勢に対する評価については大きく分かれており、報道各社の世論調査でも、「国葬反対」(47.3%、時事通信社8月)、国葬を行うことを「評価しない」(50%、NHK8月)など、「反対」、「評価しない」が多数となっている。

 日本共産党は安倍元首相の国葬について、@憲法14条「法の下の平等」に違反することA憲法19条「思想及び良心に自由」に反し、内心の自由が侵されることB個人の葬儀を国が行う根拠法が存在しないこと、しかも多額の税金を使って個人の葬儀を国が行うことは財政民主主義という観点からも、これを強行することは断じて容認することはできず、中止することを求めていることをこの際申し上げておきたい。

 7月12日に行われた安倍氏の家族葬にあたって、全国でいくつかの教育委員会が弔意を示す半旗の掲揚を学校に求めたと報じられているが、この事態は国葬にあたり、行政や学校などをつうじて市民に弔意が強要され、基本的人権が侵害されるおそれをいだかせるものである。

 先日、市内の婦人団体が市教育委員会に対してこの件において申し入れをなされ、教育委員会は、「学校に対し弔意を表明するための半旗掲揚を強制する考えはありません。また、教職員や児童・生徒の内心を統制する考えはありません」と回答されたと聞いている。

 よって、つぎのことについて申し入れる

 9月6日に行われた9月議会の一般質問において、石井市長は国葬時に半旗を掲げるとの答弁を行いましたが、このことは国民の意見が大きく分かれている中で市をあげて弔意を示すことにつながり認めることができない。学校や幼稚園など、教育委員会所管施設では、さきの婦人団体からの申し入れに対する回答のとおり、半旗掲揚や生徒・児童、関係者などに対し弔意表明の呼びかけを行わないこと。