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2023年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:環境局
2022年09月01日

  1. 今年の夏も異常なほどの暑さで、これも地球温暖化現象と考えられる。地球温暖化は世界的規模の問題であり、一つ一つの自治体が本気になってとりくんでいかねばならない課題である。その対策として、市長は、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにすることを目指すとし、具体的な施策としては、ごみ焼却施設で得られるカーボンフリーな電力の公共施設への供給モデル実施や、市施設のLED化に向けたロードマップの策定などに取り組むとしている。
     さらに、温室効果ガスを減らすためにも電力における自然再生可能エネルギーの活用は欠かせない。日本は再生可能エネルギーの宝庫といわれており、特に太陽光発電パネルや地熱発電の技術は諸外国で活用されている。次のことに取り組むこと。
    (1)「省エネモニター」事業で、各家庭の省エネの取り組みの工夫で10%〜13%程度のエネルギー使用量を削減できることを確認している。「第二次西宮市地球温暖化実行計画」の見直しをする際には、これらを踏まえた目標達成を計画に盛り込むこと。
    (2)市は太陽光パネルと蓄電池の購入について、神戸市と阪神7市1町が共同購入できる仕組みに参加することになった。各家庭での太陽光パネルなどの設置については伸び悩みの傾向にあり、市場価格から25%ほど安くなるこの制度をさらに周知し、自然再生エネルギー活用のさらなる普及を図ること。
    (3)新増設される公共施設は、太陽光パネルや蓄電池システムなどを導入しているが不十分である。さらに、導入を進めること。

  2. 神戸製鋼所は灘区にある石炭火力発電所に新たに2基の増設を進めており、2022年度に稼働することになっている。石炭発電は大量の二酸化炭素を排出することから世界では廃止する方向に進んでいるが、日本は世界の流れに逆行している。市として稼働にきっぱり反対すること。

  3. 市は「西宮市空き家等対策計画」を策定している。市内で空き家は増えてきているが特定空き家はないと聞いている。国は現行法で対処できない事例もあることから、法改正を検討しているがまだ具体化されていない。市内の状況を十分把握した上で、条例化の検討も行うこと。

  4. ゴミ問題について以下のことにとりくむこと。
    (1)ゴミ収集の業者委託は、市内7割以上へと拡大してきた。災害時の対応や、民間への適切な指導上の必要があることからも、これ以上の民間委託は行わないこと。
    (2)指定ゴミ袋制度が実質2022年7月から始まっている。そもそもこの制度はゴミ分別と減量が目的であった。引き続き市民への啓発を強化すること。
    (3)ゴミを荒らすカラス対策については2020年度より折り畳み式ネットボックス等購入費の一部補助制度が創設されたが、補助率を上げるなど、さらに実効性のある対策を実施すること。

  5. 現在、市は「容器包装リサイクル法」によってその他プラの回収・処理を行っているが、国は2022年4月1日からプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律を施行し、その他プラ以外のプラスチックも対象に回収・処理を行うこととなった。自治体に対する努力義務とはいえ、国際的にもプラスチックの海洋汚染問題をはじめ、化石燃料に頼らない社会の構築は待ったなしとなっている。全国の先進市やモデル事業も参考に、新たな分別や回収、ならびに処理についての方法を検討して早期に実施すること。

  6. 2021年度より給水スポットが公共施設11カ所に設置された。さらに設置個所を増やすとともに、市民に向けて啓発すること。

  7. アスベスト(石綿)対策について、2021年4月より改正大気汚染防止法が施行された。本市においては2020年度より「アスベスト飛散防止対策事業」を立ち上げている。2028年にはアスベスト含有の建材を使った建物の解体のピークを迎えることから、状況に応じ計画的に体制強化し万全を期すこと。