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2023年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:総務局
2022年09月01日

  1. 国が進める自治体DX推進計画におけるシステム標準化においては、これまで自治体の努力で積み上げられてきた独自施策は後退させず継続させること。

  2. マイナンバーは当初、税と社会保障、災害対策の3分野だけの利用だったものが、さらなる利用拡大を政府があの手この手で推進している。また、マイナポータルを活用したカードの利用拡大は個人情報流失の懸念もある。これらの利用拡大については慎重に判断すること。

  3. 2021年5月に公布されたデジタル関連法により個人情報保護法が改正され、各自治体は個人情報保護条例をいったん廃止し、同施行条例を2023年4月までに定めることになる。個人の情報を有用な情報資源とし、民間事業者にも活用させようとする「デジタル社会形成」や個人情報保護法の改正は問題点が多い。施行条例制定にあたっては、これまでの保護条例の内容を後退させることがないよう取り組みを進めること。

  4. 正規職員数が圧倒的に不足しているため、過労死ラインを超える超過勤務が見られるなど困難が生じている。特に専門性を有する保健所などの部署では育児休職をする職員が多いことを前提にした配置が求められる。適正な職員定数について研究し、増員すること。

  5. 2020年度より非正規公務員の待遇改善を掲げて導入された会計年度任用職員制度だが、正規職員の不足等から、担う役割は大きい。全国で見られるような「雇用への不安」をなくし、文字通り待遇改善を進めること。

  6. 2020年4月に、職員の超過勤務時間の上限を原則として月45時間、年間360時間とする規則改正を行い2023年度より施行とのことだ。ただし、例外として一部部署では月100時間、年720時間と定めている。例外とはいえ月80時間という過労死ラインを超える上限設定は問題であり、また、とりわけコロナ以降は規則に違反する事例、実態が多くあると聞いている。超過勤務解消には、人員増が最大の策と考えるが、その他の対策も含め検討し、実施すること。

  7. 女性の管理職登用率は20%と目標値を定めているものの14.2%となかなか伸びていない。とりわけ、市の意思決定に関わる局長職に女性がいないことは重大である。働きやすい職場環境、労働条件についてさらに現場の声や専門家の意見も聞いて研究し、情勢の管理職登用率向上の努力をいっそう強めること。

  8. 地球温暖化の影響と思われる線状降水帯の発生での洪水災害や土砂崩れ等が全国で毎年のように起きている。本市でもいつ襲われてもおかしくない。ソフト、ハードの両面について随時、災害対応を検証し、市民の命を守るための取り組みを強化すること。

  9. 避難所について
    (1)鳴尾御影線以南の津波避難ビルは、洪水時の避難所としても活用することになっているが、市民には十分知られていない。周知徹底すること。同時に同線以北でも3階以上のビルと協定を結び、洪水の際の避難所とするよう検討すること。
    (2)甲陽園地域をはじめ、現在の避難所の配置や箇所数が適切か検討し、大学や商業施設などの民間の協力も求め、増やす方向でとりくむこと。
    (3)避難所の環境改善は大きな行政課題の一つである。小中学校の体育館へのエアコン整備で一定の前進が見込めるが、避難所の質の向上のための国際基準である「スフィア基準」や、内閣府が策定した避難所運営のガイドライン等に基づいて、さらなる寒暖対策やプライバシーの確保、新型コロナ対策におけるソーシャルディスタンスの確保など、改善を進めること。

  10. 防災スピーカーはやはり聞き取りにくい。市では移設や更新の際に高性能スピーカーに取り換えるとしているが、早期に取り換えること。また、防災スピーカーの平時での活用については、「いざ災害」の際に効果がないのではとの意見も聞く。平時での安易な活用は慎むこと。