2023年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:こども支援局/* --項目挿入-- */?>
2022年09月01日
- 新型コロナウイルスに感染する子どもが増えている。子どもの命や日常生活を守るために保育や学童保育の現場における新型コロナウイルス感染症対策として、以下要望する。
(1)保育や学童保育の現場で感染者が発生したら、安心・安全のためにすべての職員、子どもを対象にPCR検査を実施すること。
(2)保育や学童保育の現場では、「3密」は避けられないが、少しでも密を避け、保育士や指導員の負担を軽減していくためにも、さらに、保育士・指導員の増員を図っていくこと。
(3)保育所や学童保育所の利用者・職員・出入り業者等が定期的かつ必要に応じてPCR検査を受けられるようにすること。
- 保育所は市独自で国基準以上の保育士を配置しているが、この際条例化し、さらなる拡充をすること。
- 本市の2022年4月1日現在の保育所待機児童数は52人。また、利用保留児(潜在待機児童)数が、2021年4月1日より、102人減少し932人となった。待機児童問題について、以下要望する。
(1)民間保育所には施設整備や運営費に対する国県の大幅な援助があるとの理由で民間保育所頼みになっているが、公立の保育所や分園も増設し、定員を増やすこと。
(2)2021年度より「特区小規模保育事業」をスタートさせた。2022年4月に公立幼稚園の預かり保育に入園したのは夙川幼稚園4人、高木幼稚園3人だった。これは、就学前までの保育所を求める保護者が多いのが理由である。これ以上、特区小規模保育所を増やさないこと。
(3)保育の質を保ちつつ待機児童を解消する策として、市立幼稚園の認定こども園化を検討すること。
- 3歳〜5歳児の保育料は無償となったものの、給食費は年収360万円以下、全世帯の第3子以外は実費徴収となっている。独自で無償化を実施している自治体に倣い、本市でも給食費は無償とすること。
- 保育士不足が各地で深刻になっている。解決のためには、賃金が全職種の平均を月10万円余り下回っているなど、低待遇の改善が不可欠である。市独自で保育士の給与を引き上げること。
- 市立保育所、保育事業について、以下のことを要望する。
(1)芦原むつみ保育所は、2023年度は180人定員にするとしている。新型コロナウイルスの影響がいつまで続くかわからない中で、密状態を生み出す定員増の方針は見直すべきである。現在の定員を堅持すること。
(2)保育における公的責任を考え、公立保育所民営化計画はきっぱりと撤回すること。
(3)自園調理の実施やアレルギー除去食への対応等で、給食調理員の過重負担がある。調理員の増員をはかること。
(4)誰もが利用できる一時預かり(一時保育)を公立保育所でも実施すること。対象児童を限定して実施されている現行の「スマイル保育(一時保育)」事業を他の保育所にも拡大すること。
(5)おむつ持ち帰りについては、保育所で処分する取り組みが2022年度4公立保育所で始まっている。検証しすべての保育所で実施すること。
- 子育て広場の設置について現在20カ所であるが、未就学児を連れて行くには距離が短い方がのぞましい。利用しやすい小学校区に1か所設置へと拡充すること。
- 学童保育(留守家庭児童育成センター)について、以下、要望する。
(1)現在学童保育は公募による指定管理者制度により運営されており、株式会社も指定管理者として参入している。そもそも学童保育には指定管理者制度はなじまない。子どもの成長発達を保障できているのか、市として検証すること。
(2)保育事業と同様に営利はなじまないが、待機児童対策として市が補助金を出している民設民営学童については運営状況を注意深く観察し、くれぐれも子どもたちに不利益が及ばないよう指導していくこと。そして、今後の民設民営学童の増設はやめること。
(3)4年生を受け入れる学童保育が増えているが、子どもへの指導については低学年とは違う難しさがあると考える。市が主体となって指導員への学習をすすめること。
- 子ども家庭総合支援拠点の職員については、子ども家庭支援員・心理担当支援員・虐待対応専門員が配置されているが、同規模の他市と比べてもとりわけ正規職員の配置が少なすぎる。拡充を進めること。
- 児童相談所に併設されている一時保護所に入所した場合は元の学校に通学できなくなるが、明石市の児童相談所は、今まで通学していた学校にバスで送迎することを実施している。市が児童相談所を設置したからこそ独自の取り組みが可能となった。虐待が年々増えている本市でも、子どもの命を守るためにより強い権限を持つ児童相談所は必要な施設である。国、県他の中核市の動向を注視するだけでなく、児童相談所設置について検討すること。
- 「子育て支援の拠点」として児童館・児童センターを位置づけるのなら、当然直営を守るべきである。あわせて、休日の開館や、地域偏在の解消・増館についても進めること。
- 子どもの7人に1人が貧困状態にある。コロナ禍において失業者が増えており、貧困率がさらに高まっている可能性は高い。母子家庭世帯の貧困問題やヤングケアラー、さらにネグレクト等、子どもをめぐる問題は多岐にわたっている。教育委員会、健康福祉局と連携して対応を強めること。
- 子供家庭支援課では、親族などからの支援が期待できず、乳幼児の適切な養育が困難な家庭に、産前、産後、育児支援ヘルパーを派遣し、食事、洗濯、掃除、買い物等の援助を行っているが、回数や対象者が限られている。困った人は誰でも活用できるように改善すること。また、福祉事業団のヘルパーだけでなく民間やNPO法人等にも拡充しその申請についても簡素なものにすること。
- 子ども未来センターの発達診断については、コロナ禍でもあり今までとは違った症例もあり診断を受ける子どもが増えている。相談や診断にたどり着くまでに長くかかっているが、医師等を含めて早期に相談・診断できる体制を拡充すること。