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2023年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:市民局
2022年09月01日

  1. 国民健康保険制度について
     国保が高すぎる要因は、国民健康保険会計への国庫負担率を1984年以降減らしてきたことである。市は高すぎる国民健康保険料を引き下げるために2008年度から、負担を軽減するためにそれまで実施していた減免制度に加えて一般会計からの繰入金を財源として特別減免を実施してきた。これは、2020年度より基準総所得金額の世帯合計の20%を超過する保険料が賦課される世帯であったが、19%を超過する世帯にも要件を緩和した。また、2021年度から国保料減免新制度として所得割減免に1億円を繰り入れている。以下のことにとりくむこと。
    (1)減免制度については以下のように拡充すること。
    @所得激減減免の対象を前年所得金額の5割以下から3割以下とすること。
    A2020年度から低所得者の保険料について、所得の19%を超えた分の4分の1
    を減免することにしたが、所得の19%を超えた分については全額減免とする こと。
    B国は2022年度から未就学児の均等割保険料を半額にする。加西市では0歳〜18歳まで全額免除している。残りの半分を市が負担し、全額免除にすること。
    (2)新型コロナウイルス感染症の影響で保険料の納付が困難な人が増えている。コロナ特例で収入が前年よりも30%以上減った方たちには減免・減額ができるが、前年比だけでは困窮状態が長引いている方たちを救うことができない。前年比だけではなく、コロナ禍以前(2019年度)の収入とも比較できるようにすること。

  2. こども(乳幼児等)医療費助成制度は、市長の選挙の際に18歳まで所得制限を撤廃し無料との公約を示した。これまで、高校生や所得基準を上回る小4〜中3には助成がなかったが、一部助成の対象としたことを2022年9月議会で示した。この制度については、所得制限を撤廃し一部負担金もなくして完全無料化すること。

  3. 後期高齢者医療制度について、単身世帯200万円以上、夫婦世帯320万円以上の収入がある世帯を対象とし、10月から医療費窓口負担を2倍化される予定である。本市においてはこれまで通り1割負担を継続できるよう県に助成制度の創設を求め、市としても何らかの措置を講ずること。

  4. 平和の施策について
     ロシアによるウクライナ侵略による戦争が続いている。戦争が一向に収まる気配はない。ロシアは武力の行使を禁止している国連憲章を守れと全世界の国や市民が声を上げていくことが求められている。2022年はアジアで2000万人、日本でも310万人近い人が亡くなった先の大戦から77年となった。戦争を二度と繰り返さないためにも、戦争の悲惨さを知ってもらう活動や、戦争につながっていく動きに常に警戒をして警鐘をならしていくことが重要である。また、県下に先駆けて平和非核都市宣言をした西宮市が、核兵器廃絶に向けて全国や世界に向けて発信していく意義は大きい。
    平和行政として次のことにとりくむこと。
    (1)核兵器禁止条約が発効されたが、政府はこの条約への署名・批准を拒否し続けている。唯一の戦争被爆国としてあるまじき姿である。平和非核都市宣言を行っている西宮市としては、国に対して署名・批准を求め、条約参加への世論が高まるとりくみを積極的に実施していくこと。
    (2)毎年開催される市の原爆展は重要である。広報をさらに強化し、より多くの人々に来場してもらえるよう努めること。
    (3)戦争体験者が年々少なくなっている。西宮空襲などの「語り部」の発掘に本腰を入れること。また、戦争体験を継承していくためにも、体験者以外の「語り部」の育成に本格的にとりくむこと。
    (4)日本においては戦争の実相を伝える際、被害だけでなく、平和資料館(川添町)においては“加害”の事実を伝える資料も展示等すること。

  5. 人種差別やヘイトスピーチを許さない世論が急速に高まり定着しつつある。市として「第2次西宮市人権教育・啓発に関する基本計画」に基づいた啓発を行うなど、差別のない社会を目指すとりくみを強化すること。

  6. 市内では外国人居住者が増えているが、生活していく上での様々な相談を受けられる窓口を設置すること。

  7. ジェンダー平等は世界的な流れになっているが、日本では十分理解がすすんでいない。性的マイノリティーの人たちを含めた差別解消や支援の推進等、一人ひとりの人権と個性が尊重される西宮市をつくるために、以下の項目にとりくむこと。
    (1)「西宮市パートナーシップ宣誓証明制度」が実施されたことは大きな前進である。さらに、制度の名称に「ファミリーシップ」を加えて、カップルと生活をともにする未成年の子どもとの関係を証明する制度を取り入れること。子どもの名前を記載することによって、医療機関や保育園などの場でパートナー関係にある2人が保護者として認められることになる。本市でも先進市を参考にしてこの制度を構築すること。
    (2)「西宮市男女共同参画プラン」が策定されているが、様々な指標の数値目標を達成するための具体策が不十分である。さらに具体的な計画をつくること。
    (3)ジェンダーフリーの観点から、そもそも「男女共同参画」という言い方自体がそぐわない。名称の見直しを検討すること。

  8. 地域の集会施設について
     施設の総量縮減は公共施設マネジメントの取組みの一つだが、市民館・共同利用施設などはそれぞれの歴史的経過もちがうことから、安易な統合や廃止は行ってはならない。以下のことにとりくみ市民サービスを向上させること。
    (1)各施設の使用料については受益者負担という考えを導入し、多くの市民館で使用料が引き上げられた。こうした施設は市民のコミュニケーションをはかる、あるいは文化の向上にも寄与していることから今後は安易な引き上げは行わないこと。また、共同利用施設は有料化しないこと。
    (2)国道171号線以北の広田地域については市民集会施設の空白地であることを市は課題として認識している。早急に地域の希望を聞いて解決すること。
    (3)市民館・共同利用施設の視聴覚設備についてはWi-Fi環境の整備を行うとともに、最新のマルチメディアに対応できる機器を配備すること。

  9. マイナンバー制度について
     国が行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現のために導入したとしているマイナンバー制度は、様々なデータを一元化して国民を管理監督しようとするものである。2021年3月からはカードを健康保険証としても利用できるようになっており、今後はさらに銀行口座に紐づけすることも検討されている。
    日本弁護士連合会も個人のプライバシー権の侵害になることを指摘していることから、マイナンバーカードの普及を積極的に行わないこと。

  10. 市民課の窓口については、民営化を行わないこと。