野口あけみの反対討論/* --項目挿入-- */?>
2022年09月16日
議案第508号 令和4年度 西宮市介護保険特別会計補正予算(第1号)議案第508号 令和4年度 西宮市介護保険特別会計補正予算(第1号)について、日本共産党西宮市会議員団は反対します。以下、討論を行います。 今年3月、2021年度政府の第1次補正予算で、介護福祉職員138万人を対象に、収入を3%程度、月額約9000円、22年2月から9月まで引き上げるための費用1000億円が措置されました。 これは、処遇改善加算のTからVのいずれかを取得している事業所が、県に対し介護職員等の賃金改善額を記載した計画書を提出し、県は介護職員処遇改善支援補助金として、国民健康保険団体連合会を通じて各事業所に支給していました。来年1月には事業所は処遇改善実績報告書を兵庫県に提出することが必要となっています。 一方、10月以降の賃上げは、補助金ではなく介護報酬の臨時改定で対応することとされており、この度の補正予算の提案となっています。 本市補正予算案では、歳出では、介護サービス等諸費で2億234万8千円の増額提案です。歳入ではその財源を、国24.25%、県12.5%、市12.5%、65歳以上の1号被保険者23.75%、40歳〜64歳までの2号被保険者27%の負担割合に応じて歳入するものとなっています。1号被保険者については、保険料改定が3年ごとのため保険料をプールしている介護給付費準備基金から繰り出すことになります。 より良い介護サービス提供のためには事業所に支払われる介護報酬の引き上げが求められます。特に介護職の人材不足は深刻です。その原因の一つに全産業平均月額35万2千円から5万9千円も低い介護職の処遇があります。この度の約9千円アップでは一桁違うとの指摘もあり、実際に介護職のみなさんの処遇改善がどうなったのかは、にちに県あるいは市に提出される処遇改善実績報告書を検証する必要があります。 いずれにしても介護職の人材不足解消のためには処遇改善は不可欠ですが、介護報酬をその財源とし増額改定することは、財源を負担している1号、2号被保険者の負担増につながります。また、サービス利用料の負担増にもつながります。 本市でいえば、第1号被保険者の保険料負担は、年間約9千500万円となり、第1号被保険者数約11万8千人で割り戻した場合、一人当たり年間約800円の増額。利用料に関しては、年間サービス給付費は約4千50万円の増で、利用者の負担割合を1割とした場合、利用者数約2万人で割り戻すと、一人当たり年間約2,000円の増額になると、質疑に対する答弁がありました。 保険料への影響は、最高位の所得階層では、平均額とほぼ同等である基準額の2.3倍で1840円増、利用料は、2割負担、3割負担の方もいらっしゃいますから、4000円、あるいは6000円の増額です。これはこの度の処遇改善のみの影響額です。このままのやり方でいけば、1年半後の保険料増に確実に影響します。 介護職の処遇改善が課題となり初めて取り組まれたのは、2009年でした。2011年までは国の交付金、補助金が財源となりましたが、2012年からは介護報酬が財源となりました。そして、2021年11月、コロナ下でケア労働に注目が集まる中で「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」として、介護職や保育士、看護師等の処遇改善が閣議決定され、3%程度、9000円の給与引き上げ措置が取られることになったのです。冒頭申しあげたとおり2022年2月から9月分は交付金で、10月からは介護報酬で措置されます。2011年以降、久方ぶりの交付金、補助金での措置でしたがわずか8か月のみで、あとは介護報酬で、というこれまでのやり方が踏襲されているのです。 介護職の処遇改善という必要不可欠な施策を行うために、国民の負担増、痛みが伴うということは、国民のさらなる分断をもたらします。これは介護保険制度の大きな問題点の一つです。これには、全国市長会などからも懸念が示されています。処遇改善の財源は介護報酬によるのでなく、国からの交付金や、あるいは介護特会への国庫負担割合の引き上げなどで実施されるべき、このことを申し上げて反対討論といたします。 |