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2023年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ書:土木局
2022年09月01日

  1. 武庫川治水は、河川対策、流域対策、減災対策の三つの対策を総合的に推進することとし、県はいま、「武庫川水系河川整備計画」および「武庫川流域総合治水対策推進計画」ならびに「阪神西部(武庫川流域圏)地域総合治水推進計画」の三つの計画にもとづいて、総合的な治水対策をすすめている。そこでも指摘されているように、武庫川の想定氾濫区域内の人口や資産は、全国の国管理河川の上位クラスと肩を並べるほどに大きい。
     近年、豪雨災害が頻発するなかで、武庫川流域においてもその危険度が高まっている。西宮市としても、さらなる治水安全度の向上のため、国や県にたいし、河川整備事業の早期完了を要望するとともに、高まる危険に応じた対策を積極的に要望すること。
    (1)武庫川ダム建設について、熟慮を欠いた安易な必要論に流されることなく、きっぱりと反対すること。
    (2)武庫川水系河川整備計画に定められた河道整備等の事業を早期に実施すること。
    (3)堤防補強については遅滞なく実施するとともに、早期に実施すること。
    (4)有野川、仁川等の武庫川支流については、必要な河道断面確保のための堆積土砂撤去など、適切な維持管理に努めること。
    (5)近年の豪雨災害などによる高まる危険に応じた対策を講じること。

  2. 交通事故から市民の命を守るため、とくに高齢者や障がい者、車いす、ベビーカーなど市民が安心して通行できるよう、歩道の新設や拡幅、歩道と車道の段差解消、傾斜の改良など、市内全域で改善をすすめること。とくに以下の箇所については急ぎ改善すること。
    (1)今津西線において、「事業の手法、時期等を検討すべき路線」と位置付けられている国道2号線から阪神電鉄本線区間(約620m)については、『社会経済状況が厳しい』として、先送りされているが、歩道の整備が強く要請される状況だけに、早急に着手すること。
    (2)中津浜線の旧国道以北から上甲子園中学校の北側までのあいだ、中津浜線の道路の西側の歩道が断続している。改善すること。
    (3)国道43号線の夙川ランプ下の西側は、狭いトンネルを車両と人と自転車が交錯し、大変危険である。必要な安全対策を国とともに進めること。
    (4)樋之池町の市道1027線の歩道は、車いすによる通行や、ベビーカーを押しての通行が、傾斜箇所が多いため、危険である。勾配の改善を急ぐこと。
    (5)通称ザビエル道路の歩道が狭く、波が打つ状態になっているため、車いすなどの通行が困難である。抜本的改善を急ぐこと。

  3. 国道43号線の歩道橋へのエレベーター設置要望については、西宮市による要望箇所が4か所選定され、国との協議が開始されたと聞いている。地域住民が長期にわたって要望してきたことであり、早期実現にむけて尽力すること。

  4. 自転車対策、駐輪対策について、以下のことに取り組むこと。
    (1)自転車は「道路交通法」上では、自動車と同じ車両と位置づけられている。そのため、自転車を利用する際には、車両としての正しいルールを知り、守る必要がある。さらに、自転車の事故を防ぐため、自転車を運転する基本ルール、「自転車安全利用五原則」を市民に繰り返し啓発すること。
    (2)主要な駅での駐輪マナー指導について、この間の対策が効果をあげているが、引き続き駐輪マナー指導を強めること。

  5. 交差点などの安全対策について、信号機の設置や危険個所の交通規制を検討するなど、万全を期すこと。
    (1)今津西線の神戸女学院大学西門前三叉路交差点付近は、急な坂道となっており、自転車どうしの交通事故が多発している。国道171号線以北の道路に矢はねマークを表示するなど、自転車の左側通行を守らせること。
    (2)県道今津東線と市道西第329号線の交差点での事故が多い。早急に信号機を設置すること。
    (3)JR甲子園口駅北側から県道西宮豊中線交差点までの道路は歩行者、車等交通量が多く危険である。時速30qに制限速度を落とすなど対策を講じること。この道路の通行量を減らすために山手幹線と市道瓦76号線の交差点に信号機を設置すること。
    (4)花園町と甲子園5番町の間の道路については、コンビニの北側の道路が通学路になっている。コンビニ西側の南北道路に信号機を設置すること。
    (5)夙川オアシスロードと酒蔵通りの交差点は夙川をはさんで東側には信号機が設置されているが、西側には横断歩道すらない。2019年4月には交差点北西側に香櫨園市民センターが新設され、歩行者、自転車の通行量が増えていることから西側にも横断歩道と信号機を早急に設置すること。
    (6)甲山大師道や、みたらし通りが交差する、新甲陽園郵便局付近の六叉路の交差点をスクランブル信号にするなど、歩行者が安全に道路を渡ることができるよう改善すること。

  6. 視覚障害者等の安全通行のために次のことに取り組むこと。
    (1)当事者の要望を聞いて引き続き、点字ブロック、誘導用線ブロック、エスコートゾーンなどの敷設を計画的に実施すること。
    (2)歩道への駐車、点字ブロック上の自転車の放置、および、店舗の置き看板などは、視覚障害者等の安全通行の妨げになっている。マナー指導の量を増やすなど、対策をとること。
    (3)視力障害者の人から、山手幹線の神明西交差点(広川内科クリニック前)及び西福河原線交差点に、それぞれ音響式信号を設置してほしいとの要望がある。設置すること。また、すでにある音響式信号についても、音源の位置を低くするなど、近隣住宅への配慮をするよう県に求めること。

  7. 道路の横断歩道や区画線、進行方向別通行区分、道路標示など、白線表示が摩耗して見えなくなる状態があちこちに見受けられる。関係当局と連携して、早急に改善すること。

  8. 深い側溝や水路などに転落防止柵の設置を行うことと併せ、既に設置されている柵については塗装のはがれなどの点検を行い、鉄部が傷む前に補修すること。

  9. 街路樹の根が張り、アスファルトや土を持ち上げ、民家に被害を与えるなど事故が増えている。早急に調査、対策をとること。また、街路樹や雑草の繁茂は、車道の見通しを悪くし、信号を覆い隠すなど、事故の危険度を高める。早急に対処すること。

  10. アサヒビール跡地周辺での歩行者・自転車のJR横断道路整備については、名神高速道路沿い西側付近での横断が適当とのことで、概算事業費約40億円の大まかな内容も示されている。課題は多いが、アサヒビール跡地には民間老人施設や県市統合病院も建設されることから、早急に事業化すること。
     また、国道2号線からJRまでの津門川左岸線も、この近辺のJR横断道として引き続き機能することになる。安全対策を進めること。

  11. 阪急甲陽線の西宮六甲線踏切(県道大沢西宮線)と水道路踏切(満池谷墓園前)の安全対策については、具体化を急ぎ、早期に実施すること。

  12. 県道大沢西宮線、特に阪急甲陽線から銀水橋間の安全対策を早急に行うよう、引き 続き県に強く要望すること。

  13. 西宮浜総合公園の整備が進められているが、その一部である「にぎわい創出ゾーン」(民間業者に運営を任せる場所)の計画が、民間からの応募がなく滞っている。この際、御前浜に代わるバーベキュー広場等に計画を練り直すこと。

  14. 2021年8月より、御前浜橋(はね橋)の開閉回数が土日祝の各4回から実質1回となった。しかし、各日午前10時の開閉については、メンテナンスのためとはいえ、尼崎のはね橋が月1回の開閉実施としていることと比べて、あまりにも開閉回数が過剰であり、合理性に欠く。尼崎と同様に月1回程度とすること。

  15. 緑の確保、環境保全、市民の憩いの場、また緊急避難所として公園は重要な役割を果たしているが、市の公園施策は十分とは言えない。以下取り組むこと。
    (1)公園の少ないJR以北には、生産緑地等の積極的活用で早期に公園整備計画を策定し取り組むこと。この他にも民有地や遊休市有地等を活用して街なかに公園を新たに確保すること。
    (2)甲陽園大池の横にある市営住宅跡地については、甲陽園市民館の建て替え先となっているが、かなりの残地が出る予定になっている。残地については売却せず、公園や広場として活用すること。
    (3)公園の清掃について市民参加をすすめることは当然であるが、各所で手入れが行き届いてない公園がある。必要な予算を確保し、剪定作業や排水口の清掃の回数を増やすなど、市の責任で公園の管理を改善すること。
    (4)公園のトイレについては、公園利用者だけでなく「公衆トイレ」としての役割をもっている。洋式化の推進や身障者用のトイレなどの整備が進められているが、未整備の公園については早期に整備すること。また、清掃回数を増やすなど「きれいなトイレ」をめざすこと。
    (5)障害のある子どもたちも使える遊具を備えた公園(インクルーシブ公園)を検討すること。
    (6)老朽化した遊具については撤去するだけでなく更新すること。